(この記事は2026年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

春の訪れを祝う「ぼたもち」
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、春のお彼岸は厳しい冬が明け、生命が芽吹く季節の変わり目です。この時期、私たちは先祖を供養し、自然の恵みに感謝を捧げる大切な節目を迎えます。お彼岸の定番といえば「ぼたもち」ですが、なぜ春は「ぼたもち」と呼ばれ、秋は「おはぎ」と呼ばれるのでしょうか。
春のお彼岸の主役である「ぼたもち」は、春に咲く牡丹の花に見立ててその名がつきました。材料となる小豆の赤色には魔除けの力があるとされ、ご先祖様へのお供えとして定着したのです。春のぼたもちは、冬を越して皮が硬くなった小豆を使うため、皮を除いたこしあんで包むのが伝統的なスタイルとされています。また、お彼岸の献立は精進料理が基本です。肉や魚を避け、山菜の天ぷらや、春の香りが広がる酢の物、具だくさんのけんちん汁などが食卓を彩ります。旬の食材を取り入れることは、体を目覚めさせる養生にも繋がります。大切な人を想いながら、丁寧に作られた季節の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。
