患者さんへ

難治性下肢潰瘍を有する患者に対するレオカーナ使用の有用性を検討した症例  応用研究

~西陣病院で透析を受けておられる患者さん・ご家族の皆様へ~
「難治性下肢潰瘍を有する患者に対するレオカーナ使用の有用性を検討した症例応用研究」へのご協力のお願い

 

今回、西陣病院は、難治性下肢潰瘍を有する患者に対するレオカーナ使用の有用性を検討した症例 応用研究を実施いたします。そのため難治性下肢潰瘍を形成されている患者様へレオカーナを用い、潰瘍経過の観察、生化学検査、生理検査、治療中のバイタルサインの観察をさせて頂きたいと考えています。

研究の目的

難治性の下肢潰瘍を有する患者さん、特に透析患者さんの下肢潰瘍治癒までの期間は非常に長期であり、その間の経過とその予後も含めて不良であることが知られています。今回研究に用いさせて頂く血液吸着器レオカーナは、動脈硬化や血管狭窄の原因となりうるLDLコレステロールやフィブリノーゲンを選択的に吸着することが出来る医療材料であり、治験結果からも潰瘍治癒や末梢血流改善効果が確認されています。難治性の下肢潰瘍を患う患者様に対する新たな治療法の一つとして確立させるため、治療データを集積していくこと目的としています。

治療について

レオカーナは血液浄化療法の血液吸着療法に分類されます。血液吸着療法とは体から取り出した血液を吸着器へ通すことで、病気の原因となる物質を吸着して処理した血液を再度体内へと戻す治療法です。

治療には血液アクセス部位が必要となります。透析患者さんはシャントがあり、透析と同様に穿刺を行ないます。透析患者さんでない方は、アクセス部位確保のためカテーテルを挿入して治療を行ないます。潰瘍治癒が確認された時点で治療終了となり、治療1クールは3か月間で最大24回となります。通常は週2回レオカーナを使用し、2時間の治療を行ないますが、週2回の治療を希望されない方は週1回など、患者さんに合わせた治療の調整も可能です。

研究の方法について

2回レオカーナを用いた吸着療法を2時間行い、その治療期間中に①~③を実施させて頂ききたいと考えています。

①創部観察
潰瘍の大きさや深さ、炎症の兆候などを写真に記録しその経過を時系列的に観察します。

②生化学検査
以下の検査項目をレオカーナ初回、5回ごと、最終回の治療前後で採取します。
(LDLコレステロール、HDLコレステロール、フィブリノーゲン、CRP)

③生理検査 
以下の検査をレオカーナ開始前、10回ごと、治療終了後に実施します。
(ABI/TBI、皮膚灌流圧測定(SPP))

①~③の結果を抽出します。抽出された情報は、個人情報を消去し匿名化されます。

対象となる患者様について

2022年(令和4年)41日以前または以降より西陣病院で診療または透析を受けておられる方のうち、難治性の下肢潰瘍を形成されている方

資料の管理について

情報は全て匿名化され、個人が特定されることはありません。また、研究発表が公表される場合でも個人が特定されることはありません。研究計画及び研究の方法に関する資料を入手又は閲覧することは可能です。ご希望の方は下記の連絡先までご連絡下さい。

対象となる患者さんには治療の説明を実施し、口頭で同意を得られた場合に実施させて頂きます。また説明に同意して治療を受けたが、ご自分、あるいはご家族の情報を本研究に登録したくない場合、令和41231日までに下記の連絡先までご連絡下さい。なお上記までに申し出がなかった場合には、参加を了承して頂いたものとさせて頂きます。

本研究は、西陣病院倫理審査委員会において、適切な研究であると承認されています。
この研究計画についてご質問がある場合は下記までご連絡ください。

 

連絡先

西陣病院 臨床工学科 本荘 龍一

電話:075-461-8800

研究責任者:西陣病院 臨床工学科 科長 松田 英樹