西陣だより

サプリメントと医薬品

(この記事は2020年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部 薬剤師 植村 有加

サプリメントとは?

 「サプリメント」とは、食事によって十分に摂りきれない栄養素などを補うための補助食品の総称で、いわゆる「健康食品(「機能」を表示することはできません。)」と位置づけられているものです。日本では国によって制度化されている食品は保健機能食品のみです。保健機能食品は長らく「特定保健用食品」及び「栄養機能食品」の2つだけでしたが、2015年の食品表示法の施行により、食品の機能を表示できる食品として機能性表示食品が加わりました。今回は、「サプリメント」の特徴や医薬品との飲み合わせについてお話ししたいと思います。

薬との飲み合わせに要注意!

 サプリメントは、病気治療のために服用する医薬品の作用に影響を及ぼすことがあります。右記に薬との飲み合わせに注意が必要なサプリメントの例をいくつか挙げます。

 ●クロレラ含有食品 ・クロレラ含有食品・青汁(ケール)
ビタミンKを多く含み、血液をサラサラにするワルファリンの作用を阻害し、薬の効果を弱める。

 ●セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)
多くの薬と相互作用を起こし、薬の血中濃度を下げることで薬の効き目を弱める。

 ●カルシウム含有サプリメント
ある種の抗生剤と同じタイミングで服用することで、吸収されにくくなり、薬の効果を弱める。他にもビタミンCと利尿剤、ビタミンEと抗凝固剤、鉄と甲状腺ホルモン薬など、飲み合わせに注意が必要なサプリメントがあります。

手術や検査に影響のあるサプリメントに注意!

 ニンニク、イチョウ葉エキス、ノコギリヤシ、EPA/DHA等のサプリメントは出血の危険性を増強させる可能性があります。医師と相談して手術や検査前に休む必要があるサプリメントもあります。

サプリメントを使っているとき

 医薬品服用中のサプリメント摂取は十分注意が必要です。サプリメントを服用中で不安があったり、これから服用しようと考えていたりしている方は、医師・薬剤師にご相談ください。

2020年05月01日