西陣だより

日本列島 ”食” めぐり「和歌山県」

(この記事は2020年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科  管理栄養士 今井 文恵

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます。

 

~ 茶がゆ ~

 和歌山県には茶がゆを食べる習慣があります。耕地に恵まれなかった紀州では、少量のお米でも満足感を得られる茶がゆが常食として食べられるようになったことに起因しています。紀州では、おかゆといえば、ほうじ茶で炊いた茶がゆのことを言い、各家庭それぞれのこだわりの炊き方があるそうです。冬は温かいものを、夏は冷やしたものを食べることが多く、梅干しや漬物との相性も良いです。茶がゆの香ばしさとサラサラとした喉越しは、蒸し暑い真夏の京都で食欲が落ちてしまっている方にもおすすめです。

 

●茶がゆ 1人分: エネルギー168kcal たんぱく質2.5g
材料 (2人分) 作り方

ごはん 200g (米2/3合分)
ほうじ茶の葉 大さじ3 (だしパックに入れる)
水 600ml

  1. ごはんをざるに入れ、米粒をつぶさないように流水でよく洗う。
  2. 鍋に水を入れて火にかけ、泡が出始めたら、だしパックに入れたほうじ茶葉を加えて煮出す。十分にお茶が出たら、茶葉は取り出す。
  3. 沸かしたお茶の鍋に洗った1.のごはんを入れ、吹きこぼれないように蓋をずらして置いたら約20分炊きます。
    ごはんが十分に水を吸ってやわらかくなったら、蓋をきっちりしめて火を切り約10分蒸らす。

 

 

2020年07月01日

医薬品副作用被害救済制度

(この記事は2020年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部 薬剤師 辻 芙美

 本来、薬は病気を治す目的で服用しますが、目的以外の望ましくない作用 =「副作用」が出てしまう事があります。薬の副作用により重篤な健康被害を受けられた方に対し、救済を行う制度がありますのでご紹介します。

医薬品副作用被害救済制度とは?

医薬品を適正に使用したにもかかわらず、副作用により入院が必要になるほどの重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や医療手当、障害年金などの給付を受けることができる公的な制度です。

 

副作用により下記の状態になった場合に対象となります。
 ①医薬品等の副作用によって、入院またはやむを得ず自宅療養が必要
 ②日常生活が著しく制限される程度の障がい
 ③死亡

ただし、下記の場合などは、対象外になります。
 ①法定予防接種を受けたことによるものである場合
 ②がんその他の特殊疾病に使用される医薬品等で厚生労働大臣の指定するもの
 ③医薬品等の副作用のうち軽度な健康被害や医薬品等の不適正な使用によるもの

 

ここで重要なのは、「適正に使用した」ということです。添付文書に記載されている用法用量及び使用上の注意に従っていることが基本です。自己判断で医薬品の量を多く服用した場合や、家族に処方された医薬品を同じ症状があるからと、自己判断で服用し発症した場合などは、適正使用とは認められません。

 

請求の方法
健康被害を受けた本人またはその遺族が、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に請求書に、健康被害が副作用によるものであることを証明する書類(医師の診断書、投薬証明書、受診証明書等)を添えて郵送します。

支給の可否
請求書や書類等を基に、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会で審議され、厚生労働大臣の判定結果をもとに決定されます。救剤給付の決定に不服があるときは、厚生労働大臣に対し、審査申立てをすることができます。

 

医薬品副作用被害救済制度の詳細は、PMDAのホームページをご覧ください。
この制度や副作用など、気になることがあれば、お気軽に薬剤師にご相談ください。

2020年07月01日

西陣病院と同一法人の「にしがも透析クリニック」をご紹介させていただきます

(この記事は2020年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

 

 にしがも透析クリニックは、弘法さんとご縁のある神光院や五山送り火のひとつ「舟形」がある、北区西賀茂という静かな環境のもと、平成22年(2010年)4 月1日に開設しました。維持透析の治療を主な診療とした、高齢者透析にも対応可能な無床診療所です。

