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心臓超音波検査の紹介

(この記事は2008年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

臨床工学検査科 主任 光岡敏明

 心臓超音波検査とは人の耳には聞こえない高い周波数の音(2.5~10MHz)を利用した検査法で、体表面から心臓の動きや、大きさ、血液の流れを描出、計測することにより客観的な心機能評価が出来る検査です。通常、心エコーと言われています、検査に用いられている超音波は安全で痛みも無く、副作用もないので繰り返し検査が可能です。

検査の目的
心臓はポンプの役割をしている臓器で、全身に血液を送っている左心房、左心室、肺に血液を送っている右心房、右心室の4つの部屋と逆流を防ぐ4つの弁(大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、肺動脈弁)から成り立っています。これらの形や大きさ、機能が保たれているか、異常血流が無いかを観察する事により、種々の心臓病(心臓弁膜症、先天性心疾患、心筋梗塞、心不全、等)の診断や重症度の評価、経過観察、治療方針、治療効果の判定など幅広い目的で検査を行います。また、手軽に検査が行えるため検診やドック等の循環器疾患のスクリーニング検査としても有用です。

お体に当てる筒状のもの
プローブ(超音波を送受信する部分)と呼んでいます。超音波検査では検査部位や用途に応じてこのプローブを使い分ける必要があります。超音波の周波数が高ければ分解能の良い画像が得られますが、超音波の減衰も大きくプローブから遠い部分の画像が不鮮明になります。心エコーの場合は2.5~5MHzのセクタ型というプローブを使用します。セクタ型プローブは浅部の視野は狭いのですが、深部にいくにしたがい扇状に広がり肋間から心臓を観察するのに適しています。また心臓の動きをリアルタイムに観察することが出来ます。

検査方法
検査時は大きく胸をだして仰向けか左側臥位になっていただきます。手と足に心電図の電極も付けさせていただきます。超音波の通りを良くするため、胸の一部に検査用のジェルを塗り、部屋はやや暗くして検査を行います。

検査時間
1人15分~30分程です。心疾患により計測や観察するところが沢山ある場合や、肥満、やせすぎ、肺疾患等で心臓が見えにくい場合では更に時間がかかることがあります。

心臓超音波検査を受けられる患者様へ(生理検査室より)心臓超音波検査
● 検査による痛みはありませんが、プローブを胸に強く押し当てた時に痛みを感じることがありましたら、検査担当者にお伝え下さい。
● 検査は胸を大きく出してもらいますので身軽な服装でご来院下さい。
● 腰痛等で長時間横向きの姿勢がとりにくい方、検査中に気分が悪くなられた方、トイレに行きたい、寒い等があれば検査担当者にお伝えください。
● 検査結果の説明は原則として行いません。検査結果の説明は担当医よりお聞き下さい。

| Copyright 2008,09,01, Monday 09:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

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