西陣だより

いまから始める、夏の脱水対策

(この記事は2021年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部  薬剤師 楠 斐未

今年も暑い夏がやってきましたね。
水分摂取を心がけていますか?体内の水分が2%減少すると脱水症の恐れがあります。今回は、「夏の脱水対策!」をお話します。

脱水症とは?

 体内の水分や電解質が少なくなった状態のことを言います。軽症では喉の渇きやめまい、中等症では頭痛や悪心、重症では意識障害や痙攣が起こります。特に、高齢者やマスク着用時は喉の渇きを感じにくく、脱水症は進行するまで、これといった症状が出にくいのが特徴です。脱水症になりかけているのに、本人や周囲がそれに気がつかないため、有効な対策が取れていない状態を「かくれ脱水」と呼びます。

脱水対策 その1

● 室内でもこまめに水分と電解質を補給しましょう。
● 発汗量にあわせてスポーツ飲料や経口補水液を使い分けましょう。
(経口補水液 → 大塚製薬OS-1、味の素アクアソリア、明治アクアサポートなど)

脱水対策 その2

次の薬を服用していると、発汗により脱水症を引き起こしたり、
薬の副作用が発現しやすくなったりします。

●心不全や浮腫に用いる利尿薬
 フロセミド、トリクロルメチアジド、サムスカ、スピロノラクトンなど

●糖尿病や心不全に用いるSGLT2阻害薬
 フォシーガ、カナグル、ジャディアンスなど

●糖尿病に用いるビグアナイド系薬
 メトグルコなど

●便秘症に用いる下剤
 マグミット、センノシド、アミティーザなど

脱水対策 その3

生活習慣も大切です

●睡眠不足や体調不良、栄養不足にならないように生活のリズムを整えましょう。
●起床時、就寝前にコップ1杯の水を飲むことを心がけましょう。
●アルコールは利尿作用があるため、大量のアルコールを飲んだ時は注意しましょう。

 

※水分を制限している方は、主治医に相談し指示に従いましょう。

2021年07月01日