西陣病院だより

日本列島 ”食” めぐり「福井県」

(この記事は2024年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 須惠 裕子

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

越前おろしそば

 福井県におけるそばの栽培は、戦国大名が、一条谷に築城、短期間で収穫できるそばを合戦の合間に栽培し、籠城用食糧にしたことが始まりとされています。当時のそばは、麺状ではなく、そば粉をお湯でこねた「そばがき」や「そば団子」といった形で食べられていたそうです。麺状のそばは府中の城主が帯同させた京都伏見のそば職人により、細麺のそばにだいこんおろしを乗せる「おろしそば」が生まれたと言われています。現在では、福井県を代表する郷土料理の一つとして多くのお店が県内にあります。

(1人分)エネルギー 320kcal/たんぱく質14.3g/塩分3.1g

材料 (1人分) 作り方

●蕎麦(ゆで)・・ 160g
●大根 ・・・・・・100g
●長ネギ・・・・・・10g
●カツオ節・・・・・5g

~出汁~
●カツオだし・・・ 150ml
●濃口醤油・・・・ 20ml
●みりん・・・・・ 20ml
●さとう・・・・・ 2g

< 作り方 >

①蕎麦出汁の材料を鍋に入れ一煮立ちさせたあと冷ましておく。
②大根の皮を剥き、おろして水分をザルで切っておく。長ネギは小口切りにしておく。
   ※大根の辛味が苦手な方はおろした後、軽く水で洗うと辛味が抜けます。
③蕎麦を茹で、冷水で洗い冷まします。
④冷ました蕎麦を器に盛り、蕎麦出汁を全体に絡むようにかける。
➄大根おろし、カツオ節と刻んだネギを上に乗せて完成です。

 

2024年09月01日

日本列島 ”食” めぐり「山梨県」

(この記事は2024年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 須惠 裕子

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

うす焼き

 「うす焼き」は、具材によって味を変化させることができ、手軽に作れる小麦料理です。山梨県が次世代への継承に取り組んでいく郷土食として認定している「やまなしの食」176品目のうちの一つです。各家庭により具材や味付けはさまざまで、さつまいもや甘い煮豆、あんこを入れて焼いたり、またソーセージを入れてケチャップをつけて食べることもあるそうです。

(1枚分)エネルギー 60kcal/たんぱく質2g/塩分0.4g

材料 (5枚分) 作り方

●小麦粉・・・・・・ 75g
●水・・・・・・・・ 100ml
●ちりめんじゃこ・・ 10g
●青じそ・・・・・・ 10枚
●塩・・・・・・・・ 小さじ1/4

 

< 作り方 >

① 青じそを千切りにする
② ボウルに小麦粉、水を加え、だまにならにようによく混ぜる
③ ②にちりめんじゃこと、①の青じそ、塩を加え混ぜる
④ 熱したホットプレートに薄く油(分量外)をのばし、③の生地を丸く流し込み両面をよく焼く(両面弱火で5分ずつ程度)
➄ お皿に盛り、できあがり

 

2024年07月01日

日本列島 ”食” めぐり「島根県」

(この記事は2024年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 今井 文恵

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

うずめ飯

 うずめ飯とは、島根県西部の石見地方(浜田市、益田市匹見町、津和野町など)の郷土料理で、白飯の下に細かく刻んだ野菜や鶏肉などの具材を埋めて、そこに出汁をかけ、わさびを添えた料理です。1939年に行われた宮内庁の全国郷土料理調査では、さよりめし(岐阜県)、深川めし(東京都)、忠七めし(埼玉県)、かやくめし(大阪府)と並んで日本五大名飯に選定されています。「うずめ飯」という名前の由来は、白飯で具材を「うずめている」ことから来ているといわれています。うずめる理由には諸説あり、質素倹約を強いられた江戸時代に贅沢しているのを悟られないため、具材が粗末で他人に見られるのが恥ずかしかったため、などが挙げられています。