 現在、医師2名、看護師6名、臨床工学技士3名、事務員1名が在籍し、西陣病院や併設のにしがも舟山庵(特別養護老人ホーム)、在宅療養支援に携わる地域の先生方や看護師、ケアマネージャーの方たちと連携し「安定した維持透析と穏やかで自立した日常生活への支援」を目標に日々の診療を行っています。

 クリニックだからこそ実践できる「患者さんに寄り添う」を大切に、日々の体調管理やフットケア、ご家族へのケア、在宅や施設での看取りにも対応していますので、にしがも舟山庵に入居されている透析患者さんもたくさん通院されています。お近くにお住いの方、長期透析の方、ご高齢の方、また、通院に不安のある方には送迎タクシーの利用も可能ですので、施設見学や転院のご相談などお気軽にお問合せ下さい。

 

にしがも透析クリニック 院長 青木 正 職員一同
TEL:075-495-1131

 

2020年07月01日

新しいMRI装置が稼働し始めました

(この記事は2020年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

放射線科:主任
宇野 正人

 5月14日より、新しいMRI装置が稼働し始めました。新装置には、これまでなかった3つの特長があります。

 1つ目は、人工知能(AI)を用いて画像上のノイズを取り除く高画質化技術です。一般的に、MRIは、高画質を求めると検査時間が延長し、短時間を求めると画質が劣化するという大原則があります。しかし、このAI技術を用いることで、以前よりも短時間で高画質な画像が得られ、患者さんに負担をかけることなく画像診断の質を向上できます。

 2つ目は、トンネル内に映像を投影し開放的な空間を提供するバーチャル映像技術です。従来のMRIは狭く暗いトンネルの中で寝る必要がありましたが、この映像技術によって、トンネル内を景色の映像で包み込み閉塞感を軽減できるようになりました。実際に検査を受けた患者さんからは「広く感じた、テレビCMでも見た」等コメントも多数寄せられています。

 3つ目は、造影剤を用いない非侵襲的な血管検査です。一般的に、血管検査の多くは造影剤を必要としますが、副作用の問題があるため腎臓が悪い患者さんでは造影剤を使用できません。新装置の非造影血管検査では、腎機能に左右されずに検査が行え、当院の血管検査に新しい選択肢が増えました。

 今後、放射線科では、新装置をフル活用し、MRI検査の質と快適性をこれまで以上に追求していきたいと考えています。

2020年07月01日

看護部長就任のご挨拶

(この記事は2020年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院 看護部長 佐伯  昭子


 

 

この度、2020年4月1日付けで西陣病院看護部長に就任しました佐伯昭子です。

 私は平成2年に当院に入職し、平成16年に副部長に就任、透析センター科長、医療安全室長、ベッドコントローラーを兼務後本日にいたります。当院看護部は看護師と、看護補助者の約330名のスタッフがおります。病院の拡充とともにスタッフ数も増え、近年は、出産後も継続してくれる子育て世代が三分の一を占めるようになり各層が厚くなってきました。看護部の理念は「私たちはその人らしさを尊重した看護を提供し、自立を支援します」と掲げています。今年の看護部の目標はその人らしさに注目し、気づきを大事にしたいと考えています。超高齢化・多様化社会の中、患者さん・御家族の悩みは疾病のことだけにとどまりません。声にだされることだけを捉えるのでなく、観察力、洞察力、コミュニケーション力をフルに発揮して憶測にならない看護ケアを行いたいと思います。また、「レジリエンス」(状況に合わせて柔軟に対応できる力と心)を兼ね備えたスタッフ教育を目指し、「倫理的ジレンマ」にある、治療・看護ケア時におこる葛藤に目をそむけず、多くの人達とカンファレンスを重ね、柔軟な思考でケアを行える組織づくりをしたいと思います。
 そして国は、国民の健康寿命を延ばす取り組みを推進しています。皆様の健康を支えるために、糖尿病、腎不全、皮膚・排泄ケア分野のスペシャリストナースによる看護師外来を充実させ、開業医の先生方と共に地域の方々の健康増進に貢献できるよう努力してまいりたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2020年07月01日

