(この記事は2025年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

7月の京都といえば、祇園祭りが賑わいを見せます。祇園祭は、日本の三大祭りのひとつ(ほかは東京・神田祭と大阪・天神祭)で別名「鱧祭り」とも呼ばれます。脂がのっていて、1年を通じてもっともおいしい鱧の時期と祇園祭の時期が一致していたため、おもてなし料理として振る舞われたようです。
当院では、入院患者さんに四季折々の旬の食材を味わっていただけるように、毎月1回季節や行事に合わせた食事提供を行っています。7月は祇園祭に因んで、鱧の白焼きを使用した鱧寿司です。鱧にはどんな栄養があるのか見ていきましょう。
鱧は脂質が少なく、良質なたんぱく質やビタミンAを多く含むため、夏バテや疲労回復、免疫機能向上への効果が期待できます。皮の部分には、コンドロイチンやコラーゲンなどの皮膚の老化を予防したり、骨にも良い栄養が豊富です。
また、細かい骨が多数存在する鱧は美味しく食べるために「骨切り」をします。一寸(3.3cm)あたり24回包丁を入れ、骨を断ちながら皮と身の間で包丁を止めるように処理が施されるというまさに職人技。骨をそのまま食べることができ、カルシウムをしっかり摂れるため骨粗鬆症予防にもおすすめの食品です。