西陣病院だより

季節の”食”めぐり

(この記事は2026年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

 

 

 秋になると旬を迎える秋刀魚は、昔から「秋の味覚」として親しまれてきた魚です。脂がのってうま味が増し、この時期ならではのおいしさを楽しむことができます。
 さんまには血液をサラサラにするEPAや脳の働きを活発にするDHAといった良質な脂質が豊富に含まれています。また、ビタミンDや鉄分も多く、骨を丈夫にしたり、貧血を予防したりと、元気に過ごすための栄養がたっぷり詰まっています。当院の行事食では、旬のさんまを香ばしくから揚げに仕上げ敬老の日のお祝いとして、長寿を願うあずき御飯やおめでたい紅白白玉と一緒に提供しています。
 みなさまも季節の恵みに感謝しながら、秋ならではの味わいをお楽しみください。

2026年09月01日

花粉症のお薬について

(この記事は2026年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部 薬剤師 岩佐 優里香

 花粉症と聞くと春をイメージする方が多いかもしれません。しかし、花粉症は春だけでなく秋にもみられます。今回は、秋の花粉症に用いられる内服薬についてご紹介します。


花粉症とは?

 花粉症は、花粉が体内に入ることで免疫反応が起こり、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が現れるアレルギー性疾患です。秋の花粉症の主な原因となる植物には、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどがあります。

花粉症に効く市販薬は?

 代表的なのは抗ヒスタミン薬です。抗ヒスタミン薬は、アレルギー反応に関わるヒスタミンの働きを抑え、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状を改善します。
 現在は、眠気が出にくい第二世代抗ヒスタミン薬が主流となっており、日中の仕事や勉強への影響を抑えながら服用できる製品も増えています。ただし、薬によって眠気の程度には差があるため、車の運転や危険を伴う作業をする方は、医師または薬剤師に相談して選ぶことが大切です。また、抗ヒスタミン薬以外にも、アレルギー症状の原因となる物質の放出を抑えるメディエーター遊離抑制成分を配合した薬などがあります。花粉症の薬は、症状が出てからだけでなく、花粉が飛散し始める前や症状が軽いうちから服用を開始すると、花粉の飛散最盛期の症状を軽減できる場合があります。

主な市販薬

内服薬 アレジオン®20、アレグラ®FX、クラリチン®EX、タリオン®AR など

点鼻薬 フルナーゼ点鼻薬、コンタック®鼻炎スプレー など

点眼薬 ロートアルガード®クリアブロックZ、ロートアルガード®クリニカルショット など

 市販薬の購入を検討している方は薬局・ドラッグストアの薬剤師またはかかりつけ薬剤師に相談し、自分の症状や生活スタイルに合った薬を選びましょう。また、市販薬を一定期間使用しても症状が改善しない場合や、症状が強い場合は、早めに医療機関を受診してください。

2026年09月01日

ふれあい看護体験

(この記事は2026年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

看護部 教育科長 兵頭 美香子

 

未来の看護師を応援!ふれあい看護体験を開催しました!

 8月6日(木)、当院にて「ふれあい看護体験」を開催し、4名の高校生と1名の中学生が参加してくださいました。

 参加者のみなさんには、血圧測定や聴診、全身清拭、患者さんとのコミュニケーションなど、さまざまな看護を体験していただきました。最初は緊張した様子でしたが、どなたも一生懸命に取り組む姿が印象的でした。体験中、患者さんから「一生懸命勉強して、絶対に素敵な看護師さんになってね!」と温かい励ましの言葉をいただきました。参加者のみなさんからは「とても楽しかったです」「勉強になりました」「より強く看護師になりたいと思いました」といった嬉しい感想が寄せられました。今回の体験が、みなさんの未来への第一歩となることをスタッフ一同応援しています。

 
2026年09月01日

季節の”食”めぐり

(この記事は2026年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

 

 

当院ではウナギを使った「うざく」を行事食の一品として提供しています。

 土用とは、立春・立夏・立秋・立冬の直前にある約18日間の期間を指し、丑の日とは、十二支で数えたときに「丑」に あたる日のことです。土用の期間中に巡ってくる丑の日を「土用の丑の日」といいます。
 昔からこの日は、体に力をつけるために うなぎを食べる風習があります。うなぎにはビタミンが多く、夏バテを防ぐ食べ物として親しまれてきました。
 また、丑(うし)にちなんで、「う」のつく食べ物(うどん・梅干し・うりなど)を食べるとよいとも言われています。季節の変わり目を元気に乗り切るために皆様のご家庭でも取り入れてみてはいかがでしょうか。

2026年07月01日

夏の熱中症とお薬

(この記事は2026年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部 薬剤師 寺崎 真帆

 