大動脈弁狭窄症とは

(この記事は2020年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

内科 医長
前田 英貴



大動脈弁狭窄症とは、大動脈弁の開口部が狭くなり左心室から大動脈への血流が阻害される弁膜症疾患です。狭窄が軽度のうちは自覚症状がほとんどなく、高度な狭窄となり症状が現れてから、初めて見つかるケースが少なくありません。

 無症候の期間は長く続きますが、狭窄が進行すると心臓に負担がかかり動悸や息切れ症状が出現し、重症例では胸痛や失神、突然死を引き起こす可能性もあります(図①)。

最近は加齢に伴う弁の石灰化が原因のものが多く、高齢化が進む日本でも患者さんの数は増加し続けています。2017年の段階で60-74歳の2.8%、75歳以上の13.1%が大動脈弁狭窄症になっていると言われており、決して珍しい病気ではありません。

 大動脈弁狭窄症は症状と心臓の聴診で疑うことができ、心臓超音波検査(心エコー検査)で簡単に診断と重症度を評価することができます。狭窄が軽度から中等度のうちは、心臓の負担を和らげる薬物治療を行いながら、定期的な心エコー検査で進行の有無を観察していきます。根本的な治療法は、いよいよ狭窄が重症まで進行した場合に行われる、開胸手術による大動脈弁置換術(SAVR)です。しかし、開胸手術は体への負担が大きく、高齢者や体力が低下した手術リスクの高い患者さんに対しては、手術が困難となることが課題となってきました。そこで注目されているのが経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)です。カテーテルに沿って折りたたまれた人工弁を運搬し、大動脈弁に留置してくる治療です(図②)。

 SAVRと比較して体への負担が少なく、カテーテル挿入部の小さな傷で済む、入院期間が短い等のメリットがあります。手術リスクが高い患者さんにおいて、術後5年の成績でTAVIが従来のSAVRに劣らないことが証明されています。日本では2013年10月に保険適応されて以降、技術や機器の進歩に伴い身近な治療になりつつあります。これまで治療を諦めざるを得なかった高リスクの患者さんでも、治療を受けることができる時代になっているのです。

 大動脈弁狭窄症は正しく診断し、治療できるタイミングを逃さないことが重要です。当科では大動脈弁狭窄症の診断と評価を行うことが可能です。薬物治療を行いながら、患者さんとご家族の意思を尊重した上で、適切なタイミングでSAVR、TAVI共に治療実績のある病院へ紹介させていただきます。最近胸の症状が気になる場合や大動脈弁狭窄症をはじめとする弁膜症疾患でお困りのことがございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

2020年07月01日

日本列島 ”食” めぐり「千葉県」

(この記事は2020年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科  管理栄養士 竹島 綾香

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

 

イワシ

 全国でイワシの水揚げ量上位を誇る千葉県。特に入梅(梅雨の時期)に水揚げされるマイワシは入梅イワシと呼ばれ、1年の中で最も脂がのっておいしいといわれています。イワシの脂には血中中性脂肪を低下させる作用のあるEPAやDHAが豊富に含まれています。生姜煮や梅煮、なめろう、かば焼き、つみれ汁などイワシを使った料理は多岐にわたります。6月頃から旬をむかえるイワシを使ってさまざまな料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

イワシのコロッケ 1人分: エネルギー288kcal たんぱく質8.8g 塩分0.5g
材料 (4人分) 作り方

マイワシ 8匹
たまねぐ 1/4個
じゃがいも 大2個

小麦粉 大さじ4
塩 少々
卵 1/2個
こしょう 少々
パン粉 適量
揚げ油 適量

 

