受付時間 水曜日 16:30~19:00
■外科 副部長 髙木 剛
低侵襲手術外来(からだへの負担が少ない手術)を毎週水曜日〈午後5時~7時〉に新設させて頂きました。
従来の開腹手術(おなかを大きく開ける手術)と比較して、胃カメラのような細いカメラを用いて行う腹腔鏡での手術は低侵襲手術といわれるようになりました。その理由には、勿論おなかへのキズが小さくなったことにありますが、腹腔鏡といった高精度の"眼"で手術を行うため、小さな血管からの出血も見逃さず出血量を抑え、大切な神経を残すことも可能となりました。また癒着が減ることで腸閉塞がおこる頻度も減少するといった術後合併症の軽減にもあります。
その腹腔鏡手術を更に極めた"Reduced port surgery"に数年前から取り組んでいます。Reduced port surgeryとは、腹腔鏡や鉗子(かんし)をおなかに挿入するためには数ヶ所の孔(あな)をからだに設けなければなりませんが、その孔や臓器を取り出す切開創を可能な限り少なくかつ小さくする手術のことであります。
この概念の究極が単孔式腹腔鏡下手術であります。キズを臍(へそ)の中におさめることで、術後のキズ痕がほとんどわからなくなります。胆嚢疾患(胆嚢炎・胆石・胆嚢ポリープ)、虫垂炎、鼡径ヘルニアといった良性疾患が最も適した対象疾患となります。また胃腫瘍や大腸腫瘍などの悪性疾患でもReduced port surgeryで行うことで、以前より小さくかつ少ない切開で行うことが可能です。
この治療についてのご相談、ご希望がございましたら、当外来にて詳しくご説明させて頂きます。そのうえで必要な場合には、単孔式腹腔鏡手術をはじめとした低侵襲手術をご提供させて頂きたいと考えております。
当院では2009年から単孔式手術を導入。2010年に株式会社八光(本社:長野)と単孔式手術器具(E・Zアクセスポート)を共同開発し、現在それを用いて確立した単孔式腹腔鏡下手術を行っております。また単孔式内視鏡手術研究会の役員(世話人)として活動しておりますが、われわれのオリジナル単孔式手術を国内外の学会・研究会で広く発表することで、現在消化器外科のみならず婦人科・泌尿器科・小児外科といった幅広くかつ数多くの施設でこのオリジナル手法を取り入れて頂いております。
経済性と手技の安定性を兼ね備えたわれわれオリジナルの単孔式腹腔鏡下手術(胆嚢摘出術)をご紹介します。
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