西陣病院だより

『出会い』を大切に 再び

(この記事は2020年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

副院長
柳田 國雄

新年あけましておめでとうございます。皆様にはお健やかに令和最初の新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。

前回この欄で新年のご挨拶をさせていただいてから3年が経ちました。その間医療の現場はますます厳しく複雑となり、超高齢化に伴う様々な問題が取り上げられ、人工知能(AI)の医療への導入が取り沙汰され、仕事の効率化や働き方改革が進められています。この時代の波に押し流されず、様々な工夫をして“地域に密着した総合的な医療と専門性を生かした医療”の両輪を堅持していきたいと思っています。さらには、医療の安全性の確保や働きがいのある健全な職場への工夫と努力も続けてまいります。

最近読んだ本に『人の幸せってのはどれだけ周りの人を笑顔に出来たかだと思う』という言葉がありました。この3年間に様々な出会いがありたくさんの笑顔に出会うことができましたが、残念ながら悲しく辛いこともありました。本年も新たな出会いがたくさん待っていると思います。患者さん本人やそのご家族はもちろん、地域の医療者の方々、さらには病院スタッフとのひとつひとつの出会いを大切に、そしてその方々を笑顔にできる医療を本年も心がけたいと思います。本年も何卒よろしくお願いいたします。

2020年01月01日

新年のごあいさつ

(この記事は2020年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院、西陣病院 院長 伊谷 賢次

西陣病院 院長 伊谷 賢次


新年明けましておめでとうございます。

皆様には、さわやかな新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。また、昨年中、当院に賜りました数々のご厚情とご支援に対しまして、職員一同心より御礼申し上げます。

昨年も大型台風到来による暴風や記録的な豪雨により、関東地方を中心に多くの人が被災されました。特に、真夏での長時間の停電は、医療福祉施設でも、エアコンが使用できなくなり、熱中症のリスク化が高く、転院を余儀なくされた様子をテレビ画面から目の当たりにしました。今後も、地球温暖化による今までに経験したことのない異常気象は頻繁に起こることが予想され、医療機関は今まで以上に様々な災害対策の必要性を痛感しました。当院では、電源設備の拡充工事を昨年10月より開始し、今年7月まで行います。長時間の停電時にも人工呼吸器などの非常用電源以外に、エレベーターやエアコンなどの電源も確保できるようになり、安心で安全な病院を目指します。また、工事期間中は、地域住民の皆様には、交通規制などのご不便をお掛けしますが、ご理解・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

また、昨年10月より消費税が8%から10%に増税されました。消費税増収分の一部は社会保障の充実にあてられることになっていますが、国民の生活はもとより、病院経営にとっても厳しい増税となりました。また、今年4月に2年ごとの診療報酬改定がありますが、医療費抑制政策によりマイナス改定が予想され、良質な福祉医療の継続には大きな不安があります。このような厳しい状況でも、当院の目指すべき目標は、設立当初からの基本方針である、「地域に密着した良質な医療を高いレベルで提供する」ことです。

今年も、地域のニーズに合った急性期病棟、地域包括ケア病棟、障害者病棟のケアミックス病院としての診療体制を維持していきます。急性期病棟では、高齢者の多い地域で、透析患者さんと同様に、多くの合併症を持った患者さんが多く、内科系・外科系・画像診断医・麻酔科医などによるスピーディーなチーム医療を行います。今年4月の診療報酬改定でも、包括医療費支払い制度方式(DPC)は導入せず、開業医の先生方からのご要望や患者さんの病態にあった医療を提供していきます。また、地域包括ケア病棟ではサブアキュート・ポストアキュート・レスパイトなど地域にあった医療を提供していきます。

今後も職員全体が患者さんを主体に考え、良質な医療を提供するためにスタッフ一人ひとりが役割と責任を自覚して努力していきますので、今年一年、さらなるご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

令和二年 元旦

2020年01月01日

「地域で生きる」を支える訪問看護

~ 医療的ケアからご家族への日常生活や精神面のサポートで自宅療養を支援 ~
住み慣れた家で療養生活を送ることができるように

(この記事は2019年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

 