  1. イワシは3枚におろす。
  2. じゃがいもは皮をむき、乱切りにしたあと水にさらす。
  3. 2.を柔らかくなるまでゆで、木べらでつぶす。
  4. 玉ねぎはみじん切りにし、炒めたあと、3.に混ぜ、塩・こしょうを加える。
  5. 等分にした、4.をイワシで巻く。
  6. 小麦粉・溶き卵・パン粉の順に衣をつける。
  7. 170℃に熱した油で揚げる。

 

2020年05月01日

サプリメントと医薬品

(この記事は2020年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部 薬剤師 植村 有加

サプリメントとは?

 「サプリメント」とは、食事によって十分に摂りきれない栄養素などを補うための補助食品の総称で、いわゆる「健康食品(「機能」を表示することはできません。)」と位置づけられているものです。日本では国によって制度化されている食品は保健機能食品のみです。保健機能食品は長らく「特定保健用食品」及び「栄養機能食品」の2つだけでしたが、2015年の食品表示法の施行により、食品の機能を表示できる食品として機能性表示食品が加わりました。今回は、「サプリメント」の特徴や医薬品との飲み合わせについてお話ししたいと思います。

薬との飲み合わせに要注意!

 サプリメントは、病気治療のために服用する医薬品の作用に影響を及ぼすことがあります。右記に薬との飲み合わせに注意が必要なサプリメントの例をいくつか挙げます。

 ●クロレラ含有食品 ・クロレラ含有食品・青汁(ケール)
ビタミンKを多く含み、血液をサラサラにするワルファリンの作用を阻害し、薬の効果を弱める。

 ●セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)
多くの薬と相互作用を起こし、薬の血中濃度を下げることで薬の効き目を弱める。

 ●カルシウム含有サプリメント
ある種の抗生剤と同じタイミングで服用することで、吸収されにくくなり、薬の効果を弱める。他にもビタミンCと利尿剤、ビタミンEと抗凝固剤、鉄と甲状腺ホルモン薬など、飲み合わせに注意が必要なサプリメントがあります。

手術や検査に影響のあるサプリメントに注意!

 ニンニク、イチョウ葉エキス、ノコギリヤシ、EPA/DHA等のサプリメントは出血の危険性を増強させる可能性があります。医師と相談して手術や検査前に休む必要があるサプリメントもあります。

サプリメントを使っているとき

 医薬品服用中のサプリメント摂取は十分注意が必要です。サプリメントを服用中で不安があったり、これから服用しようと考えていたりしている方は、医師・薬剤師にご相談ください。

2020年05月01日

TQM活動発表会報告

(この記事は2020年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

本館3階 TQMメンバー

 

 2月23日(日)に西陣病院 第 9 回TQM活動報告会がありました。TQMとはTotal Quality Managementの頭文字を取ったもので、全体で医療サービスの質を継続的に向上させる取り組みのことです。
 2019 年政府の地震調査会は南海トラフ巨大地震が今後 30年以内に起こる確率を 80 %まで引き上げました。入院中の患者さんにとって生活の場である病院で地震が起こった時に私たちはどのように行動すればよいのか不安に感じました。そこで安全に患者さんや面会者の方々が避難できるように取り組みを開始しました。
 院内の防災マニュアルの見直しと実践訓練やマイ備蓄という考え方も普及しました。マイ備蓄とは、災害時において人命救助のリミットは72 時間といわれており、その間救助活動を優先させるため物資の支援は遅くなってしまうので、各自で備蓄しましょうという考え方です。備蓄や防災に対しての勉強会や地震シミュレーション訓練を通して災害を身近に感じることができ防災意識が高まりました。
 新型コロナウィルスが少しずつ拡大しかけていた時期ではありましたが、参加者はマスク着用や手洗い等安全に配慮し、有意義な活動報告を聞くことができました。 例年とは違う緊張感のもと行った報告会でしたが、みごと優勝を収めることができ、喜びのあまりに涙を流すスタッフもいました。結果に満足することなく災害シミュレーション訓練を繰り返し実践し、患者さんやそのご家族、しいてはスタッフが全員安心して避難に臨めるよう精進をしていきたいと思います。


