西陣だより

日本列島 ”食” めぐり「岡山県」

(この記事は2021年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 竹島 綾香

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

 

アミ大根

 アミ大根とは、サクラエビの仲間である「アキアミ」と大根を炊き合わせた岡山の郷土料理です。「アキアミ」は「秋にまとまって獲れるアミに似たエビ」という意味からこの名前がついたといわれており、岡山県では「アミ」と呼ばれています。傷みやすいため、生のまま出回ることは少ないようですが、スーパーでは干しえびとしてよく見かけます。冬に向けてみずみずしく甘味が増す大根を、アミからでる上品なだしの味で楽しんでみてはいかがでしょうか。

(1人分)エネルギー 48kcal/たんぱく質2.3g/塩分1.1g ※煮汁は1/2量で計算

材料 (4人分) 作り方

●大根 400g
●アミ(干しえび) 10g
●醤油 大さじ3
●酒 大さじ2
●みりん 大さじ2
●砂糖 大さじ1
●水 300ml

①大根は皮をむいて、1.5cm厚さに切る。
②鍋に水、調味料と大根を入れ、火にかける。
③沸騰したら、アミを入れ、落し蓋をして弱火で大根が軟らかくなるまで煮る。

 

2021年09月01日

漢方薬によく含まれている「甘草」のお話

(この記事は2021年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部  薬剤師  大竹 優樹

生薬とは植物や鉱物、動物の臓器などから薬効をもつ成分を抽出したもので、漢方薬とは定められた生薬の組み合わせで出来ています。
今回は、漢方薬の約7割に配合されている「甘草」について紹介します。

漢方薬によく含まれている「甘草」のお話

 甘草は、文字通り、噛むと甘みのある草で、東洋・西洋で紀元前より薬として用いられ、効果として鎮咳・去痰・健胃・抗炎症・鎮痙・鎮痛作用などがあります。西陣病院で取り扱いのある甘草を含む漢方薬には、芍薬甘草湯・抑肝散・葛根湯・柴苓湯・補中益気湯・人参養栄湯・小青竜湯があります。医療機関からの処方だけでなく、ドラッグストアで購入できるような漢方薬にも含まれています。
 甘草を含む漢方薬を数種類、また長期間摂取すると「偽アルドステロン症」と言う副作用を発症することがあります。偽アルドステロン症の症状は、過剰なアルドステロン作用による血圧上昇、浮腫、体重増加や低カリウム血症による手足のしびれや力の入りにくさ、脱力感、倦怠感、また頭痛、口渇、食欲不振などです。発見が遅れると高度な低カリウム血症による不整脈が起こることもあるため、気を付けるべき副作用と言えます。
 一般に甘草の1日量が2.5gを超えると偽アルドステロン症の発症リスクが上がると報告されていますが、例えば風邪でおなじみの葛根湯を添付文書どおりの量で服用したときの甘草含有量は1日量で2.0gになります。漢方薬に含まれている甘草の1日量はほとんどが 3g以下なので問題になることは少ないですが、発症のしやすさは個人差が大きく、高齢者では1日量で1g程度でも発症することがあり、併用薬(利尿薬やインスリン製剤など)により発症リスクが上がることもあります。漢方薬を数種類、長期間服用する場合には甘草の1日総量が多くなりすぎないよう注意が必要です。
 複数医療機関で漢方薬の処方がある場合は、お薬手帳などを保険薬局や病院へ持参し、症状と合わせて確認してもらいましょう。副作用に気を付けながら古来生薬である甘草の力を借りて元気でいましょう!

2021年09月01日

ふれあい看護体験

(この記事は2021年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

ふれあい看護体験

 昨年は、新型コロナウイルス感染症拡大のため中止となりましたが、今年は2年ぶりに「ふれあい看護体験」を開催し、3名の高校生が参加して下さいました。従来は、看護師と一緒に食事介助や全身清拭など直接患者さんとかかわって頂きましたが、今年は感染対策の為、シミュレーターを用いての心肺蘇生、車いすやストレッチャーの操作や患者体験など、演習を中心に行いました。そして、短時間ですが、看護師が看護を実践している場面を見学して頂きました。
 参加者から「実際の仕事の場面を見ることができてよかったです」「コミュニケーションの大切さを学びました」「体力のいる仕事だと思いました」など、多くの感想を頂きました。