(1人分)エネルギー 375kcal/たんぱく質12.7g/塩分1.0g

材料 (4人分) 作り方

●白飯・・・・・・・ 300g
●鶏もも肉・・・・・ 50g
●厚揚げ・・・・・・ 50g
●しいたけ・・・・・ 30g
●人参・・・・・・・ 30g
●ごぼう・・・・・・ 30g

●だし汁・・・・・・ 200g
●薄口しょうゆ・・・ 小さじ2
●みりん・・・・・・ 小さじ1
●片栗粉・・・・・・ 少々
●わさび・・・・・・ 適量

< 作り方 >

① 鶏肉は1㎝角、厚揚げは乱切り、しいたけは薄切り、人参とごぼうはささがきにする
② 鍋にだし汁を入れて全ての具材を煮る
③ 野菜に火が通ったら醤油・みりんで味付けし、水溶き片栗粉でとろみをつける
④ 茶碗に白飯、熱々の③、白飯の順番で盛り付ける
➄ 白飯の上に練りわさびを適量乗せたら出来上がり

 

2024年05月01日

日本列島 ”食” めぐり「新潟県」

(この記事は2024年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 矢野 花織

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

のっぺ

「のっぺ」は、里芋を主材料とし、野菜やきのこなどを薄味で煮た新潟の代表的な家庭料理です。家庭の味として母から子へと引き継がれ、新潟のおふくろの味として親しまれているようです。

(1人分)エネルギー 140kcal/たんぱく質9.7g/塩分1.8g

材料 (4人分) 作り方

●しいたけ・・ ・・・・・2枚
●たけのこ水煮・・・・・ 80g
●里芋・・・・・・ 4個(200g)
●人参・・・・・・・・・ 40g
●こんにゃく・・ 1/2枚(100g)
●かまぼこ・・・・・・・ 40g
●サケ・・・・・・・・・100g
●さやえんどう・・・・・ 30g
●だし汁・・・・・・・400ml

(調味料)
●醤油・・・・・・・・大さじ2
●酒・・・・・・・・・大さじ2
●みりん・・・・・・・大さじ2

< 作り方 >

① しいたけは細切りにする。
② たけのこ水煮、里芋、人参を3cmの長さの短冊切りにする。
③ こんにゃくとかまぼこは、野菜の大きさにあわせて切る。こんにゃくは湯通ししてアクを抜く。
④ サケは一口大に切る。
➄ さやえんどうは、筋をとって、塩を入れた水で茹で、冷水にとり、斜め半分に切る。
⑥ 鍋に、かまぼこ以外の材料を入れる。だし汁を入れてひと混ぜし、火にかけ、煮る。
⑦ かまぼこを加え、調味料で味をととのえる。
⑧ 器に盛り、⑤をのせる。

 

2024年03月01日

日本列島 ”食” めぐり「沖縄県」

(この記事は2023年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 桑原 雪衣

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

ソーミンタシヤー

 「ソーミンタシヤー」とは、そうめんを炒めた沖縄県の郷土料理です。少量の野菜やツナなどの具材とそうめんを塩や醤油で仕上げる手軽な料理で、家庭料理や酒の肴として食べられています。昔は台風などで出歩けない時の食事として重宝されていたようです。

(1人分)エネルギー 242kcal/たんぱく質7.8g/塩分2.5g

材料 (2人分) 作り方

●そうめん(乾燥)・・ 200g
●塩(まぶす用)・・・ 少々
●油(まぶす用)・・・ 小さじ1
●人参・・・・・・・・ 40g
●青ねぎ・・・・・・・ 20g
●油(炒める用)・・・ 大さじ1
●ツナ缶・・・・・・・ 60g
●塩(炒める用)・・・ 少々

< 作り方 >

① たっぷりの熱湯でそうめんを茹で、ざるにあげて水気を切る。
② ①のそうめんに塩と油をまぶす。
③ 人参は千切り、青ねぎは小口切りにする。
④ フライパンに油を熱し、人参、ツナを炒め、塩を加える。
➄ ④に②を加えてよく混ぜ合わせる。仕上げに青ねぎを散らして出来上がり。

