西陣だより

新年のごあいさつ

(この記事は2026年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院 院長 葛西 恭一


 新年あけましておめでとうございます。

皆様には、さわやかな新春をお迎えのことと心よりお喜び申し上げます。皆様のご協力・ご支援により無事に新しい年を迎えることができました。職員一同より皆様への感謝を申しあげますとともに、新しい年が皆様にとって素晴らしい年となりますよう祈念いたします。

 2040年に向けて、日本の医療は大きな転換点を迎えます。まず急速に高齢化が進み、75歳以上の人口が増えることで慢性疾患や複合的な病態を抱える患者さんが増加し、医療需要はますます拡大します。一方で医師・看護師をはじめとした医療従事者の不足は深刻で、都市と地方の偏在も解消されないまま、地域医療の崩壊が懸念されます。さらに医療技術の進歩は目覚ましく、AIやゲノム医療が臨床に広がる一方、その恩恵をすべての患者さんに公平に届けるための制度や倫理的な枠組みは十分とは言えません。こうした課題に対し、病院と地域の診療所が役割を分端し、患者さん一人ひとりの生活に寄り添った医療を提供する連携の強化が求められます。私たちは、地域の健康を支える医療の拠点として、持続可能な体制づくりに取り組み続けます。
   2026年度は2年ぶりの診療報酬改定が実施されます。今回の診療報酬改定では、地域包括ケアの推進と医療資源の最適配分が重要な柱となる見通しです。具体的な改定内容は今後発表されますが、当院の基本方針である「地域に密着した良質な医療を提供する」という目標は変わりません。一般診療と透析診療を中心に大病院に引けをとらない高いレベルの医療を提供するとともに、急性期病棟、回復期病棟、慢性期病棟を有する当院の特徴を生かし、患者さん個々の療養状況に応じた治し支える医療ときめ細かい福祉支援を提供してまいります。当院は地域に根差した病院として中心的な役割を果たし、患者さんや開業医の先生方との繋がりを大切にすることで地域に愛される病院となるよう引き続き努力してまいりますのでよろしくお願いいたします。

 

2026年01月01日