2021年09月01日

当院で活躍する認定看護師を紹介します

(この記事は2021年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

皮膚・排泄ケア特定認定看護師


皮膚・排泄ケマ特定認定看護師
多氣 真弓

 

 皮膚・排泄ケア認定看護師は、スキンケアを基盤として創傷ケアや排泄ケアを専門に行う看護師です。
2008年に認定を取得して院内を横断的に活動し、年間の延べケア件数は2600件ほどで約7割が創傷のケアです。褥瘡(床ずれ)や静脈うっ滞性下腿潰瘍、糖尿病性足病変、重症下肢虚血などの慢性創傷は、長期にわたるケアが必要で、皮膚科の坂元花景医師と連携して治療を進めていきますが、場合によっては糖尿病内科、循環器内科、整形外科医師とも連携して院内の医療チームで治癒を目指すこともあります。また、院内の看護師はもちろんのこと院外施設の看護師や訪問看護師とも情報を共有しながら療養の場がどこであっても継続したケアが行われ、創傷の適切な管理ができるようにしています。しかし、重要なことは創傷が発生しないように予防することです。加齢によって皮膚のバリア機能は低下しますので、からだを泡で優しく洗浄して、保湿剤を毎日塗ることで皮膚を健やかな状態にしておくことが予防につながります。

 2025年には65歳以上の高齢者が4人に1人となり、医療の質と量の両方を高めていくために、厚生労働省は、2015年から「看護師特定行為研修」を開始しました。これによりこれまで医師にしかできなかった38の医療行為について、研修を修了した看護師が医師の指示(手順書)により実践できるようになりました。2020年に創傷管理に関する5つの行為について研修を修了し、「皮膚・排泄ケア特定認定看護師」になりました。認定看護師の専門的な「看る」と特定行為研修で学んだ「診る」の両方の視点からタイムリーに創傷の治癒や重症化予防のためのきめ細かな看護を提供できるように努めていきます。

2021年09月01日

シミのレーザー治療について

(この記事は2021年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

皮膚科部長
坂元 花景


 
 人生いろいろ、シミもいろいろ、治療だっていろいろ。誰もが気になるシミですが、種類は複数あり、混在していることもよくあります。治療法も複数ありますが、シミの種類によって最適の方法が異なります。今回は、当院で行っているレーザー照射によるシミの治療についてご説明させていただきます。

シミのレーザー治療について

 一口にシミと言っても、種類はさまざま。20代までのシミは、雀卵斑(そばかす)やADM(後天性真皮メラノサイトーシス)が多いですが、30歳代で多いのは肝斑、50歳以降では脂漏性角化症(老人性色素班)が多くなります。それ以外にも、炎症後色素沈着やあざ(太田母斑、異所性蒙古斑)などもシミと呼ばれることもあり、これらが混ざっていることも珍しくありません。
 シミの治療には、薬の外用や内服、レーザー照射や手術など、さまざまな方法があり、健康保険の適用があるものとないものがあります。その中にレーザーを用いた治療がありますが、レーザーにもさまざまな機種があります。当院にあるレーザーは、Qスイッチルビーレーザーという、メラニン色素への吸収率がとても高い機種です。瞬間的に高いパワーのレーザー光を発して、皮膚のメラニン色素を破壊します。基本的に保険適用外にはなりますが、今までも自費診療で多くの方に治療を受けていただいております。適用となったシミの種類は、脂漏性角化症とADMがほとんどです。
 レーザーは比較的皮膚に負担をかける治療なため、そのダメージを患者様自身がしっかりと理解し、適切なアフターケアをすることが最も大切です。治療前も治療後も紫外線対策をしっかりと行い、患部は治療後は肌色の保護テープを貼ったままで、約2週間程度過ごしていただく必要があります。
 レーザー照射時にはパチンと輪ゴムで軽くはじかれた程度の痛みがあり、照射した皮膚は白くなります。患部が赤く腫れたり、水疱ができることもあります。その後かさぶたとなり、平均7~10日間でかさぶたが剥がれます。かさぶたの下にはピンク色の新しい薄い皮膚が完成しており、3カ月程度で周囲の皮膚となじみます。この時、炎症後色素沈着(戻りしみ)が起こることがありますが、半年~1年程度で自然に薄くなります。治療後半年くらいは、皮膚が完全な状態ではないため、日焼けしたり、強く擦ったりすることのないよう、十分に注意をしてください。一般的なシミの場合、ほとんどの症例で1~2回の照射でかなり目立たなくなりますが、同じ部位に再発することも残念ながらあります。
 前述のように、シミの種類によって最適の治療方法が異なります。おもちの疾患や、シミの種類や場所によっては治療ができないことがありますので、治療をご希望の方は、月火木金の午前中の皮膚科外来をまず受診の上、医師にご相談ください。料金はシミの大きさで決まります。治療は基本的に木曜午後の予約診療で行っております。詳細については別途お問い合わせください。

