西陣病院だより

新年のごあいさつ

(この記事は2023年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院 院長 葛西 恭一


あけましておめでとうございます。

皆様には、さわやかな新春をお迎えのことと心よりお喜び申し上げます。皆様のご協力・ご支援により無事に新しい年を迎えることができました。職員一同より皆様への感謝を申しあげますとともに、新しい年が皆様にとって素晴らしい年となりますよう祈念いたします。

 2022年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行し始めてから3年目の年となり、オミクロン株の大流行により大変多くの感染者が発生しました。当院においても8月、9月に院内クラスターが発生し、診療の抑制を余儀なくされ、近隣の開業医の先生方、患者さんに大変ご迷惑をおかけしました。第7波収束後は京都をはじめ全国の観光地には大勢の観光客が訪れ、スポーツ観戦をはじめさまざまなイベントへの参加は徐々にコロナ以前の状態に戻りつつありCOVID-19に対する警戒心は薄れて来ているように思われます。一方、医療施設や介護施設においては、施設内の感染拡大に対する危機感が依然としてあることから職員の行動制限やご家族との面会の制限の緩和もなかなか進みません。2023年はCOVID-19に対する感染症法上の取り扱いの見直しを含め、改めてウィズコロナとしての社会生活が確立されることを期待しています。
 2年後の2025年は「団塊の世代」が75歳以上を迎え、日本は超高齢化社会へ突入します。2025年以降へ向けて、地域に応じた医療・介護体制を構築する目的で地域医療構想が各地で進められており、京都府では「京都府地域包括ケア構想」が策定され、高齢者の皆様が住み慣れた地域で安心して生活できるような医療・介護の提供体制が再構築される予定です。
 本年も当院の基本方針である「地域に密着した良質な医療を提供する」という目標は変わりません。一般診療と透析医療を中心に大病院に引けをとらない高いレベルの医療を提供するとともに、急性期病棟、地域包括ケア病棟、障害者病棟を有する当院の特徴を生かし、患者さん個々の療養状況に応じた切れ目の無いきめ細かい医療を提供してまいります。地域医療構想のもと構築される新たな医療・介護の枠組みの中でも、当院は地域に根差した病院として中心的な役割を果たし、患者さんや開業医の先生方との繋がりを大切にすることで地域に愛される病院となるよう引き続き努力してまいりますのでよろしくお願いいたします。

 

2023年01月01日

あけましておめでとうございます

(この記事は2023年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

  消化器内科 主任部長
中村 英樹

 

 

 皆さま、新年あけましておめでとうございます。
新型コロナウイルス感染症が流行しだしてから、3年が経ちました。ウィズコロナの政策が進む中、皆さまは流行前の日常を取り戻すことができていますでしょうか。

 

 

 医療においては、コロナ流行後にがんと診断された方が減ったと言われています。しかし、これは“受診控え”や“健診控え”で検査を受ける方が減ったためで、診断されるのが遅れているだけだと考えられています。
 私達消化器内科では食道、胃、大腸などの消化管や消化吸収にかかわる肝臓、胆嚢、膵臓などの臓器の検査や治療を専門に行っていますが、特に胃や大腸の癌は早期であれば治療により治癒させることが可能ですし、より初期の癌であれば身体に負担の少ない内視鏡治療で治療することもできます。定期的な検査が先延ばしになってしまっている方がおられましたら、かかりつけの先生にご相談いただいて、以前のように検査を受けていただくことをお勧めします。
 私達は、皆さまが万が一病気になった際には、最適な治療を安全に安心して受けていただけるよう、今後も引き続き努力してまいりますのでよろしくお願い申し上げます。

2023年01月01日

新年おめでとうございます

(この記事は2023年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

  糖尿病内科 部長
矢野 美保

 

 

 皆様にとってよい一年となりますよう、お祈り致します。コロナ禍においては、活動量の低下や検診や医療機関の再診が滞るなど糖尿病が悪化しやすい状況にあります。ただし、自粛期間に自分の時間をうまく利用して運動習慣を取り入れ、家庭での食事を見直すなど生活習慣を改善されている方もいらっしゃいます。コロナ禍でストレスも溜まっておられると思いますが、ポジティブに時代を乗り切っていければと思います。

 

 

 日本糖尿病協会から「糖尿病」という名称の変更を検討する方針が発表されました。私達、糖尿病の患者さんに携わる者としては、病気自体の偏見をなくすように努力し、患者さんの気持ちに寄り添えるような医療を目指していきたいと思っております。昨今、糖尿病の治療薬は目まぐるしく進歩しておりますが、それとともにケアの部分も充実させたいと思っておりますので、困られた時は遠慮なく糖尿病チームのメンバーに御相談下さい。
 近隣の先生方には、本年も変わらぬ御支援、御指導の程、よろしくお願い致します。