2020年05月01日

骨粗鬆症性椎体骨折(整形外科より)

(この記事は2020年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

整形外科 部長
北中 重行



 骨粗鬆症性椎体骨折とは、骨粗鬆症に起因する背骨の骨折のことです。胸椎と腰椎の移行部あたりの椎体に生じることが多く、転倒、尻もちなどの外力により生じるもの、中腰や重いものを持った際に生じるもの、さらにはいつのまにか骨折とテレビ CM でも放映されていたように知らない間に生じるものもあります。

 

 骨粗鬆症が進行し骨が弱くなって生じるものは、疼痛が軽度のこともあります。いつのまにか骨折はその典型と言えるかもしれません。転倒、尻もちなどの明らかに外力が加わったものでは、通常は骨折の生じた部位の疼痛を伴うことが多いですが、まれに骨折部位とはやや離れた箇所の疼痛を訴える方もおられます。診断は、基本的にはX線(レントゲン)検査を行うことで確定します。ただX線で分かりにくいこともあり、CTやMRI検査が必要になることもあります。また骨粗鬆症の程度をみるために骨密度も測定します。
 治療は、疼痛がある程度軽度な場合は、コルセットを装着し、外来で経過観察、保存療法を行います。1~2週間に1回の受診(徐々に受診頻度を少なくしていきます)で経過を診させて頂き、
約2~3か月ほどで治る方が多いです(図①)。疼痛が強く歩行困難な場合は、入院して頂くこともあります。疼痛の程度にもよりますが、基本的にはベッド上安静ということはなく、コルセットを装着し、リハビリテーションで早期離床、歩行訓練を行っていきます。

 このように基本的に第一選択は、手術療法ではなく、ほぼすべての症例で保存療法となります。コルセットの採型、装着を行い、鎮痛剤などで疼痛コントロールをしながら、骨粗鬆症の治療も併せて行います。骨粗鬆症の治療薬剤は日進月歩で、様々な内服薬、注射製剤が存在しています。現在明確な選択基準はありませんが、個々の患者さんに合わせた薬剤の選択、投与を行っています。一度骨折が生じると、続いて骨折することが多く、このような骨折の連鎖を抑制しうる薬物治療は非常に重要になってきます。
 多くの場合はこうした保存療法で改善が見込めますが、早期に手術が必要になることもあります。例えば、骨折によって神経が圧迫され神経症状(下肢痛や筋力低下、膀胱直腸障害など)が出
現している場合、骨折部の不安定性(グラつき)(図②)があるために腰痛が強く体動困難な場合などは早期手術の適応になってきます。
 また保存療法で症状の改善を認めない場合、例えば、経過中に骨癒合せず偽関節(骨折部がひっつかずにグラグラした状態)(図➂)となり、疼痛がいつまでも残り日常生活に支障を来す場合には手術が必要になってきます。

 手術療法も日進月歩で手技が開発されており、当科では経皮的椎体形成術、BKP(balloon kyhoplasty)や最小侵襲脊椎安定術MISt(minimally invasive spine stabilization)といった低侵襲手術
を導入し、早期離床、早期社会復帰、早期家庭復帰を目指して取り組んでいます。
 当科では患者さん、御家族さんの意欲、意思を尊重し、保存療法、手術療法を含む全ての骨粗鬆症治療を積極的に行っておりますので、椎体骨折に関わらず、骨粗鬆症に関しても何か気になることがありましたら、いつでもお気軽に御相談頂ければ幸いです。

2020年05月01日