< 照射前 >

  

< 照射10ヶ月後 >

 

2021年09月01日

日本列島 ”食” めぐり「三重県」

(この記事は2021年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 森田 美耶

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

 

盆汁

「盆汁」とは7種類の夏の旬野菜を入れたみそ汁です。江戸時代から三重県の禅宗の家庭で、お盆に殺生してはいけないとされていることから、カツオ節や煮干しの出汁を使わず食べていたのが始まりです。別名「七色汁(なないろじる)」と言います。食べ方は家庭によってお盆の八月の「朝の3日間」「14日か15日の昼」「16日の朝」などまちまちのようですが、精霊さんに「盆汁」を供えて、家族みんなでいただくのが習わしです。

(1人分)エネルギー 300kcal/たんぱく質3.2g/塩分1.4g

材料 (1人分) 作り方

●茄子 100g(中1本)
●南瓜 80g
●人参 30g(1/4本)
●さやいんげん(ささげ)30g(3本)
●里芋 50g(中1個)
●油揚げ 小1枚
●みょうが 15g(中1個)
●水 600cc
●赤みそ 大さじ2

① 茄子,南瓜,さやいんげん,人参,里芋,油抜きをした油揚げは食べやすい大きさに切る。
  茄子は切った後、水に浸けておく。みょうがは輪切りにして水に浸けておく。
② 鍋に水を入れて、沸騰したら南瓜,里芋を先に入れ、柔らかくなったら人参,茄子,さやいんげん,油揚げを入れる。
③ 具材に火が通ったら味噌を溶かし入れる。
④ 器に盛り、最後にみょうがをのせる。

 

2021年07月01日

いまから始める、夏の脱水対策

(この記事は2021年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部  薬剤師 楠 斐未

今年も暑い夏がやってきましたね。
水分摂取を心がけていますか?体内の水分が2%減少すると脱水症の恐れがあります。今回は、「夏の脱水対策!」をお話します。

脱水症とは?

 体内の水分や電解質が少なくなった状態のことを言います。軽症では喉の渇きやめまい、中等症では頭痛や悪心、重症では意識障害や痙攣が起こります。特に、高齢者やマスク着用時は喉の渇きを感じにくく、脱水症は進行するまで、これといった症状が出にくいのが特徴です。脱水症になりかけているのに、本人や周囲がそれに気がつかないため、有効な対策が取れていない状態を「かくれ脱水」と呼びます。

脱水対策 その1

● 室内でもこまめに水分と電解質を補給しましょう。
● 発汗量にあわせてスポーツ飲料や経口補水液を使い分けましょう。
(経口補水液 → 大塚製薬OS-1、味の素アクアソリア、明治アクアサポートなど)

脱水対策 その2

次の薬を服用していると、発汗により脱水症を引き起こしたり、
薬の副作用が発現しやすくなったりします。

●心不全や浮腫に用いる利尿薬
 フロセミド、トリクロルメチアジド、サムスカ、スピロノラクトンなど

●糖尿病や心不全に用いるSGLT2阻害薬
 フォシーガ、カナグル、ジャディアンスなど

●糖尿病に用いるビグアナイド系薬
 メトグルコなど

●便秘症に用いる下剤
 マグミット、センノシド、アミティーザなど

脱水対策 その3

生活習慣も大切です

●睡眠不足や体調不良、栄養不足にならないように生活のリズムを整えましょう。
●起床時、就寝前にコップ1杯の水を飲むことを心がけましょう。
●アルコールは利尿作用があるため、大量のアルコールを飲んだ時は注意しましょう。

 