 熱中症は屋外だけでなく、家の中でも起こります。実は普段飲んでいるお薬が、暑さや脱水に影響することも。今回は夏に気をつけたい“お薬と熱中症”の関係をご紹介します。

 「熱中症=炎天下で起こるもの」と思われがちですが、実は室内や夜間にも多く発生しています。特に高齢の方は、暑さやのどの渇きを感じにくくなるため、気づかないうちに脱水が進んでいることがあります。
 また、熱中症対策というと「水分補給」が有名ですが、実は“お薬”も関係することがあります。例えば、血圧や心不全などで使われる「利尿薬」は、尿を出しやすくするお薬です。大切なお薬ですが、汗をかく夏場は体の水分が不足しやすくなり、脱水につながることがあります。
 また意外かもしれませんが、一部の風邪薬やアレルギーのお薬には、“汗を出にくくする作用”をもつものがあります。汗は体温を下げる大切な働きをしているため、汗をかきにくいと体に熱がこもりやすくなります。「汗をかいていないから安心」と思う方もいますが、暑い場所にいるのに汗が少ない時は、かえって注意が必要な場合があります。
 熱中症予防で大切なのは、「のどが渇く前」に少しずつ水分をとることです。特に起床後や入浴前後、寝る前は水分不足になりやすいため、意識して飲むようにしましょう。我慢せずエアコンを使用し、無理をしないことも大切です。また、大量に汗をかいた時は、水分だけでなく塩分補給も必要です。ただし、心臓や腎臓の病気などで水分・塩分制限がある方は、自己判断せず医師の指示に従ってください。
 そして一番大切なのは、「お薬を勝手にやめないこと」です。食事や水分が取れない時、発熱や強いだるさが続く時は、早めに医師や薬剤師へ相談しましょう。お薬とも上手につきあいながら、暑い夏を元気に乗り切りましょう! 

2026年07月01日

認知症の人とのかかわり方

~ご家族の心が楽になる コミュニケーション方法~

(この記事は2026年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

 認知症看護認定看護師
草川 千恵

「また同じこと聞いて」「何で分からないの!」

 認知症の方を介護する中で、このような言葉をつい口にしてしまったことはありませんか。ダメだと頭で思っていても、「つい感情的になり言ってしまう」と悩むご家族は少なくありません。認知症のご本人さんも、このような言葉がけにますます興奮したり、反対に落ち込んだりされることがあります。
 しかし、ちょっとした心がけで、お互いの関係は穏やかで温かいものとなるはずです。そこで今回は、認知症の方とかかわる上での注意点をお伝えしたいと思います。

かかわり方のポイント

      1. 「否定」ではなく「受容」の姿勢で

        認知症の方の言葉や行動を否定することは、自信を失わせたり、混乱や不安につながってしまいます。「それは違うでしょ!」と否定せず、「そうやね」「そう思うのですね」と、まずは相手の感情を受け止めましょう。

      2. 非言語的なコミュニケーションを大切にする

        穏やかな表情と優しいまなざし、アイコンタクト(目線を合わせる)、タッチング(優しく触れる)を活用しましょう。

      3. 一つの声かけで一つの行動を促す

        認知症の方へ一度にたくさんの情報を伝えてしまうと、それを処理しきれず、混乱してしまいます。

        NG例:「歯を磨いてから、トイレして、ベッドに行ってね」

        OK例:「まず歯を磨いてね」▶歯磨き後「次はおトイレに行きましょう」▶トイレ後「ベッドで寝ましょう」

ご家族の心を守るために

 ご家族が無理しすぎてしまうと、心も体も疲れてしまいます。認知症の介護は「頑張りすぎない」「抱え込まない」「弱音を吐いてもいい」「比べない」ことが必要です。ご家族が自分自身を大切にすることにより、心の余裕ができて、認知症の方への優しさにもつながってきます。

2026年07月01日

看護部長就任のごあいさつ

『自分らしく生きる』を支えるために、その人に寄り添った看護を実践します

(この記事は2026年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

看護部長
認定看護管理者
金澤 佳織




  私たちが目指す看護は、患者さんの「その人らしさ」を尊重し、日々の気づきを大切にすることです。患者さんに最も近い存在である看護師として、フィジカルアセスメントはもちろん、生活背景にも目を向け、患者さんの真意やニーズを的確に捉えることが私たちの使命であると考えています。

 

