西陣病院だより

シミのレーザー治療について

(この記事は2021年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

皮膚科部長
坂元 花景


 
 人生いろいろ、シミもいろいろ、治療だっていろいろ。誰もが気になるシミですが、種類は複数あり、混在していることもよくあります。治療法も複数ありますが、シミの種類によって最適の方法が異なります。今回は、当院で行っているレーザー照射によるシミの治療についてご説明させていただきます。

シミのレーザー治療について

 一口にシミと言っても、種類はさまざま。20代までのシミは、雀卵斑(そばかす)やADM(後天性真皮メラノサイトーシス)が多いですが、30歳代で多いのは肝斑、50歳以降では脂漏性角化症(老人性色素班)が多くなります。それ以外にも、炎症後色素沈着やあざ(太田母斑、異所性蒙古斑)などもシミと呼ばれることもあり、これらが混ざっていることも珍しくありません。
 シミの治療には、薬の外用や内服、レーザー照射や手術など、さまざまな方法があり、健康保険の適用があるものとないものがあります。その中にレーザーを用いた治療がありますが、レーザーにもさまざまな機種があります。当院にあるレーザーは、Qスイッチルビーレーザーという、メラニン色素への吸収率がとても高い機種です。瞬間的に高いパワーのレーザー光を発して、皮膚のメラニン色素を破壊します。基本的に保険適用外にはなりますが、今までも自費診療で多くの方に治療を受けていただいております。適用となったシミの種類は、脂漏性角化症とADMがほとんどです。
 レーザーは比較的皮膚に負担をかける治療なため、そのダメージを患者様自身がしっかりと理解し、適切なアフターケアをすることが最も大切です。治療前も治療後も紫外線対策をしっかりと行い、患部は治療後は肌色の保護テープを貼ったままで、約2週間程度過ごしていただく必要があります。
 レーザー照射時にはパチンと輪ゴムで軽くはじかれた程度の痛みがあり、照射した皮膚は白くなります。患部が赤く腫れたり、水疱ができることもあります。その後かさぶたとなり、平均7~10日間でかさぶたが剥がれます。かさぶたの下にはピンク色の新しい薄い皮膚が完成しており、3カ月程度で周囲の皮膚となじみます。この時、炎症後色素沈着(戻りしみ)が起こることがありますが、半年~1年程度で自然に薄くなります。治療後半年くらいは、皮膚が完全な状態ではないため、日焼けしたり、強く擦ったりすることのないよう、十分に注意をしてください。一般的なシミの場合、ほとんどの症例で1~2回の照射でかなり目立たなくなりますが、同じ部位に再発することも残念ながらあります。
 前述のように、シミの種類によって最適の治療方法が異なります。おもちの疾患や、シミの種類や場所によっては治療ができないことがありますので、治療をご希望の方は、月火木金の午前中の皮膚科外来をまず受診の上、医師にご相談ください。料金はシミの大きさで決まります。治療は基本的に木曜午後の予約診療で行っております。詳細については別途お問い合わせください。

< 照射前 >

  

< 照射10ヶ月後 >

 

2021年09月01日

足の水虫について

(この記事は2018年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


皮膚科 部長 坂元 花景

足の水虫は、カビの一種(白癬菌)が皮膚に感染して起こる病気です。水虫は自然治癒は期待できませんので、抗真菌剤の外用や内服でしっかり治しましょう。

 

 

水虫は春から夏にかけて増え、冬には減ります。長時間の革靴や長靴の着用や、プールや銭湯の利用がリスクを高めます。足の指の間や裏がふやけたり、皮がむけたり、爪が分厚く濁ったりするのが主な症状で、痒いと思われていますが、痒みを伴うのは約1割に過ぎません。ただし、こうした症状がすべて水虫なわけではありません。皮膚科では、病変部の皮膚を採取し、顕微鏡で白癬菌を確認して診断します。同じような症状の病気は他にもあるため、診断を受けることは大事です。

足の水虫

足の水虫を治すには、足の指の間から裏全体に、1日1回、最低1ヶ月は薬を塗ります。症状が消えても2ヶ月は外用を続けましょう。塗る前に足を洗うことも大事です。お風呂だけではきれいにならないので、歯を磨くのと同様「あえて洗う」という意識を持ちましょう。白癬菌はスリッパやバスマットによくいるので、うつし合わないように注意も必要です。一方、爪の水虫は外用薬では治療が難しく、爪が生え変わるまで1年半程度、毎日塗る必要があります。抗真菌剤を内服することで約半年で治療が可能ですが、まれに肝臓をいためることがあり、定期的な血液検査が必要な場合もあります。外用、内服のどちらを選ぶかは、年齢や他の病気にもよりますので、ご相談下さい。水虫の病変から細菌が侵入し、感染症や潰瘍を引き起こすこともあるので、たかが水虫と放置せず、早めの治療をお勧めします。特に糖尿病や透析の患者さんは壊疽に結びつく可能性が高いため、積極的に治療を受けた方がよいでしょう。

 

 

2018年11月01日