※水分を制限している方は、主治医に相談し指示に従いましょう。

2021年07月01日

当院で活躍する認定看護師を紹介します

(この記事は2021年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

感染管理認定看護師


感染管理認定看護師
伊藤 良子

 資格を修得して6年目になります。感染管理認定看護師の役割りは、病院に出入りする全ての方に感染予防対策を行う事です。感染予防の基本は、手指衛生です。病院内では、ICT(感染予防コントロールチーム)として多職種で病院環境が適切か、標準予防策(感染予防対策の基本)が実施されているか、手指衛生が徹底されているか等を週 1回ラウンドして確認しています。入院患者さんの中には、隔離が必要な場合もあり感染対策表示カードの設置、個人防護具の用意、器材を個人専用に出来ているか等確認、指導しています。現場からの感染予防に対する相談にも応じています。退院時に耐性菌保菌のまま自宅、施設退院もあり洗濯方法や検体別取り扱いを(尿廃棄、痰を拭き取りしたチリ紙廃棄方法等)パンフレット作成し、お渡しする事もあります。 

 感染予防活動は、病院内に留まらず地域活動も重要です。京都府内の感染管理に従事した看護師達が集まり、「みやこICN」を結成、地域の方や施設職員向けの研修会を実施しています。年に1、2 回実施しています。2020 年度は、コロナ禍で開催出来ませんでした。研修会再開のおりには、ぜひ参加して下さい。老健施設の方に、標準予防策、ノロウイルス排泄物処理方法について勉強会も行いました。感染対策に対する疑問や勉強会依頼等ありましたら、コロナ禍で対面開催は難しいかと思いますがお気軽に御連絡下さい。お待ちしています。
 新型コロナウイルス感染第4波となり、自粛疲れもあると思いますがワクチン接種も始まりました。もうひと踏ん張りして、この難局を乗り越えましょう。おかしいと思ったら…早めの受診をお願いします。

透析看護認定看護師

透析看護認定看護師
大槻 直博

 
 透析治療とは、腎臓の機能を補うための治療です。腎臓が悪くなる原因には、加齢、生活習慣、遺伝、免疫異常などがあります。特に糖尿病や高血圧といった持病をお持ちの方は注意が必要です。体のむくみ、血尿といった症状はありませんでしょうか。それらは腎臓の不調が原因かもしれません。透析看護では、透析治療を受けられている患者さんはもちろんのこと、腎臓の機能に不安を抱える全ての患者さんを対象としています。当院では、毎週水曜日と金曜日の午後からCKD(慢性腎臓病)看護外来という名称で、看護師が外来に立ち、腎臓の働きが弱まった方への透析予防を含めた介入を行っています。 

 主な介入内容としましては、腎臓のさらなる悪化を抑えるために、生活習慣を患者さんとともに見直していくことから始めます。食生活では減塩、適正なカロリー・タンパク質の摂取を意識して過ごせるように、栄養士と連携して関わっていきます。また、日々の体調や血圧などの変化を見ながら、腎臓に負担をかけないための過ごし方を患者さんと共に模索していきます。
 しかし、それでも腎臓の悪化を避けられない場合があります。そうなった場合にも慌てなくてよいように、日頃から腎臓の働きを補う治療についての理解を深めておくことが大切です。日々の 生活に治療を組み込んだうえで、いかにして「その人らしい生き方」を過ごしていくのかを患者さんと共に考えていきます。何か不安なことがありましたら、いつでもご相談ください。

2021年07月01日

糖尿病網膜症について

(この記事は2021年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院、眼科部長  中司 美奈

眼科部長
中司 美奈


 
 糖尿病に合併する眼疾患は、糖尿病網膜症のほかにも、角膜障害、虹彩炎、白内障、外眼筋麻痺、視神経症など多彩です。ここでは、失明原因にもなる糖尿病網膜症について説明したいと思います。糖尿病の患者さんの4~5人に1人が糖尿病網膜症を有すると言われています。糖尿病罹病期間が長いほど、糖尿病網膜症の有病率と重症度はともに上昇し、糖尿病網膜症発症年齢が若いほうが糖尿病網膜症は重症化しやすいと言われています。高血圧、脂質異常症、妊娠、喫煙などは糖尿病網膜症のリスク因子であり、内科・婦人科などそれぞれの専門診療科と眼科とで綿密に連携して経過観察することが大切です。

糖尿病網膜症とは?

