西陣病院だより

糖尿病教育入院について

(この記事は2018年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


内科 部長 矢野 美保

糖尿病と言われ、今後生活上どのような点に注意したらいいか、糖尿病で病院に通院しているがなかなかよくならないなど、普段お悩みのことはないでしょうか? 短期入院で、一緒に糖尿病と向き合ってみませんか。

 

 

当院は内科・日本糖尿病学会認定教育施設として糖尿病の診療を行っております。2018 年4月より新たに糖尿病専門医の常勤が2人となり、糖尿病診療、チーム医療の強化に努めて参ります。
現在、2週間の糖尿病教育入院を中心に行っております。目的は糖尿病悪化の原因をみること以外に合併症の評価、併発疾患の有無の検索で、入院中に必要時、治療薬調節、治療法変更も行います。2週間で、治療が安定しない際は 可能なら退院延期か外来加療に移行させることもできます。
入院中は定期的に、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士の間で情報を共有し、問題点や改善点に関してミーティングを行っております。また、適切な食事療法の上で、血糖値が改善したかもチェックしつつ、積極的に可能な範囲の 運動療法が行えるか、必要時、循環器医師の検査によりみてもらえます。
当院の特徴として、各専門の科が協力し合い連携診療を行っている点があります。このため、合併症、併発疾患の早期発見、早期治療に努めますので、お気軽に御相談下さい。

以下に教育入院中に行う検査項目を記載します。

  • 血液検査・尿検査(一般検査、糖尿病性腎症評価、インスリン分泌測定など)
  • 胸部レントゲン
  • 腹部超音波検査、CT 検査
  • 心電図
  • ABI(足関節上腕血圧比:下肢動脈硬化検査)
  • CVR-R(自律神経検査)
  • 必要時心臓超音波検査、循環器医師によるトレッドミル検査(負荷心電図)
  • 神経伝導速度
  • 眼科受診(眼底検査)
  • 便検査
※その他、必要時、症状や検査結果を踏まえて、臨時の検査、他科対診も可能です。

 

入院中に行う主な指導

  • 栄養指導、服薬指導、看護師によるパンフレットやビデオを用いた糖尿病指導
  • 必要な方に対して、血糖自己測定、注射手技の指導

※御家族も含めて、管理栄養士による個別栄養指導、週1回行われている糖尿病教室にも参加してもらえます。西陣病院、

 

患者さんへ

入院希望がありましたら、主治医にお気軽に御相談下さい。入院期間は基本2週間ですが、患者さんの要望に合わせて、項目を変更して短縮することも可能ですので、御相談下さい。
尚、当院に通院中でない方も、主治医の先生と相談の上、申し込んでもらうことも可能です。健診結果で糖尿病と言われた方で、医療機関に受診歴のない方でも、当院糖尿病内科外来受診を経て、必要時入院は可能です。
西陣病院、

西陣病院、

近隣の先生方へ

直接、教育入院のみの依頼でも、教育入院も含めて、前後治療薬の調節をしてから、逆紹介させていただく依頼でもかまいませんので、地域医療連携室を通してご連絡下さい。
西陣病院、

糖尿病とうまく付き合いながら自分らしく過ごしていきましょう

糖尿病看護認定看護師 立山 一美

糖尿病を発症する方が増え、対策として生活習慣の改善が必要になります。はじめて糖尿病と言われたけれど何からはじめていいかわからない、食事療法や運動を頑張っているのに血糖値が下がらないなどお困りのことはないですか?

入院中は糖尿病のことを勉強しながら、今までの生活を振り返り、変えられることはないか、具体的な方法を一緒に考えられるよう、看護師だけでなく医師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士などスタッフがチームを組んでお手伝いをさせて頂きます。必要な方には、血糖自己測定やインスリン自己注射の方法の説明や、フットケアを行っています。

食べることを楽しみながら無理のない食事療法を続けていきましょう

栄養科 管理栄養士 今井 文恵

「食事療法」「栄養指導」と聞くと、「好物を禁止される」「面倒な計算をさせられる」というイメージを持っている方はおられませんか。

当院の糖尿病教育入院では、「糖尿病療養指導士」という専門資格を持つ管理栄養士が入院中の食事を通してエネルギー量や食事バランスについて説明するとともに、患者さんの実生活を踏まえ、お一人お一人の嗜好や家庭環境、生活習慣に合わせた食事プランを一緒に考えていきます。さらに、退院後も患者さんご自身の思いに寄り添いながら、無理のない食事療法が継続できるようにサポートさせて頂きます。

2018年07月01日

消化器内視鏡センターについて

(この記事は2018年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院、消化器内視鏡センター長 内科部長 葛西 恭一

消化器内視鏡
センター長内科部長
葛西 恭一

消化器内視鏡センターは、本館地下1階の画像診断センターの一角に設置されています。当センターは日本消化器病学会認定施設、日本消化器内視鏡学会指導施設に認定されており、内視鏡専門医を中心に丁寧かつ高度な内視鏡検査・手術を心掛けております。2016年6 月にリニューアルしてから2 年近くが経過しましたので当センターの現況を紹介します。

