西陣病院だより

新型コロナウイルス感染症とは

(この記事は2020年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

院内感染予防委員
伊藤 良子


2019年12月末より中国で原因不明の肺炎患者が相次いで確認され、新型コロナウイルス感染症は中国のみならず世界に拡散しました。日本では、2020年1月16日に第1例が発生しています。 2月1日に「新型コロナウイルス感染症」が感染症法の2類指定感染症に指定されました。2月11日、WHO(世界保健機関:World Health Organization)は新型コロナウイルス感染症の正式名称を「COVID-19」と発表しました。9月26日現在、世界における感染者数は3,258万人、死者98万人、 日本では感染者数8万人、死者1,540人となっています。未だ感染は全国で認めています。

新型コロナウイルスとは…

重度な肺炎などを引き起こす新型コロナウイルスは、SARS(サーズ)やMERS(マーズ)と同じコロナウイルスの仲間です。コロナウイルスは、ヒトや動物の間で広く感染症 を引き起こすウイルスですが、今回のウイルスは既知のウイルスと一致しない新型のコロナウイルスでした。ヒトに感染するコロナウイルスは、すでに6種類が知られています。そのうち、4種類は一般的な風邪の原因となるウイルスで、ヒトに日常的に感染し、風邪の原因の10~15%(流行期は35%)占めると言われています。新型コロナウイルスに感染した場合の症状と経過は下記の通りです。

どうやって感染するの?

新型コロナウイルス感染症がどのように感染するのかについては、現時点では、飛沫感染(ひまつかんせん)と接触感染の2つが考えられます。

(1)飛沫感染

感染者のくしゃみや咳、つばなどの飛沫と一緒にウイルスが放出別の人がそのウイルスを口や鼻から吸い込み感染
※主な感染場所:会食や学校や劇場、満員電車などの人が多く集まる場所

(2)接触感染

感染者がくしゃみや咳を手で押さえるその手で周りの物に触れて、ウイルスが付く、別の人がその物に触ってウイルスが手に付着、その手で口や鼻を触って粘膜から感染
※主な感染場所:電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチなど

一人ひとりができる新型コロナウイルス感染症対策は?

新型コロナウイルスに感染しないようにするために
過剰に心配することなく、「手洗い」や「マスクの着用」を含む「咳エチケット」「社会的距離をとる」などの感染症対策が重要です。

(1)手洗い
ドアノブや電車のつり革など様々なものに触れることにより、自分の手にもウイルスが付着している可能性があります。外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手を洗います。

(2)正しいマスクの着用

(3)社会的距離
社会的距離は、家庭の外でほかの人々との距離を保つことである。そのためには、「ほかの人々から少なくとも 2メートル(最低1メートル)を空ける」「集団で集まらない」「込み入ったところから離れ、大きな集まりを避ける」事が重要です。

当院での感染対策

当院では、外来待合室の椅子間引き・体温測定、発熱者の隔離診察を実施しています。発熱がある場合や新型コロナウイルスに罹っているかもしれないと思われる方は、受診前に、まず電話での問い合わせをお願いします。西陣病院は、指定医療機関ではありませんので、新型コロナウイルス陽性患者様の入院は受け入れしていません。院内での感染対策としては、 外部からのウイルス持ち込み防止のため「面会禁止」 とさせて頂いております。新型コロナウイルスは無症状の場合や感染経路不明の場合もあり、ご協力の程宜しくお願いします。また、対面での会話により飛沫が飛ばないよう、職員食堂や透析患者さんの食事する場のレイアウトを変更しました。

これから、インフルエンザ流行時期ともなりますので体調管理に充分注意して、この冬を乗り切りましょう。

2020年11月01日