 糖尿病網膜症の病期には様々な分類の仕方がありますが、大きく分類すると網膜症を認めない時期、非増殖期、増殖期と進行します。増殖とはどういうことでしょうか?糖尿病は全身の血管が脆くなり、血液や浸出液が漏出したり、血管閉塞による虚血を生じます。放置しておくと網膜の虚血部位に新生血管が増殖します。この新生血管から硝子体出血が生じたり、増殖膜による網膜剥離を引き起こすことで急激に視力が低下します。また、新生血管が隅角や虹彩に生じると眼圧が高くなり、血管新生緑内障という難治な緑内障に進行します。視力が低下する前の適切な時期にフルオレセイン蛍光眼底造影検査を行い(図1)、必要であれば、レーザーで治療(レーザー網膜光凝固術)することが非常に重要です。硝子体出血や網膜剥離を生じると硝子体手術が必要になることが多く、血管新生緑内障を生じると薬物治療だけでは眼圧が下降しないことが多く、緑内障手術を要しますが、視力予後は不良です。
 また、糖尿病黄斑浮腫(図2)は、黄斑に水が溜まり直接視力に影響します。糖尿病網膜症の早期から晩期までどの病期においても発症する可能性があります。近年、抗血管内皮増殖因子(vascularendothelial growth factor:VEGF)療法が主流となり、視力が低下すれば抗VEGF薬を硝子体内に注射します。

眼科を受診するタイミングは?

 糖尿病の患者さんが初診で眼科を受診する際には、視力障害の自覚がなく、内科医からの紹介などにより検診目的に受診する場合と、自覚症状を伴って受診する場合とに大きく分かれます。糖尿病網膜症はかなり進行しても自覚症状がほとんどない場合があるため、自覚症状の有無にかかわらず、眼科で検診を受ける必要があります。急激な視力低下や視野狭窄を自覚し、眼科を受診したときにはすでに増殖期に入っていて、硝子体出血や牽引性網膜剝離が発症している場合もあります。視力低下を来してから治療を始めても、十分に視力が回復しないこともあり、初期の段階から経過観察することがいかに重要であるかを知っておいてください。受診時は眼底検査を行いますので、しばらく眼のピントが合わなくなります。車やバイクの運転は控えるようにしましょう。
 糖尿病網膜症は適切な経過観察、治療を行えば失明を避けることができる疾患です。糖尿病と診断された時点で直ちに眼科を受診し、症状がなくても定期的に診察を受けましょう。

2021年07月01日

日本列島 ”食” めぐり「神奈川県」

(この記事は2021年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 今井 文恵

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

 

けんちん汁

「けんちん汁」は、神奈川県鎌倉市にある建長寺(けんちょうじ)の修行僧が作っていた、たっぷりの野菜に豆腐をくずし入れて作る汁物料理が始まりです。この料理が評判で「建長寺汁」と呼ばれるようになり、後に「けんちん汁」に転じたと言われています。(他にも諸説あります)元来は精進料理なので肉や魚は加えず、だし汁も鰹節や煮干ではなく、昆布や椎茸から取ったものを使います。

(1人分)エネルギー 140kcal/たんぱく質5.7g/塩分1.1g

材料 (2人分) 作り方

●大根 50g
●人参 50g
●里芋 50g
●ごぼう 50g
●油揚げ 1/3枚
●青ネギ (小口切り) 適量
●ゴマ油 大さじ1/2
●だし汁 400cc (できれば昆布だし)
●酒 大さじ1
●薄口醤油 大さじ1/2
●塩 少々

① 油揚げは1センチ幅に切り、大根・人参は皮を剥き乱切り、ごぼうはたわしなどで泥を落としてから乱切りにしておく。
② 里芋は皮を剥いて塩をこすり付けてぬめりを出し水で洗って乱切りにしておく。
③ 鍋にごま油を熱し、まず大根、人参、ごぼう、里芋を入れ1分炒める。
④ ③にだし汁 400cc(できれば昆布だし)+酒 大さじ1杯と油揚げを入れ野菜が柔らかくなるまで中火で煮る。アクがでたら取り除く。
➄ 野菜が柔らかくなったら、薄口醤油 大さじ1/2+塩 少々で味を調える。青ネギをちらして完成。

 

2021年05月01日