 

2023年11月01日

日本列島 ”食” めぐり「愛媛県」

(この記事は2023年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 須惠 裕子

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

いもたき

 「いもたき」は鶏肉、里芋、こんにゃく、しいたけ等の具材を煮込んだ鍋料理で、お籠りと呼ばれる伝統行事でふるまう鍋に、各自が地元名産の里芋を持ち寄ったことが始まりといわれています。家庭だけでなく、学校給食の献立や家庭科の授業でつくる機会もあり、若い世代にも親しまれている郷土料理です。

(1人分)エネルギー 515kcal/たんぱく質23.5g/塩分2.5g

材料 (4人分) 作り方

●鶏肉・・・・ 300g
●里芋・・・・ 400g
●生揚げ・・・ 1枚
●白玉粉・・・ 100g
●しいたけ・・ 4枚
●だし汁・・・ 1ℓ

●調味料A
 ・酒・・・・・ 大さじ1
 ・砂糖・・・・ 大さじ2
 ・みりん・・・ 大さじ2
 ・醤油・・・・ 大さじ3
 ・塩・・・・・ 少々
 ・サラダ油・・・ 適量

< 作り方 >

①里芋は皮をとり、熱湯に塩少々を入れ茹でる。生揚げは一口大に切り油抜きする。
②白玉粉に少しずつ水を加え、耳たぶ位の固さに練り、団子にし、熱湯で茹でる。
③油を熱し、鶏肉を炒め、①を入れてよく炒め、だし汁を加えて煮る。
④里芋が煮えれば、②を入れ調味料Aを加え、全体に味がなじめば完成。

ポイント   里芋は、口の中でとろっとするくらい、やわらかく煮るとよい!

 

2023年09月01日

日本列島 ”食” めぐり「東京都」

(この記事は2023年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 須惠 裕子

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

深川めし

 「深川めし」とは東京都の郷土料理で、ネギと生のあさりを味噌でさっと煮て汁ごとご飯にかける「ぶっかけ」と、あさりとお米を一緒に炊き込む「炊き込み」があります。もともとは漁師たちが仕事の合間にさっと食べることができるぶっかけがルーツであるとされていますが、現在は炊き込みごはんタイプが主流となっているようです。

(1人分)エネルギー 275kcal/たんぱく質8g/塩分1.9g

材料 (4人分) 作り方

●お米・・2合
●あさり(殻付き)・・ 200g
●生姜・・10g 
●濃口醤油・・ 小さじ2
●酒・・大さじ1
●塩・・小さじ1/3
●だし汁・・350~400ml

< 作り方 >

①あさりは砂抜きする。米は炊く30分前に洗って、ざるにあける。生姜は千切りにする。
②鍋に、あさり・酒・醤油を入れ、蓋をしてあさりの口があくまで煮る。
③炊飯器に米、②の煮汁のみを入れる。だし汁を2合の目盛りになるまで注いで、塩を加えて炊く。
④殻からあさりの身を出しておく。
➄ご飯が炊きあがったら、あさりの身、生姜を加えて混ぜる、10分程度蒸らして出来上がり。

 

2023年07月01日

日本列島 ”食” めぐり「富山県」

(この記事は2023年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 井尻 柊人

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

 

白エビのかき揚げ

 水産資源豊富な富山湾では深海に生息する透き通った淡いピンク色に輝く白エビは「富山湾の宝石」と称され、漁が成り立つほど漁獲されるのは全国でも富山だけで、主な水揚げ漁港は新湊漁港、岩瀬漁港の2港となっています。かつては、殻ごと干しエビにして出しを取るために使われることがほとんどでしたが、冷凍技術の向上によりむき身にすることが容易となり、また鮮度を保つことが可能となりました。カラッと揚がった白エビはサクサクで香ばしく、独特の甘みを堪能できる。ほかのエビと違い火を通しても赤くならないという点も特徴のひとつです。

