西陣病院だより

認知症の人とのかかわり方

~ご家族の心が楽になる コミュニケーション方法~

(この記事は2026年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

 認知症看護認定看護師
草川 千恵

「また同じこと聞いて」「何で分からないの!」

 認知症の方を介護する中で、このような言葉をつい口にしてしまったことはありませんか。ダメだと頭で思っていても、「つい感情的になり言ってしまう」と悩むご家族は少なくありません。認知症のご本人さんも、このような言葉がけにますます興奮したり、反対に落ち込んだりされることがあります。
 しかし、ちょっとした心がけで、お互いの関係は穏やかで温かいものとなるはずです。そこで今回は、認知症の方とかかわる上での注意点をお伝えしたいと思います。

かかわり方のポイント

      1. 「否定」ではなく「受容」の姿勢で

        認知症の方の言葉や行動を否定することは、自信を失わせたり、混乱や不安につながってしまいます。「それは違うでしょ!」と否定せず、「そうやね」「そう思うのですね」と、まずは相手の感情を受け止めましょう。

      2. 非言語的なコミュニケーションを大切にする

        穏やかな表情と優しいまなざし、アイコンタクト(目線を合わせる)、タッチング(優しく触れる)を活用しましょう。

      3. 一つの声かけで一つの行動を促す

        認知症の方へ一度にたくさんの情報を伝えてしまうと、それを処理しきれず、混乱してしまいます。

        NG例:「歯を磨いてから、トイレして、ベッドに行ってね」

        OK例:「まず歯を磨いてね」▶歯磨き後「次はおトイレに行きましょう」▶トイレ後「ベッドで寝ましょう」

ご家族の心を守るために

 ご家族が無理しすぎてしまうと、心も体も疲れてしまいます。認知症の介護は「頑張りすぎない」「抱え込まない」「弱音を吐いてもいい」「比べない」ことが必要です。ご家族が自分自身を大切にすることにより、心の余裕ができて、認知症の方への優しさにもつながってきます。

2026年07月01日

看護部長就任のごあいさつ

『自分らしく生きる』を支えるために、その人に寄り添った看護を実践します

(この記事は2026年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

看護部長
認定看護管理者
金澤 佳織




  私たちが目指す看護は、患者さんの「その人らしさ」を尊重し、日々の気づきを大切にすることです。患者さんに最も近い存在である看護師として、フィジカルアセスメントはもちろん、生活背景にも目を向け、患者さんの真意やニーズを的確に捉えることが私たちの使命であると考えています。

 

 今年度は、改めて「寄り添うこと」について深く向き合い、「その人らしく生きる」を支える看護の実践を看護部目標に掲げました。患者さんやご家族の変化にいち早く気づき、関心を寄せて「今、何が必要なのか」を常に問い続けます。相手の立場に立って共感し、配慮を欠かさず、起こりうる現象にしなやかに対応できる看護を提供していきたいと考えています。
 超高齢化・多様化が進む社会において、患者さんやご家族の悩みは病気のことだけにとどまりません。言葉として発せられることだけでなく、観察力、洞察力、コミュニケーション力を最大限に発揮し、憶測に基づかない的確な看護ケアを目指します。
 また、困難な状況にも柔軟に対応できる心と力、すなわち「レジリエンス」を備えたスタッフの育成に注力します。治療やケアの過程で生じる「倫理的ジレンマ」や葛藤から目を背けず、多職種でカンファレンスを重ね、柔軟な思考で最善のケアを追求できる組織づくりを推進してまいります。

2026年07月01日

ふれあい看護体験

(この記事は2025年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

教育科長 兵頭 美香子

 

 8月7日(木)、ふれあい看護体験を開催し、4名の高校生が参加してくださいました。
 バイタルサイン測定、全身清拭、ストレッチャーの移送、患者さんとのコミュニケーションなど、色んな看護を体験していただきまた。初めは緊張した表情でしたが、徐々に患者さんへの声かけや笑顔も増えてきました。積極的に患者さんとかかわる姿が好印象でした。
 参加者のみなさまから「楽しかったです」「頑張って看護師になります!」と言ってくださり、本当にうれしかったです。目標に向かって頑張ってください!

 

2025年11月01日

新入職看護アシスタントの紹介

(この記事は2024年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)
看護部より

 2024年8月にインドとネパール出身の看護アシスタント8名が仲間に加わりました。病院の概要・感染対策・医療安全・看護アシスタント業務等、シャドーイングも含め7日間のオリエンテーション・実技演習を行いました。皆、一生懸命でとても熱心に取り組んでいました。母国を離れ遠い異国の地で私たちと共に日本の介護ケアを支えてくれる人達です。
 入職して2か月が経ち、ひとりでできるケアも増えてきました。患者さんが名前を覚えてくださったことがとても嬉しかったと話してくれたスタッフもいます。日本語はまだたどたどしいところはありますが、温かい目で見守りつつ一緒に頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

  