2023年01月01日

謹んで新春の祝詞を申し上げます

(この記事は2023年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

  整形外科 部長
北中 重行

 

 コロナ禍となり、4 年目に入ろうとしております。院外ではwithコロナの状況が徐々に広がってきてはおりますが、院内におきましてはzeroコロナで対応せざるをえない状況が続いております。入院中は面会の禁止により、患者さんのみならず、ご家族も精神的な負担につながっているのではないかと危惧しております。そこで整形外科ではご希望に沿って、コメディカルスタッフの協力のもと、撮影した動画で現状をお伝えし、またzoomなどを活用してリアルタイムの状態を把握して頂くよう配慮しております。

 

 

 近年厚生労働省の方針もあり、急性期病院では、術後早期退院、早期転院が一般的になり、手術を受けた患者さんは、術後2週間程度で退院もしくは他病院にリハビリテーション転院されるケースが増えているのが実情です。当院では早期退院が困難な患者さんも術後早期の転院はなく、引き続き患者さんの執刀医が責任をもって地域包括ケア病棟でリハビリテーションスタッフと共に状態をチェックしております。もちろん退院後も外来でフォローしますので、最初から最後まで責任をもって関われる数少ない急性期病院であると自負しております。
 今後も地域の患者さん、近隣の先生方にとって必要とされる病院であり続けられるようスタッフ一同精進してまいります。本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

2023年01月01日

摂食・嚥下障害とくすり

(この記事は2023年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部  薬剤師  池田 未久里

飲食の際によく「むせ込んでしまう」という経験はありませんか。今回はモノを飲み込む「嚥下と薬」のお話をします。

摂食・嚥下障害とは?

「摂食」は食事を摂ること、「嚥下」は飲食物を飲み込むことを指します。これら摂食・嚥下機能に問題が起こることを、摂食・嚥下障害と言います。
 加齢による舌やのどの筋力低下、唾液分泌量の低下、嚥下反射機能の低下などの理由で、摂食・嚥下障害が起きます。また、歯が欠損することで咀嚼能力が低くなり、加えて唾液分泌量が不足することにより、不十分な食塊のまま飲み込むことで誤嚥やむせを起こしやすくなります。

摂食嚥下機能に影響を与える薬

●鎮静作用をもつ睡眠導入薬や抗不安薬 
 食塊を動かす力の低下や、飲み込みのタイミングが失われやすくなる

●吐き気を止める薬
 嚥下・咳漱反射を低下させて誤嚥のリスクに影響を及ぼすことがある

●抗コリン作用をもつ薬
 唾液分泌を減少させ口腔の乾燥を起こし食塊形成に時間がかかり、食物を動かすことも抑制される

誤嚥性肺炎を予防するためには

 夜間に唾液分泌が止まり唾液の浄化作用が落ちると口腔内で細菌が急激に繁殖します。睡眠中に唾液が気道に流れ込む“不顕性誤嚥”があると、口腔内で繁殖した細菌が肺に入ってしまい、肺炎を引き起こしてしまいます。免疫力の落ちた高齢者では、口腔内に汚れがあり、日常的に誤嚥があると誤嚥性肺炎が起こりやすくなります。普段から免疫力を高めておき、細菌やウイルスと戦う力を備えておくことや、丁寧な歯磨きや義歯の手入れなどを行い口の中を清潔に保つことをお奨めします。

2023年01月01日

世界糖尿病デーのイベントを行いました。

(この記事は2023年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

糖尿病内科 部長
矢野 美保

 

 11月14日はインスリンを発見したカナダのバンティング博士の誕生日であり、糖尿病の予防、治療、療養の喚起を推進することが世界的に行われています。世界糖尿病デーのシンボルマークの「ブルーサークル」にちなんで、各地で著名な建造物をブルーにライトアップしています。

 当院では2019年に初めて糖尿病デーのイベントを行いましたが、コロナ禍となりその後は残念ながら再開が出来ませんでした。今年は糖尿病教室を秋より再開しており、毎週金曜日の糖尿病教室の時間帯に合わせて11月11日にイベントを行いました。前半は体操教室をし、皆様は生き生きと活動されておられました。後半は各ブースにわかれてクイズや頸動脈のプラークチェック、各相談コーナーなどを行いました。また広報活動として、新たに糖尿病デーの看板を設置して、11月14日の17:00~18:00には当院のロータリー前のオリーブの木をライトアップしました。コロナ禍で活動が制限される中、糖尿病の患者さんや御家族などに糖尿病チームからのささやかな気持ちが届けばよいなと思います。


2023年01月01日