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ヘルニア外来

受付時間 火・水・木曜日 13:30~15:30

ヘルニア外来について

ソケイヘルニアは脱腸ともいわれ、腹壁の弱くなっている部分を通って腹膜が袋状に飛び出し、その中に本来お腹の中にある腸などの臓器が脱出することによっておこります。ソケイとは、太ももの付け根のことで、腹圧の上昇や年齢の影響によりソケイ部の筋膜が緩み、腹膜が飛び出してヘルニアとなります。
初期のころは、自覚症状はほとんどなく、立っている状態やお腹に力を入れた時だけ膨らみ、押さえると戻ります。しかし、放っておくと常に膨らんだ状態となり、次第に押さえても戻りにくくなります。さらにひどくなると、飛び出した腸が嵌まり込んで戻らなくなり、いわゆる“嵌頓(かんとん)”という状態になります。この場合、飛び出した腸が太ももの付け根で締め付けられ、激痛や腸閉塞による嘔気、嘔吐などの症状が出現し、腸が戻らなければ緊急手術が必要となります。
ヘルニアは自然に治ることはなく、手術が唯一の根本的な治療法です。手術では、弱くなった筋膜の部分に、メッシュといわれる人工膜を使用して補強をします。
ヘルニアの手術は、短期入院(2〜3日)が標準ですが、日帰り入院手術もヘルニアの状態やご希望に応じて行っております。
当院での日帰り手術は、手術後に入院患者さんと同じ病棟のベッドで休んでいただき、担当医師や看護師が数時間、病状の回復をしっかり確認しています。万が一、手術後の回復が遅れた場合でもそのまま入院を継続する事が可能であり、安心して手術を受けていただけます。
当院で行っている手術方法には、腹腔鏡下ソケイヘルニア手術(TAPP法)と従来から行われているソケイ部切開法による手術があります。
当院では、2011年に腹腔鏡下手術を導入後、年々実施件数も増加し、現在では約6〜7割の患者さんに行っていますが、再発率も低く、手術後の疼痛も軽度で傷口も目立たないため、手術を受けられた患者さんの満足度も非常に高い手術方法です。
手術方法は、患者さんのご希望やヘルニアの状態、併存疾患の有無などによって選択しますが、どちらの手術方法でもメッシュで弱くなった筋膜を補強する方法は同じですので、より安全で確実な方法を、患者さんのご希望も考慮しながら決めています。
また、ソケイヘルニアだけでなく、過去に行った手術の傷口が弱くなって腸の一部が脱出する“腹壁瘢痕ヘルニア”に対しても、腹腔鏡下手術を積極的に行っています。

詳しくは下記の「西陣病院だより」のリンクページをご参照ください。

西陣病院、グラフ

病院広報誌より

西陣病院の広報誌、「西陣病院だより」に掲載しました外科医師の記事を紹介いたしております。