西陣病院だより

日本列島 ”食” めぐり「富山県」

(この記事は2023年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 井尻 柊人

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

 

白エビのかき揚げ

 水産資源豊富な富山湾では深海に生息する透き通った淡いピンク色に輝く白エビは「富山湾の宝石」と称され、漁が成り立つほど漁獲されるのは全国でも富山だけで、主な水揚げ漁港は新湊漁港、岩瀬漁港の2港となっています。かつては、殻ごと干しエビにして出しを取るために使われることがほとんどでしたが、冷凍技術の向上によりむき身にすることが容易となり、また鮮度を保つことが可能となりました。カラッと揚がった白エビはサクサクで香ばしく、独特の甘みを堪能できる。ほかのエビと違い火を通しても赤くならないという点も特徴のひとつです。

(1人分)エネルギー 152kcal/たんぱく質6g/塩分0.5g

材料 (4人分) 作り方

●白エビ・・80g
●玉ねぎ・・ 100g
●にんじん・・25g 
●さやいんげん・・ 25g
●揚げ油・・適宜
●小麦粉・・適宜
●卵・・1/2個
●塩、抹茶塩・・少々

< 作り方 >

①白エビは水で洗い、水気を切る。
②玉ねぎはうす切り、さやいんげんは斜めうす切り。にんじんはせん切りにしておく。
③ボウルに小麦粉、塩少々、酒少々、卵1/2個、水100mLを入れて切った食材を入れざっくりと混ぜる。
④天ぷら鍋に油を入れ170~180℃になったら③をお玉にのせて、その上に小麦粉をまぶした白エビを飾るようにのせて揚げる。
➄お好みで塩、抹茶塩をつける。

 

2023年05月01日

薬とグレープフルーツジュースの関係

(この記事は2023年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部  薬剤師  楠 斐未

 

 高血圧の薬が処方されたときに、薬剤師から「グレープフルーツジュースを飲まないでくださいね」と言われたことはありませんか?

薬とグレープフルーツ

 グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類という成分は、医薬品を代謝(分解)する酵素の働きを阻害して、薬の効果を強めたり、副作用を出やすくしたりすることが知られています。フラノクマリン類は、果皮>果肉>種の順に多く含まれています。そのため、ジュースや果肉だけでなく、果皮を使用したジャムなどにも注意が必要です。グレープフルーツジュースによる影響は、個人差はありますが、十数時間~数日持続するため、影響がある薬を飲んでいる場合は、グレープフルーツジュースを飲まないようにしなければなりません。 

影響を受ける代表的な医薬品

カルシウム拮抗薬(血圧を下げる薬)
    アムロジピンやアゼルニジピンなど

免疫を抑える薬
    シクロスポリンやタクロリムスなど

コレステロールを下げる薬
    アトルバスタチンやシンバスタチンなど

グレープフルーツ以外の柑橘類は大丈夫か

●  影響が大きい柑橘類   グレープフルーツ、ハッサク、ブンタン、スウィーティー、ダイダイ、レモンの果皮など

●  影響が小さい柑橘類   ポンカン、スダチ、伊予柑、柚子、カボス、ネーブルオレンジ、レモンの果汁など

●  影響がない柑橘類            温州みかん、デコポンなど

 

 同じ種類で同様の効き目をもつ薬の中でも、柑橘類によって影響される薬と影響されない薬があります。どうしてもグレープフルーツの摂取を諦められないという方は、代替可能な薬がないか、医師や薬剤師に相談してみましょう。

2023年05月01日

オンライン資格確認について

(この記事は2023年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院 医事課

オンライン資格確認について

 オンライン資格確認は、マイナンバーカードのICチップまたは健康保険証の記号番号等により、オンラインで保険情報の確認ができることです。
 マイナンバーカードの場合はカードリーダーに置き、ICチップ内の電子証明を読み取ります。顔認証や暗証番号による本人確認を行い、患者さんの保険情報を取得します。同意を得ることにより、患者さんから保険者への申請がなくても医療機関の窓口で限度額情報が確認できるようになります。

2023年05月01日

様々な呼吸器疾患に向き合うために

(この記事は2023年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

呼吸器内科 医員
杉本 匠


 

  内科の中でも、呼吸器内科という分野をご存知でしょうか?馴染みのない方が大半で、疾患イメージが中々湧きにくいジャンルかもしれません。ここでは呼吸に関する臓器の病気や当院の検査について、少しでも皆様に身近に感じていただけたらとご紹介させていただきます。

 

 呼吸器内科とは、肺や気管、気管支など、呼吸に関係してくる臓器を扱う分野を言います。一番私たちに馴染み深い病気といえばいわゆる「のど風邪」もその1つでしょうが、それは「上気道炎」といって、あくまで空気の通り道である上方の気道におこる感染症の1つでしかありません。呼吸器内科ではさらに体の奥に迫る下気道等も含めて呼吸全般にまつわる様々な病気と向き合っています。
 部位の違いでいうと、気管支炎、肺炎などを筆頭に多彩な感染症がありますし、感染症に限らず、免疫系の疾患だと間質性肺炎や、あるいは悪性新生物では肺がんもあります。呼吸の能力の問題でいうと、喘息やCOPD(いわゆる肺気腫と昔は呼んでいました)もそうです。その他にも睡眠時無呼吸症候群やアレルギー疾患など挙げ始めるとキリがありません。
 皆様とのお付き合いの意味でも、風邪のようなよくある病気ですぐに治っていくものもあれば、命にかかわる病気や、生涯に渡って治療に向き合っていく必要のあるものまで様々です。その為、お一人お一人に最適の検査・診断とそれに合わせた治療を、皆様により良い形でそれぞれ選んでいく必要があります。
 その1つの手段として、当院では「気管支鏡検査(気管支ファイバースコープ)」にも力を入れています。気管支鏡検査とは、空気の吸い込む通り道伝いに、内視鏡のカメラを進めていく気管支・肺の検査のことです。内視鏡といえば胃カメラ・大腸カメラが有名ですが、その肺バージョンとなります。全ての呼吸器疾患で必要なわけではありませんが、特に肺がん、間質性肺炎や原因不明の感染症などで有用な検査で、他の検査では代わりにならないことも度々ある重要な検査方法です。

 

 

 今まではどうしても当院の機材で検査困難なケースもありましたが、現在、その気管支鏡検査をグレードアップして、超音波の検査を組み合わせたものでさらに精度を高めていけたらと日々研鑽を積んでいます。是非、当院にお任せください!
 長くなりましたが、最終的に辿り着ける診断は様々な候補がありますが、その多くの病気では、最初の頃は咳や熱など風邪のような症状から始まることもあります。「長引く風邪が…」「原因不明の咳がずっとなくならない」など、ちょっとしたことでも良いですので、お気軽に内科外来までお越し下さい。

2023年05月01日