(1人分)エネルギー 152kcal/たんぱく質6g/塩分0.5g

材料 (4人分) 作り方

●白エビ・・80g
●玉ねぎ・・ 100g
●にんじん・・25g 
●さやいんげん・・ 25g
●揚げ油・・適宜
●小麦粉・・適宜
●卵・・1/2個
●塩、抹茶塩・・少々

< 作り方 >

①白エビは水で洗い、水気を切る。
②玉ねぎはうす切り、さやいんげんは斜めうす切り。にんじんはせん切りにしておく。
③ボウルに小麦粉、塩少々、酒少々、卵1/2個、水100mLを入れて切った食材を入れざっくりと混ぜる。
④天ぷら鍋に油を入れ170~180℃になったら③をお玉にのせて、その上に小麦粉をまぶした白エビを飾るようにのせて揚げる。
➄お好みで塩、抹茶塩をつける。

 

2023年05月01日

日本列島 ”食” めぐり「秋田県」

(この記事は2023年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 白岡 咲

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

 

豆腐カステラ

 「豆腐カステラ」とは水分を切った豆腐を砂糖や卵などを混ぜてカステラ状に焼いた菓子。秋田の県南地域に伝わる豆腐料理で、冠婚葬祭の口取り、おやつやお茶請けとして食べられてきました。豆腐の風味を残したしっとりとした食感が特徴です。

(1人分)エネルギー 185kcal/たんぱく質8.7g/塩分0.5g

材料 (卵焼き器1回・6人分) 作り方

●木綿豆腐・・2丁(600g)
●砂糖(上白糖)・・ 100g
●全卵・・2個 100g 
●片栗粉・・ 40g
●食塩・・ 2g

< 作り方 >

①木綿豆腐をレンジで温める。もしくは鍋に入れ水から沸騰直前まで温める。
②木綿豆腐を布袋に入れ軽く水気をしぼり、裏ごしする。
③砂糖(上白糖)、卵、片栗粉、塩を加え、よく混ぜ合わせる。※フードプロセッサーで全材料を攪拌してもOK。
④卵焼き器に流し、片面を弱火で25分、裏返してもう片面を20分焼く。

 

2023年03月01日

日本列島 ”食” めぐり「宮崎県」

(この記事は2022年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 今井  文恵

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

 

ぬたいも

 宮崎県は里芋の生産量が多く、収穫量は埼玉県、千葉県と並んで常に全国上位に位置しています。「ぬた芋」の名前の由来は定かではありませんが、和えるときに、ぬたぬたするので「ぬた芋」、また、酢味噌和えとしてよく知られる「ぬた和え」は「ぬるぬるしたところが“沼田”に似ている」ということに由来するといわれており、「ぬた芋」も同様の理由が考えられます。秋に収穫できる小さいサイズの『おちこ』と呼ばれる里芋が使われることが多かったようで、小さな里芋を有効に利用する先人の知恵が活かされた郷土食です。

(1人分)エネルギー 116kcal/たんぱく質3.3g/塩分1.1g

材料 (2人分) 作り方

●里芋・・200g
●味噌・・ 大さじ1
●白ごま(煎り)・・大さじ1 
●みりん・・ 大さじ1/2
●砂糖・・ 大さじ1

< 作り方 >

①里芋は皮つきのままきれいに水洗いし、鍋に入れる。里芋がかぶるくらいの水を加えて火にかけ、竹串がスッと通るまでゆでる。
②里芋がゆであがったら、熱いうちに乾いたふきんにとって皮をむく。
③白ごまをよくすり、砂糖・味噌を加えてよく混ぜ合わせる。
④③に里芋の1/3を熱いうちに入れ、つぶしてよくすり混ぜる。
➄④にみりんを入れる。
⑥残りの里芋は約1.5cmの厚さに切って➄に加えて和える。
⑦器に盛って、仕上げに白ごま(分量外)をふって完成。

 

2022年11月01日