訪問看護ステーション「西陣」所長 加藤 小津恵

 

「長い間、大変お世話になりありがとうございました。在宅介護は考えていた以上に大変でしたが何とかやってこれたのは、皆様方に助けていただき指導していただいたお陰だと大変感謝しております。戸惑ったり不安になったりしたことも多々ありましたが、そんな時には相談にのっていただき、父の看護だけではなく母や私たちのことも気にかけ支えていただいた事がとても嬉しかったです。」

これは、在宅で最期を迎えられた利用者様のご家族からいただいたお手紙です。この方は、点滴や痰の吸引、尿の管などの医療的なケアが必要な状態の方でした。このように、医療的なケアが必要な方や障害を持つ方が、住み慣れた家で安心して過ごせるよう訪問看護師は、療養生活全般にわたって支援しています。その人、その家族が大切にされている事、想い、生活に合わせた看護の提供に努めています。本人や家族だけでの療養生活は不安になってしまうものですが、訪問看護を活用することで判断がつかない専門的なこともアドバイスを受けることができ、主治医との連携もスムーズに保つことができます。特に病院から退院した時などに利用すると、安定した生活を始めやすく、またそれを維持しやすくなると考えます。

また、訪問看護ステーション西陣では24時間、利用者様やご家族からの相談に対応しています。必要時には訪問し他機関と協働して対応することで安定した在宅療養生活へのサポートをしています。一人一人の利用者様が住み慣れた地域で医療を継続でき、安心して過ごして頂けるように、また不安なく家での看取りができるように専門的な立場で支援させて頂きます。私たちは、利用者様やご家族から学ぶ姿勢を忘れないこと、地域の多職種と協働することを大切にしています。開設し 24年が経ちますが、今後も心のこもった温かな看護を実践し、質の高い在宅ケアの提供に努めてまいります。

 

 

2019年11月01日

第10回 透析センター 避難訓練開催報告

(この記事は2019年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

透析センター
災害対策委員会

10月20日(日曜日)に、本館2階透析センターにおきまして透析患者さん対象の避難訓練を実施しました。今回で10回目となる訓練には、患者さんとそのご家族24名が参加されました。透析治療は、血液を体の外に出してダイアライザーといわれる人工腎臓により血液中の老廃物や電解質(カリウム・リンなど)や水分などを除去しますが、血液回路で機械につながれた状態となります。透析センターでは日頃から、患者さんが透析治療中にトイレ休憩をとられる際には、患者さんと機械を一時的に離脱する手技を行っております。その手技は緊急時の手技と同じにしておりますので、普段から緊急時の訓練を行っているということになります。スタッフは離脱手技を普段通り実施し、患者さんを安全に1階に避難誘導しました。

参加された患者さんからは、「経験することができてよかった」「毎年くるべきですね」などの感想がありました。安全に配慮して声かけを行いながら、参加された全員が無事に避難訓練することができました。

今年は、台風による被害が全国各地で起きています。関東では自施設で透析が行えず近隣施設で透析を受ける方もいたそうです。災害時は通常の透析が行えないことも想定し日頃から水分、塩分、カリウムの管理には十分注意するようお伝えし訓練を終了しました。

 

2019年11月01日

世界糖尿病デーイベント開催のお知らせ

(この記事は2019年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

看護部 主任
糖尿病看護認定看護師
立山 一美

 

世界糖尿病人口が増加していることを踏まえ、11月14日が「世界糖尿病デー」に制定され、糖尿病の予防、治療、療養を喚起する啓発活動を推進し、世界の有名な建築物がシンボルカラーであるブルーにライトアップされています。当院でも、今年より糖尿病のイベントを開催することになりました。糖尿病についての相談や血糖測定など、少しでも糖尿病のことについて知ってもらえる機会にしたいと内容を検討しています。ご参加をお待ちしています。

 

 

