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腹膜透析について

腹膜透析とは、腹膜(内部臓器の動きを滑らかにし保護する生体膜)と腹腔(臓器内の隙間)を使って体内で透析を行うもので、腹腔内に埋め込まれたカテーテルを通して透析液を腹腔内に貯留します。

貯留している間に血液中の過剰な水分や老廃物が、腹膜を通して透析液に移動しカテーテルを通して体から排出します。この操作をバッグ交換といい、体格や個々の体調に応じて1~2Lの透析液を1日1~5回、患者さん自身か介助者の方が自宅で行う治療です。この液の出し入れを、寝ている間に機械を使って自動で行う方法もあります。週に2~3回しか治療しない血液透析に比べると、24 時間連続的に体内で透析をしているので体に負担が少なく、高齢者にも向いているといわれています。

また残存腎機能(尿)が比較的長く保持されることや、カリウムの制限が緩和されることも長所としてあげられます。しかし、腹膜は生体膜のため、現在の医学では5~8年くらいが継続の限界といわれています。

腹膜透析外来は、隔週・完全予約制で患者さん一人ひとりの在宅治療の様子や、カテーテル挿入部(出口部)のケアを行っています。現在当院では十数名の患者さんがおられ、腹膜透析外来の待合は、患者さん同士の情報交換の場としてとて も和やかな雰囲気です。

腹膜透析の特徴

  • 体内の腹膜を利用して血液を浄化します。
  • カテーテル留置が必要です。
  • 24時間連続で透析を行います。身体に負担が少ないです。
  • 家庭や職場など、社会生活の中で、患者さん自身もしくは家族の方が行います。

西陣病院、イラスト

血液透析と腹膜透析のどちらの治療法が良いのですか?

どちらが良いとかではなく、自分の生活スタイルにあった透析法を選ぶことが大切です。 通院の難しい方や仕事が忙しい方など、腹膜透析を選ばれるようです。 場合によっては、血液透析と腹膜透析を併用される場合もありますね。

腹膜透析の利点は?

残存する腎臓の働きが保持されやすく、疲労感が少ないです。 また穿刺をしなくてもすみますし、血液透析と比較すると通院回数が減り食事制限が緩やかですね。

腹膜透析外来のご案内

腹膜透析を実施されている患者さんは、2週間に1回程度、診察のために病院に来ていただき、採血や各種検査を実施し、腹膜透析がうまく行えているかを診察します。