 今年度は、改めて「寄り添うこと」について深く向き合い、「その人らしく生きる」を支える看護の実践を看護部目標に掲げました。患者さんやご家族の変化にいち早く気づき、関心を寄せて「今、何が必要なのか」を常に問い続けます。相手の立場に立って共感し、配慮を欠かさず、起こりうる現象にしなやかに対応できる看護を提供していきたいと考えています。
 超高齢化・多様化が進む社会において、患者さんやご家族の悩みは病気のことだけにとどまりません。言葉として発せられることだけでなく、観察力、洞察力、コミュニケーション力を最大限に発揮し、憶測に基づかない的確な看護ケアを目指します。
 また、困難な状況にも柔軟に対応できる心と力、すなわち「レジリエンス」を備えたスタッフの育成に注力します。治療やケアの過程で生じる「倫理的ジレンマ」や葛藤から目を背けず、多職種でカンファレンスを重ね、柔軟な思考で最善のケアを追求できる組織づくりを推進してまいります。

2026年07月01日

季節の”食”めぐり

(この記事は2026年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

 

 豆ごはんは、米とえんどう豆を炊き合わせた日本の伝統的な料理で、春の訪れを告げる季節の味覚として親しまれています。4月から5月頃はうすいえんどうやグリンピースの収穫期であり、豆ごはんを作る最適な時期です。この時期の豆は粒が揃ってつやがあり、ホクホクとした食感と甘みが特徴です。
 えんどう豆は炭水化物のほか、カロテン、ビタミンB群、食物繊維、カリウム、鉄分、葉酸などを含み、春の食卓に彩りと栄養を添えます。
 塩だけで味を付けて炊き上げた「豆ごはん」は、豆の風味や甘みを感じられ、幅広い年代の方に好まれます。当院でも5月初旬に豆ごはんを提供しています。

2026年05月01日

なぜ抗菌薬は飲み切らないといけないの?

(この記事は2026年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部 薬剤師 楠 斐未

感染症にかかった時、処方されることが多い薬の一つに抗菌薬があります。抗菌薬とは細菌の増殖を抑えたり殺したりする薬を指します。
病院や薬局で「抗菌薬は飲み切ってくださいね」と言われたことはありませんか?


飲み切らないと感染症のぶり返しや薬剤耐性菌出現の恐れが

 症状が落ち着いてくると「もう治った!」と思い自己判断で薬をやめてしまう人がいます。しかしこれは実はとても危険な行為です。この時点では、まだ体内に生きた細菌が残っており、再び増殖することで感染症をぶり返してしまう恐れが高まってしまうからです。また、生き残った細菌は薬に対して抵抗力をもち、抗菌薬が効きにくい状態になることがあります。このような細菌を薬剤耐性菌と呼びます。薬剤耐性菌が出現すると、同じ抗菌薬では期待する効果が得られなくなってしまうため、使用できる抗菌薬が少なくなってしまいます。

他者へ感染する可能性も

 完全に細菌をやっつけずに薬をやめてしまうと、体内に残った菌が他者へ感染するリスクが高くなります。もしその菌が薬剤耐性菌だった場合、新たに感染した人の治療が難航するかもしれません。

飲み切ることが大切です!

 抗菌薬を飲み切ることは自分の感染症を治すだけではありません。抗菌薬を指示通りに服用することは、周りの大事な人を守ること、社会全体を守ることにも繋がります。

抗菌薬の中止を考慮すべき主な症状

 飲み切ることが大切な抗菌薬ですが、副作用が疑われる場合は中止を考慮しなければなりません。次のような症状が出た場合には、すぐに服用を中止し病院を受診しましょう。

  1. 発疹・かゆみ・蕁麻疹
  2. 呼吸困難・瞼や唇の腫れ
  3. 水のような激しい下痢や血の混じった下痢
  4. 高熱・のどの痛み・関節痛などの全身症状
2026年05月01日

季節の”食”めぐり

(この記事は2026年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

 

春の訪れを祝う「ぼたもち」

 「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、春のお彼岸は厳しい冬が明け、生命が芽吹く季節の変わり目です。この時期、私たちは先祖を供養し、自然の恵みに感謝を捧げる大切な節目を迎えます。お彼岸の定番といえば「ぼたもち」ですが、なぜ春は「ぼたもち」と呼ばれ、秋は「おはぎ」と呼ばれるのでしょうか。

 春のお彼岸の主役である「ぼたもち」は、春に咲く牡丹の花に見立ててその名がつきました。材料となる小豆の赤色には魔除けの力があるとされ、ご先祖様へのお供えとして定着したのです。春のぼたもちは、冬を越して皮が硬くなった小豆を使うため、皮を除いたこしあんで包むのが伝統的なスタイルとされています。また、お彼岸の献立は精進料理が基本です。肉や魚を避け、山菜の天ぷらや、春の香りが広がる酢の物、具だくさんのけんちん汁などが食卓を彩ります。旬の食材を取り入れることは、体を目覚めさせる養生にも繋がります。大切な人を想いながら、丁寧に作られた季節の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。

2026年03月01日