2024年11月01日

ふれあい看護体験

(この記事は2024年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

教育科長 兵頭 美香子

 

 8月8日(木)に、ふれあい看護体験を開催し、高校生4名が参加してくださいました。看護師と一緒に車椅子移送や全身清拭を行いました。その他、バイタルサイン測定の場面も見ていただきました。参加者のみなさまから「患者さんの体を拭いたときに、患者さんから『ありがとう』と言ってもらえて嬉しかったです」「患者さんとしっかりコミュニケーションをとることによって、患者さんが安心して過ごせるのだと感じました」などの感想をいただきました。

 

2024年11月01日

快適な排便のために

(この記事は2023年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

皮膚・排泄ケア
特定認定看護師
多氣 真弓




  「毎日、便がでない…私は便秘なんだ。」と思っている方は多いと思います。慢性便秘症診療ガイドラインでは、便秘を「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義しています。

 

 毎日便がでなければ便秘だと思っている方の中には、下剤を飲んで便を出すことに目が向いて、「快適に」ということにはあまり関心がない方もいらっしゃるのではないでしょうか。排便の量や回数には個人差があります。量や回数よりも排便後に「すっきりした」と思えることが大切ですでは、快適な排便をするためにはどうしたらよいのでしょう。

 

 

 毎日、適度な運動をして、食物繊維、発酵食品、乳酸菌を努めて摂取して腸内環境を整えるようにしている方も多いと思いますが、排便の姿勢を意識したことはありますか?排便に最もよい姿勢は和式のトイレにしゃがむ蹲踞位(そんきょい)ですこれは肛門と直腸の角度が広がるために便が出やすくなるというものです。最近では、和式のトイレも少なくなり、年齢を重ねると「和式のトイレはちょっと…」という方も増えてきます。洋式のトイレでは図のように前かがみに座ると直腸と肛門の角度が広がり、肛門括約筋が緩みます。また、かかとを少し上げて足先をつけることで腹圧がかけやすくなります。足が床につかない場合は足台を置くとよいでしょう。快適な排便のために生活習慣を見直すと同時に排便の姿勢も見直してはいかがでしょうか?

2023年07月01日

当院の認知症看護特定認定看護師を紹介します

(この記事は2022年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

認知症看護特定認定看護師


認知症看護
特定認定看護師
草川 千恵




  2021年に、認知症看護特定認定看護師の資格を取得しました。今や認知症は誰もが関わる可能性のある身近な病気となり、2025年には65歳以上の高齢者5人に1人が認知症になると推計されています。

 

 認知症の方が入院すると、次のような苦痛や困難を体験されます。入院に伴い、住み慣れた自宅から病院へと物理的環境が変わり、家族から医療者へと社会的環境も変化してしまいます。それに、病気の治療のため医療処置が新たに加わります。認知症の方は一般の高齢者に比べて環境の変化に弱く、入院に伴う様々な環境の変化にさらされることにより、身体的・精神的に負担となり、入院中に身体機能の低下や認知症の進行を招くリスクがあります。その上、認知症の方は記憶障害や言語障害などにより、病気の症状や処置による苦痛をうまく医療者へ伝えることができないのです。
 認知症看護特定認定看護師として、入院に伴う環境の変化で苦痛や困難を抱えている認知症の方が、安全に治療を受けることができ、入院後も自分らしく過ごせるように、そして早期に退院できることを目指して介入を行っています。具体的には、無機質な病床を少しでも住み慣れた自宅に近づけるようなレイアウトにしたり、点滴や治療に必要なチューブ類が気にならないような工夫を行ったりしています。そして、苦痛をうまく訴えられない認知症の方の表情やしぐさを捉え、全身の観察を行い、隠された身体異常を察知してケアへ繋げています。そのためにも、スタッフに対する指導や教育も重要な特定認定看護師の役割の一つであり、院内で認知症に関する研修会を実施したり、近隣の看護専門学校へ講義を行ったりもしています。
 認知症の方が「地域で自分らしく暮らすことができる」よう、活動していきたいと思いますので、認知症に関する困りごとがありましたら、いつでもご相談ください

 

施設や医院で働く方々に向けた出張研修会などを行いますので、s.saeki@nishijinhp.com(佐伯)のメールか、地域医療連携室に是非ご相談ください。お待ちしております。

<出張研修会内容の例>

●感染管理認定看護師
「新型コロナウイルス感染対策について」
「感染性吐物・排泄物処理方法について」

●透析看護認定看護師
「腎臓の悪化に気づくポイント」

●皮膚・排泄ケア特定認定看護師
「褥瘡の予防・治療ケア」
「高齢者の失禁管理」
  症例検討など

この他にもご希望がございましたら、ご相談ください。

2022年03月01日

当院の認定看護管理者を紹介します

(この記事は2021年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

認定看護管理者


認定看護管理者
(左) 佐伯 看護部長
 (右) 金澤 副看護部長

『認定看護管理者』って聞きなれない名前だと思いますが、名乗るためには日本看護協会が実施する認定看護管理者認定審査に合格することが必要です。その研修はファーストレベル(105時間)・セカンドレベル(180時間)・サードレベル(180時間) と3段階があり、サードレベルまで終了すると審査を受ける権利を得ることができます。他にも管理者経験を持ち大学院などで看護系の修士号を取ると受けることができます(ちなみに当院では 2名の管理者が修士課程を修了しております)。認定看護管理者制度は1998年に発足されてから2020年度には全国で4551名となり京都府は87名となりました。西陣病院では、ファーストレベル修了者8名、セカンドレベル修了者が7名います。サードレベルを終了した私達2人が、今年認定看護管理者となりました

