西陣だより

市販の風邪薬について

(この記事は2020年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部 主任 福本 郁子

日に日に気温が下がり、空気が乾燥し始めています。くしゃみ・鼻水、咳など風邪の症状はありませんか? 今回は、市販の風邪薬についてのお話です。

市販の風邪薬(総合感冒薬)とは

熱や頭痛、鼻水、咳といった風邪の初期症状を和らげる薬です。風邪を治す薬ではなく、すでに現れている症状を緩和させる目的で、複数の有効成分が配合されています。
製品ごとに有効成分は様々で含有量も異なりますので、症状に合わせて購入することができます。

主な成分

1. 解熱・鎮痛薬
●アセトアミノフェン、イブプロフェン、アスピリンなど…熱を下げたり、喉の痛みや頭痛を和らげる

2. 抗ヒスタミン剤
●マレイン酸クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミンなど…鼻水・くしゃみを和らげる

3. 鎮咳・去痰剤
●コデイン、ジヒドロコデイン…咳を止める
●アンブロキソール、カルボシステイン…痰を出しやすくする
●メチルエフェドリン…気管支を拡げる

4. その他
●トラネキサム酸、塩化リゾチーム…炎症を抑える
●生薬成分(ゴオウ、ケイヒ、ショウキョウ、カンゾウ)…熱を下げたり、咳を止める<
●カフェイン…眠気を予防したり、疲労感や頭痛を和らげる
この他にも、多くの種類があります。

注意点

  • 眠気や口の渇き、便秘を引き起こすことがあります。
  • 緑内障や前立腺肥大の症状を悪化させる成分もあるため、疾患によっては服用できないことがあります。
  • 病院で処方された薬を服用している場合、全く同じ成分や同じ効果を期待する成分が重なってしまうことがあります。
  • 購入されるときは、服用している薬や疾患、アレルギー歴などを薬剤師に伝えてください。

数日服用しても症状が改善しないときは、医療機関を受診してください。

2020年11月01日