西陣病院だより

日本列島 ”食” めぐり「愛知県」

(この記事は2021年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 須惠 裕子

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

 

かきまわし(かきまし)

「かきまわし」とは混ぜご飯のことで、愛知県の郷土料理です。炊き上げたお米と別で味付けした具材をしっかりかき混ぜて作ることから名前がついたと言われています。鶏肉が高価だった時代は、祝いの席などハレの場でふるまわれていましたが、現在では、季節を問わず日常的に食べられています。

(1人分)エネルギー 375kcal/たんぱく質9.8g/塩分1.3g

材料 (4人分) 作り方

●米 2合
●鶏もも肉 60g(1/4枚程度)
●人参 40g(小 1/2本)
●油揚げ 30g(大 1/4枚)
●こんにゃく 60g (1/4枚)
●ごぼう 50g(1/4本) 
●醤油 大さじ1
●みりん 大さじ1
●サラダ油 小さじ1
●濃口醤油 大さじ1
●砂糖 小さじ1
●みりん 小さじ 1/2

① 米は洗って30分ほど水に浸した後、ザルにあげておく。
② 炊飯器に①と醤油 大さじ1+みりん 大さじ1を入れ、うち釜の目盛りに合わせて水を入れ炊き上げる。
③ 鶏もも肉は小さく切る。人参は3㎝の細切りにする。
④ 油揚げは油抜きし、長さ3㎝、幅0.5㎝程度の短冊切りにする。
➄ こんにゃくは小さく切って、ゆでてあく抜きする。
⑥ ごぼうは、皮をこそげ、細いささがきにする。
⑦ フライパンにサラダ油を中火で熱し、鶏もも肉を炒め、残りの具材を入れ、火がとおってきたら濃口醤油 大さじ1+砂糖 小さじ1+みりん 小さじ 1/2の調味料を加えて汁気がなくなるまで煮る。
⑧ 炊きあがった②のご飯に⑦を加え、さっくりと混ぜ合わせる。

※ ご飯を炊く際、水の代わりにかつおだしを加えると旨味がまします。具材に干し椎茸を加えて、戻し汁を入れて炊くのも良いかもしれません。

 

2021年03月01日

前立腺がん検診は受けていますか?

(この記事は2021年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

腎臓・泌尿器科 医員
松田 旭央



 日本人の死亡原因の第1位は悪性新生物(がん)ですが、なかでも前立腺がんの罹患率は増加傾向にあります。2017年の統計では男性で第1位となり、日本人男性が最も罹患しやすいがんとなりました。1年間で新たに前立腺がんと診断される人数は10万人あたり約150人で、60歳頃から頻度が増加しています。(出典:全国がん登録による全国がん罹患データより)

前立腺がん検診

前立腺は男性のみにある臓器で、膀胱の下で尿道を取り囲むように位置し、精液に含まれる前立腺液をつくっています。早期の前立腺がんは、多くの場合自覚症状がありませんが、尿の出にくさや排尿回数の増加といった症状が出ることもあります。がんや炎症で前立腺組織が壊れると、PSA というたんぱく質が血中に漏れ出すので、血液検査でPSA値を調べることによって前立腺がんの可能性を調べることが可能です。一般的には 0-4ng/mlが正常範囲とされておりますが、年齢や前立腺肥大症、前立腺炎などの影響でも高くなることがあり、10ng/ml以上でもがんが発見されないこともあります。ただし、100ng/mlを超える場合はがんの可能性が非常に高く、遠隔転移も疑われます。PSA値が正常範囲を超える場合は、超音波検査やMRI検査などを追加して総合的に判断し、がんが疑わしい場合は前立腺生検による確定診断を行います。
 前立腺がん検診について、本邦では厚生労働省などで明確に定められた指針などはありませんが、50歳以上の方には検診が推奨されるという報告もあります。PSA値が1.0ng/ml以下のような低値であれば数年毎の検査でも問題ありませんが、1.0-4.0ng/ml の場合は 1 年毎の検査が必要です。

治療

前立腺がんの主な治療法は、監視療法、手術、放射線治療、内分泌療法(ホルモン療法)、化学療法と多岐に渡り、また、複数の治療法が選択可能な場合もあります。がんの悪性度や転移の有無
などによって選択可能な治療法は異なりますが、それぞれの治療法にメリット・デメリットがあり、年齢や体の状態、患者さんの希望などを基に最適な治療法を検討していきます。前立腺がんは、早期発見し適切な治療を受けることができれば完治することが出来ます。検診で要精密検査となった場合は、必ず泌尿器科を受診してください。

 

2021年03月01日

膵臓がんについて

(この記事は2021年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

消化器内科 副部長
伴 尚美


   日本人の死亡原因の 1 位は男女ともに「悪性新生物(がん)」ですが、がんは決して治らない病気ではなく、発見が早ければ完治もみこめる病気です。日本人に多い胃がんは、検診や検査の体制も整い、発症後も回復される方が増えています。
 一方で、予後が悪く難治性のがんといわれるのが膵臓がんです。全国統計では、男性では肺がん、胃がん、大腸がんについで死因の第4位、女性では大腸がん、肺がんについで第3位となっています。
 膵臓は周囲を他の臓器や血管に囲まれおり、周囲の動脈に拡がるとがんの大きさが小さくても手術ができないこともあります。周囲の血管に拡がり全身転移をする、またおなかの深いところにありみつかりにくいことなども予後の悪い原因となっています。
 膵臓がん全体の 5 年生存率は約11%と非常に不良ですが、10~20㎜の大きさで見つけた場合は約50%、10㎜以下の大きさで見つけることができれば80%以上に改善することが分かっています。

 

膵臓がんの症状

腹痛、食欲不振、腹部膨満感、体重減少、黄疸、糖尿病の発症・増悪、背中の痛み、などがあげられます。初期のころには無症状であることも多く、早期発見が難しいと言われています。

膵臓がんの危険因子

糖尿病の発 症・増悪、膵臓がんの家 族 歴、生活習慣(飲酒・喫煙)、肥満、膵炎、膵のう胞、膵管内乳頭粘液性腫瘍などがあげられます。

膵臓がんのおもな検査方法

 血液検査、腹部超音波検査、CT、MRI、また必要に応じて内視鏡的膵管造影検査、超音波内視鏡検査などが行われます。がんの見落としを防ぐために違う検査を相互に組み合わせ総合的な評価が必要です。

超音波内視鏡検査について

 膵臓は胃の後ろ側、おなかの深いところにあり、通常の腹部超音波検査ではみえにくいことがあります。超音波内視鏡検査とは、先端に超音波装置のついた内視鏡を胃に挿入し、より近くから膵臓を調べる検査です。これにより、膵臓全体を調べることができ、小さな腫瘍をみつけることができます。
 もし腫瘍がみつかった場合は、内視鏡を通して針を膵臓に刺し細胞を取り出す検査が可能です。この細胞を取り出す検査を、超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)といいます。当院においても、7年前より超音波内視鏡機器を導入し、微小膵臓がんの診断に役立てています。

 

※ 膵臓がんは早期発見がいまだ難しいのが現状です。お腹が痛くて胃カメラをしたけど異常がないと言われた方、危険因子のある方、また危険因子がなくても膵臓が気になる方はぜひ一度ご相談ください。

2021年03月01日