 

日本看護協会が示す認定看護管理者が行う活動とは、「患者・家族や地域住民に対しより質の高いサービスを提供できるよう、自身が管理する組織の課題を明らかにし、組織内の様々な部署や人に働きかけて、組織全体のサービス提供体制の向上に取り組むこと。また、地域の組織間の連携を図るなど、地域全体の医療・看護の質の向上に務めること」とされています。私達は他の看護管理者と共に、西陣病院に来られた患者さんに気づきとレジリエンス(状況に合わせて柔軟に対応できる力と心)を大事にした看護をスタッフ皆ができるようにしたいと思ってきました。これから更に「地域全体の医療・看護の質の向上に努める」ことを目標に、当院にいる感染管理認定看護師や皮膚・排泄ケア特定認定看護師・透析看護認定看護師に地域で活躍してもらい西陣地域の方々の健康増進とQOL(生活の質)を維持向上できるよう貢献していきたいと思っています。

施設や医院で働く方々に向けた出張研修会などを行いますので、s.saeki@nishijinhp.com(佐伯)のメールか、地域医療連携室に是非ご相談ください。お待ちしております。

<出張研修会内容の例>

●感染管理認定看護師
「新型コロナウイルス感染対策について」
「感染性吐物・排泄物処理方法について」

●透析看護認定看護師
「腎臓の悪化に気づくポイント」

●皮膚・排泄ケア特定認定看護師
「褥瘡の予防・治療ケア」
「高齢者の失禁管理」
  症例検討など

この他にもご希望がございましたら、ご相談ください。

2021年11月01日

ふれあい看護体験

(この記事は2021年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

ふれあい看護体験

昨年は、新型コロナウイルス感染症拡大のため中止となりましたが、今年は2年ぶりに「ふれあい看護体験」を開催し、3名の高校生が参加して下さいました。従来は、看護師と一緒に食事介助や全身清拭など直接患者さんとかかわって頂きましたが、今年は感染対策の為、シミュレーターを用いての心肺蘇生、車いすやストレッチャーの操作や患者体験など、演習を中心に行いました。そして、短時間ですが、看護師が看護を実践している場面を見学して頂きました。

参加者から「実際の仕事の場面を見ることができてよかったです」「コミュニケーションの大切さを学びました」「体力のいる仕事だと思いました」など、多くの感想を頂きました。

2021年09月01日

当院で活躍する認定看護師を紹介します

(この記事は2021年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

皮膚・排泄ケア特定認定看護師


皮膚・排泄ケア特定認定看護師
多氣 真弓

 

皮膚・排泄ケア認定看護師は、スキンケアを基盤として創傷ケアや排泄ケアを専門に行う看護師です。

2008年に認定を取得して院内を横断的に活動し、年間の延べケア件数は2600件ほどで約7割が創傷のケアです。褥瘡(床ずれ)や静脈うっ滞性下腿潰瘍、糖尿病性足病変、重症下肢虚血などの慢性創傷は、長期にわたるケアが必要で、皮膚科の坂元花景医師と連携して治療を進めていきますが、場合によっては糖尿病内科、循環器内科、整形外科医師とも連携して院内の医療チームで治癒を目指すこともあります。また、院内の看護師はもちろんのこと院外施設の看護師や訪問看護師とも情報を共有しながら療養の場がどこであっても継続したケアが行われ、創傷の適切な管理ができるようにしています。しかし、重要なことは創傷が発生しないように予防することです。加齢によって皮膚のバリア機能は低下しますので、からだを泡で優しく洗浄して、保湿剤を毎日塗ることで皮膚を健やかな状態にしておくことが予防につながります。

2025年には65歳以上の高齢者が4人に1人となり、医療の質と量の両方を高めていくために、厚生労働省は、2015年から「看護師特定行為研修」を開始しました。これによりこれまで医師にしかできなかった38の医療行為について、研修を修了した看護師が医師の指示(手順書)により実践できるようになりました。2020年に創傷管理に関する5つの行為について研修を修了し、「皮膚・排泄ケア特定認定看護師」になりました。認定看護師の専門的な「看る」と特定行為研修で学んだ「診る」の両方の視点からタイムリーに創傷の治癒や重症化予防のためのきめ細かな看護を提供できるように努めていきます。

2021年09月01日