現在当センターは医師11名(日本消化器内視鏡学会指導医1名、専門医9名)、看護師9名(内視鏡技師2名)、内視鏡洗浄員3名が所属し日々の内視鏡診療を行っています。年間の内視鏡検査件数は、2015年度は4783件、2016年度は4963件で徐々に件数は増えています。内視鏡検査室は2室、専用のX 線装置付きの検査室が1室で計3室での検査が可能です。スタッフルームでは各検査室の内視鏡画像が確認できるため検査の進行状況の確認や技術指導に役立っております。待合室や回復室も充分な広さを確保し、検査前、検査後の患者さんにとってより良い環境を整備しております。 当センターで現在行っている各種内視鏡検査について詳しく説明します。

西陣病院、内視鏡検査

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

食道、胃、十二指腸を観察する検査で年間約3000件行っています。日本人は胃にピロリ菌が感染している率が高く、欧米に比べて胃癌が多い傾向にありました。最近はピロリ菌に対する除菌療法が普及したことや若年者のピロリ菌保有率が低いことから日本人のピロリ菌感染率は低下しております。このため胃癌の罹患率は減少傾向にありますが、まだまだ多くの方が胃癌に罹患している状況です。胃癌は早期に発見されればお腹を切らずにESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)という方法で内視鏡的に切除することが可能です。飲酒や喫煙が発症の要因とされる食道癌も早期発見されればESD により治療可能です。胃癌や食道癌を早期発見するために、胸焼け、胃の痛み、胃のもたれなどの症状があれば内科を受診して検査を受けていただくか、無症状であっても積極的に胃癌検診を受けていただくことをお勧めします。これまで胃癌検診はバリウムを飲む「胃エックス線検査」のみでしたが、2017年より京都市で「胃カメラによる胃癌検診」がスタートしました。当院でも受け付けておりますのでご希望の方は病院受付で御相談下さい。

下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)

肛門から内視鏡を入れて大腸を観察する検査です。生活習慣の欧米化により日本人の大腸癌は増加しています。大腸にできるポリープ(イボの様なできもの)の一部が癌化すると考えられており、大腸ポリープを積極的に治療することが大腸癌の予防に繋がると考えられています。当センターの大腸カメラの検査件数は10年前は年間約1000件でしたが現在は年間約2000件と倍増しています。大腸ポリープの治療は1泊入院で行っており、年間治療件数は約600件です。大腸癌も胃癌、食道癌と同様に早期発見されればESD による治療が可能です。大腸カメラはつらい検査という印象をお持ちの方も多いと思いますが、当センターでは鎮痛剤・鎮静剤を使用することで苦痛の少ない検査を心掛けております。お腹が張る、便通が思わしくない、便が細いなどの症状がある方は御相談下さい。大腸癌検診で便の潜血反応が陽性となった方は、二次検査として大腸カメラを必ず受けるようお勧めします。

胆膵内視鏡検査(ERCP)

内視鏡を口から十二指腸まで挿入し、胆管・膵管に造影剤を注入してレントゲン撮影する特殊な検査です。造影検査に引き続き、胆管や膵管の中に様々な器具を挿入して、結石の除去・癌細胞の有無の検査・胆汁の流れを確保するためのチューブの留置などを行います。

超音波内視鏡検査(EUS)

先端に超音波装置が装着された特殊な内視鏡を使った検査です。通常の内視鏡では観ることができない粘膜の中にある腫瘍や、消化管の外にある臓器(肝臓や膵臓)を観察します。内視鏡から細い針を出して粘膜の中や外の腫瘍を穿刺して細胞を採取する(EUS-FNA)ことができるため、従来外科手術をするまでどの様な病気か診断できなかったものが診断可能となり、手術の必要性がより確実に判断できるようになりました。近年は超音波内視鏡を使って胃・十二指腸の中から胆嚢や胆管を穿刺して、腫瘍や結石で滞った胆汁の流れを確保することも可能となってきました。今後はさらに様々な治療に応用される重要な検査として注目されています。

小腸内視鏡検査

小腸を調べる内視鏡で、内視鏡の先端に風船を装着した「バルーン小腸内視鏡」と「カプセル小腸内視鏡」があります。クローン病や小腸腫瘍、小腸出血などは従来診断や治療が困難でしたが近年の小腸内視鏡の進歩により可能となってきました。カプセル内視鏡は京都府立医科大学消化器内科と連携して行っております。

嚥下内視鏡検査

嚥下内視鏡は、鼻から内視鏡を挿入して喉の動きを観察・評価する検査です。脳梗塞の後遺症や老化により嚥下(飲み込み)機能が低下した方の嚥下機能訓練(リハビリ)を行う際に大変役立つ検査です。

消化器内視鏡センターの現況を紹介しました。胃腸にまつわる症状やご心配な事がありましたら、お気軽に当院内科へ御相談ください。

西陣病院、内視鏡検査
2018年02月27日