2019年09月01日

看護の日

(この記事は2019年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

「ふれあい看護体験」担当 : 科長 三輪 徳子
「ふれあい健康相談」担当 : 主任 多氣 真弓

看護の日

7月27日(土)に毎年恒例の、「ふれあい看護体験」と「ふれあい健康相談」を実施しました。

「ふれあい看護体験」には、今年は高校生3名が参加してくださいました。看護師の仕事に対して、「命を守る」という緊迫したイメージがあり、高校生のみなさんはとても緊張されていましたが、患者さんとの交流で徐々に笑顔もみられるようになりました。食事介助や保清などの生活を支える場面を見学し、患者さんとのコミュニケーションの大切さを学ぶことができたと話してくれました。

「ふれあい健康相談」では、外来受診で来られた方、またそのご家族が20名参加してくださいました。身体計測では、身長を計測する機会があまりなく、「以前より縮んだ」と言われる方が数名いらっしゃいました。皮膚・排泄ケア認定看護師は、角質水分量(皮膚のうるおい度)を測定して保湿剤の塗り方について、感染管理認定看護師は、今の季節に合わせて「食中毒」についてのお話をさせていただきました。猛暑の折、今年は経口補水液(OS-1)と熱中症対策のパンフレットを配布しました。皆様と触れ合える時間をいただき、いろいろなお話ができましたことに感謝しております。来年も多くの皆様の健康にお役に立てるような企画を考えて参ります。

2019年09月01日

TQM活動発表会報告

(この記事は2019年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

入退院支援室 科長
松山 みどり

 

3月3日(日)に西陣病院第8回TQM活動報告会がありました。TQM活動とは患者さん中心のチーム医療と病院の質向上のための活動を言います。

私達入退院支援室は2年目の新しい部署で、スタッフ4名で日々勉強しながらの業務を行なっています。
今回の発表テーマは、「広めよう介護連携の輪 ~ ケアマネジャーとのネットワークで安心した在宅生活+加算もね ~ 」と題して、私達退院支援者が担当ケアマネジャーとなかなか会えないことや加算があまり取れていないことに着目し取り組みました。
今回の活動を通して、病棟はもちろん地域医療連携室、医療社会福祉課、経営管理室、医事課など多くの部署からの協力を頂き、担当ケアマネジャーと会う回数や加算件数を順調に増やすことができました。また、ケアマネジャーの事業所へも出向いたことでコミュニケーションがスムーズになり連携がしやすくなるなど思った以上に成果を感じることが出来ました。

発表の日は、緊張しながらでしたが、パフォーマーも裏方も一つになってのパフォーマンスでした。
終わった後で「解りやすかったよ」と声をかけて頂きホッとした事を覚えています。
結果発表では優勝チームとして名前を呼ばれたときに、「えっ、本当?」という感じで大きなリアクションがとれなかったことが悔やまれます。
TQMに取り組んで本当に良かったです。

ご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました。

 

2019年05月01日

新年のごあいさつ

(この記事は2019年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院、西陣病院 院長 伊谷 賢次

西陣病院 院長 伊谷 賢次


新年明けましておめでとうございます。

皆様には、さわやかな新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。また、昨年中、当院に賜りました数々のご厚情とご支援に対しまして、職員一同心より御礼申し上げます。

昨年の師走恒例の「今年の漢字」が「災」に決まりました。昨年は大阪北部地震、北海道地震、西日本豪雨、大型台風到来、記録的な猛暑など、日本各地で起きた大規模な自然災害により、多くの人が被災されました。大規模な停電やJRなどの交通機関の運休により、医療機関も通常通りの診療ができない事態も発生しました。今後も、今までに経験したことのない異常気象も頻繁に起こることが予測され、医療機関は今まで以上に様々な災害対策の必要性を痛感した1年でした。一方、昨年のノーベル医学生理学賞を京都大学特別教授の本庶佑先生が受賞されました。本庶先生が記者会見で「この免疫療法で回復された患者さんから『助かったのはあなたのおかげです』と言われることが何よりもうれしい」と話されていました。医療人として患者さんから感謝の言葉を頂くと嬉しい限りですが、本庶先生の画期的な免疫療法が、今後さらに多くの患者さんに効果がある免疫療法へと発展することを願っています。

福祉医療においては、昨年4月診療報酬改定があり、また、今年10月に消費税増税が予定されており、病院経営にとっては厳しいものとなります。当院におきましても、良質な福祉医療の継続には大きな不安があります。このような厳しい状況でも、当院の目指すべき目標は、設立当初からの基本方針である、「地域に密着した良質な医療を高いレベルで提供する」ことです。

