
消化器内科 医長
兒玉 征也
大腸がんについて日本人の死亡原因の1位は悪性新生物(がん)であり、このうち大腸がんでの死亡率は男女合計で肺がんに続き第2位、女性においては第1位の死因となっています。大腸がんは罹患数(かかる人数)も男女合計で第2位であり、多くの人が治療を受けている一方で、早期発見・治療できれば治る可能性も高いがんです。
大腸がんの5年生存率はステージⅠでは95%と良好ですが、ステージⅣでは20%にまで低下することから早期発見・治療が重要となります。
早期がんの段階では予後が比較的良好な大腸がんによる死亡率が高い背景として発見の遅れが指摘されています。
発見の遅れにつながる要因としては無症状期間の長さと検診受診率の低さが挙げられます。大腸がんは初期の段階では症状がなく症状が現れた時にはステージⅢやⅣにまで進行していることが多いことから検診での発見が重要となります。しかし大腸がん検診の受診率は45%と低いのが現状です。
大腸がん検診
大腸がん検診は、現在40歳以上を対象に1年間隔で便潜血検査2回法を行うことが厚生労働省により推奨されています。
便潜血検査は、便に混ざった目に見えない微量の血液(ヒトヘモグロビン)を検出する検査で、主に大腸がんや大腸ポリープの早期発見を目的とし2日間の便を採取して調べる2回法が一般的となっています。
大腸内視鏡検査
便潜血検査が陽性となった場合には、大腸内視鏡検査による精密検査が必要となります。大腸内視鏡検査によってポリープや早期大腸がんを発見できれば内視鏡での治療が可能です。
大腸内視鏡検査は肛門から細いカメラを挿入し大腸全体の粘膜を直接観察してポリープ、炎症、癌などを診断する検査です。検査時間は15~30分程度で、前日には食事制限と下剤の服用をしていただき当日は約2リットルの腸管洗浄液で腸内を空にしてから行います。
当院では年間約2000件の大腸内視鏡検査を行なっております。希望に応じて鎮静剤を使用し苦痛を軽減した検査・治療も可能であり、便潜血検査が陽性になった方やそうでなくても便秘や腹痛などがあり大腸がんが心配な方はぜひ一度ご相談ください。

