西陣病院だより

花粉症とくすりのはなし

(この記事は2018年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部 薬剤師 東野 公亮

3月から4月は、春に向かって暖かくなっていく時期ですね。この時期は花粉症に悩まされる方が多くいらっしゃいます。今回は、花粉症とくすりのおはなしです。

花粉症とは?

日本人の約25%が悩まされているとされる花粉症は、主に、スギやヒノキなどの花粉が原因となり、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を起こすものを指します。

今からできる花粉症対策って?

帽子や眼鏡やマスク着用、花粉を家に入れないなど日常できることに加え、花粉症対策で大事なのは、
①医療機関を受診し、どの植物の花粉にアレルギーがあるのか、その花粉の飛散時期を把握する。
②該当する花粉が飛散する前や最盛期前に、薬を服用する。
(前もって薬を服用することで、花粉症の最盛期の症状を軽くすることができます。)

花粉症に効く薬ってなにがあるの?

花粉症に効く薬は、市販薬を含めると多くの治療薬が存在します。下記は市販薬の一部です。

内服薬
◇くしゃみ、鼻水、かゆみなどに
アレジオン®20、アレグラ®FX、ザジテン®AL鼻炎カプセル、クラリチン®EX OD錠 など
外用薬
◇花粉症の症状が強いときに(点鼻薬)
コンタック®鼻炎スプレー、ナザール®αAR など

◇目のかゆみに(点眼薬)
ロートアルガード®プレテクト、ロートアルガード®クリアブロックZ、エージーアイズ®アレルカットC など

花粉症には個人差があり、最盛期に花粉症を発症しない方もいます。花粉を家に入れないなどの日常できることに加え、症状に合わせた薬を使用することも有効とされていますので、花粉の飛散前や最盛期前に、薬局、ドラッグストアの薬剤師、もしくは、「かかりつけ薬剤師」と相談し、適切な薬を選択しましょう。

2018年02月27日

薬剤耐性(AMR)対策 ~抗菌薬(抗生物質)が効かない 細菌が増えています~

(この記事は2018年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部 医薬品情報室

抗菌薬(抗生物質、抗生剤)は多くの人々の命を救ってきました。しかし、抗菌薬が効きにくい「薬剤耐性」(AntimicrobialResistance:AMR)をもった細菌が世界的に増えており、大きな問題になっています。薬剤耐性によって世界で70万人が死亡しており、このままでは薬剤耐性による死亡者が、2050年には、現在がんで死亡している年間820万人を超える1,000万人が死亡するといわれています。

Onnee Heeaalltthh(ワンヘルス=1つの健康)・アプローチ

人、動物、環境の中に存在する感染症などのリスクに対して、それらの衛生に関わる人々が連携し、横断的に課題の解決を図っていくものです。中でも自然界での脅威が、人間を脅かす元凶となっています。抗菌薬は医療現場のみならず、獣医療、畜水産農業などの現場でも使用されています。薬剤耐性(AMR)を持つ遺伝子が、食品や環境などを介して人へ伝播する可能性があるため、ワンヘルス・アプローチの精神に則り、AMRCRCをはじめ、関係府・省庁や各分野の民間関係団体など他分野の専門家とともに一体的な取組みを進めていく必要があります。

西陣病院、ワンヘルス=1つの健康
西陣病院、薬剤耐性(AMR)西陣病院、厚生労働省

~私たちができること~

  • 風邪に抗菌薬は効きません
  • 処方された抗菌薬は医師の指示通り服用しましょう
  • 基本的な感染対策をしましょう

予防がやっぱり大切「手洗い・ワクチン」

2018年01月01日

日本列島 ”食” めぐり「長崎県」

(この記事は2018年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 小笹 清香

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます。

西陣病院、長崎県

~ヒカド~

江戸時代、長崎に渡来した南蛮料理。ポルトガル語で「細かく刻む・調理する」という言葉が由来で、すりおろしたさつま芋でとろみをつけた具だくさんの汁物です。冬の寒い日に食べるとポカポカと体が温まります。

●ヒカド 1人分: エネルギー140kcal たんぱく質8.5g 塩分1.0g
材料 (3人分) 作り方
マグロ 50g
(下味用:塩少々、酒少々)
豚もも肉 50g
大根 100g
人参 40g
さつまいも(角切り) 100g
さつまいも(すりおろし) 50g
干し椎茸 3枚
青ネギ 15g
だし汁 450cc
(昆布・かつお・干し椎茸戻し汁)
サラダ油 少々
塩 小さじ1/5
みりん 小さじ1
薄口醤油 小さじ2
酒 小さじ4
  1. マグロを角切りにして、塩と酒で下味をつける。
  2. 大根・さつまいも・干ししいたけは1.5cmの角切り、豚もも肉は食べやすい大きさに、人参は厚めのいちょう切り、ネギは小口切りにする。
  3. 鍋に油を入れて(1)を炒め、表面に焼き色がついたら一旦鍋からおろす。同じ鍋で、豚肉・人参・干ししいたけ・大根・さつまいもを順番に入れて炒め、だし汁を入れる。
  4. 沸騰してきたらアクを取り除いて、(3)のマグロを加える。
  5. すりおろしたさつまいもを鍋に入れる。(すぐにトロミが出てくる)
  6. 酒・薄口醤油・塩・みりんで味をつけながら煮込み、器に盛りつけてネギを散らしたら出来上がり!
≪アレンジ例≫  マグロの代わりに、甘鯛・イトヨリなど旬の魚を最後に溶き卵を流し込むのも良い
2018年01月01日

入退院支援室について

(この記事は2017年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

入退院支援室 科長
松山 みどり

 今年6月に活動を開始した入退院支援室です。メンバーは看護師4名で平均年齢は?・・・秘密です。
 患者さんと入院前から関わり、入院治療を終えて退院後に「どこでどのような生活を送りたいか」という希望を患者さんやご家族から大切に伺い、その実現にむけてお手伝いさせて頂く部署です。他部署・外部との連携がとても重要になりますので、笑顔と誠意を忘れずに日々奮闘しております。これからの超高齢社会に必要とされる部署だと考え、医師をはじめ看護部、医療社会福祉課、リハビリテーション科等の院内の多職種や開業医の先生方、高齢サポート、居宅介護支援事業所、訪問看護ステーション等々の皆様方からご協力頂きながら充実した業務ができるように日々、努力しております。どうぞ宜しくお願い致します。

入退院支援室、TQMメンバー
2017年11月01日