昨年末から、2025年高齢化社会に向けて、京都市のブロックごとに地域のニーズに合った医療体制を話し合う地域医療構想調整会議が始まりました。西陣病院は今後も開業医の先生方からのご要望や患者さんの病態にあった医療を提供していくため、急性期病棟、地域包括ケア病棟、障害者病棟のケアミックス病院としての診療体制を維持していきます。

昨年9月には3回目の電子カルテの更新及び多くのパソコン端末機を導入しました。特に、病棟看護師には一台ずつ移動型ノートパソコンを提供し、勤務時間中、できるだけ多くの時間を患者さんに寄り添った看護ができるように環境を整えました。今後も、一般急性期医療と透析医療を車の両輪と考え、2次医療圏で小回りの利くチーム医療を地域にアピールしながら全人的医療を行っていきます。

今後も職員全体が患者さんを主体に考え、良質な医療を提供するためにスタッフ一人ひとりが役割と責任を自覚して努力していきますので、今年一年、さらなるご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

平成三十一年 元旦

 

 

2019年01月01日

あけましておめでとうございます

(この記事は2019年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

 

麻酔科 部長
中川 博美

皆様にはお健やかに平成最後の新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。平素から近隣の先生方の温かいご支援、各診療科間の綿密な連携、また、コメディカルの協力によるチーム医療に支えられ、安全に麻酔と周術期管理ができましたこと、皆様方のおかげと深く感謝申し上げます。

西陣病院に赴任して22年目を迎え、麻酔科管理症例はのべ13,000件を超えました。当初は年間300件前後、平均年齢62歳、80歳以上は13%でしたが、近年は年間850~900余件と3倍増、平均年齢は70歳に上昇、80歳以上が30%を超え、麻酔を受ける皆様も着実に高齢化してきました。この間、麻酔分野も大きく変化し、麻酔がどのように周術期の転帰に影響を与えるのか、麻酔学の驚くべき可能性に気づかされます。当院でも麻酔科外来を開設し、禁煙指導、内科的治療依頼と周術期口腔機能管理の医科歯科連携、術前経口補水療法、また、虚弱(フレイル)高齢者の手術予後調査などに積極的に取り組み、周術期の危機的合併症を回避するとともに、術前から手術室を拠点とした周術期の集学的アプローチで術後転帰を改善できるようになりました。

人生100年時代、皆様とともにますます元気に過ごせるよう今後も麻酔科領域でも力を尽くして参りたいと存じます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 

2019年01月01日

新年のご挨拶

(この記事は2019年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

 

内科 部長
中森 診

循環器内科は、高血圧、虚血性心疾患、心不全、不整脈などの循環器疾患を有する患者さんの診療を担当する科で、現在医師4名で救急医療を含めた様々な循環器疾患を診療しています。高血圧,糖尿病,脂質異常症など生活習慣病を治療されている患者さんの増加と高齢化によって近年循環器疾患の患者さんが増加しています。

急性心筋梗塞や急性心不全などの救急治療をはじめとして、経皮的冠動脈ステント留置術(冠血管をバルーンカテーテルで拡げ、ステンレス製の網状の筒を血管内に植え込み血流を十分に確保する方法)や徐脈性不整脈に対するペースメーカー移植術,末梢動脈疾患(足や手の動脈が動脈硬化によって狭くなったり詰まったりして血液の流れが悪くなることでさまざまな症状をひき起こす病気)に対する末梢動脈血管形成術などの診療を行っています。

我々が目指す循環器医療の目標は、「患者さんのために全力を尽くす」ことです。循環器室での検査・治療は医師だけでは行うことができませんので、看護師,臨床工学技士,診療放射線技師とともに力を合わせ、チームワークを大切に、地域の住民の皆様のために質の高い安全・安心な最善の医療を提供すべく、患者さんに信頼される循環器内科を目指してスタッフ全員が一丸となってがんばっていますので、循環器内科にどうぞお気軽にご相談ください。

 

2019年01月01日