西陣だより

ステロイドの塗り薬について

(この記事は2024年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部  薬剤師  木村 梨乃

 病院や薬局で、普段の喫煙や飲酒の状況を確認された覚えはありませんか?それ自体が身体に影響を与えることに加えて、薬の効果に影響が出る場合があります。いくつか例をご紹介します。

< お酒と薬 >

 薬をお酒と一緒に服用することは避ける、または、十分な時間を空けて服用しましょう。薬と一緒にお酒を飲むと、薬の効果が強まったり副作用が出やすくなったりする可能性があります。また、特に慢性的に飲酒をしている方では、薬を代謝する体内の酵素の働きが強まることで、一部の薬の効果が弱まる可能性もあります。
一般的には以下のようなことが予想されます。

睡眠導入剤、抗不安薬、抗うつ薬 … 眠気、ふらつきが強くなる
糖尿病薬 … 低血糖状態になりやすい
抗凝固薬 … 出血しやすくなる
利尿薬 … 血圧が下がりやすく、めまいを起こす
解熱鎮痛薬(アスピリン含)… 胃が荒れやすくなる
解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン含)… 肝機能障害を起こす

※ お酒の取りすぎには気を付けましょう!


< タバコと薬 >

 タバコの煙に含まれる化学物質により、一部の薬を代謝する酵素の働きが強まり、薬の効果を弱めてしまう可能性があります。例としてアセトアミノフェン、テオフィリン、ラサギリン、オランザピン、チザニジン、エルロチニブなどが挙げられます。また、インスリン治療をしている方では、インスリンの効果が弱まり、必要量が多くなる可能性があります。その他、女性ホルモン剤を服用している方で喫煙されていると、血栓症のリスクが高まる報告があります。
 薬の服用面や、身体の健康面からも禁煙を始めてみてはいかがでしょうか。これらは一部の例ですので、詳しいことが気になる方は薬局や薬剤師に相談することをお勧めします。喫煙・飲酒状況、服用している薬によって、影響は様々です。薬を自己判断で調節することは避け、医療機関に普段の喫煙、飲酒のしっかりお伝えいただくようお願いします。

 

2024年05月01日