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最新の骨密度装置を導入しました

(この記事は2018年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


山川先生 画像診断センター長
 放射線科 部長 
 山川 稔隆

 新たに導入した骨密度測定装置(米国・HOLOGIC社製Horizon)は、マルチスライスCTに採用されるセラミックディテクターと高周波X線管球を採用し、体厚のある患者さんの画像もより鮮明に撮影できるようになっています。また計測時間も大幅に短縮され、患者さんの負担も低減されます。

 骨密度計測で得られたデータから、骨の微細構造を解析し骨質評価を行う腰椎海綿骨スコア(trabecular bone score:TBS)というアプリケーションソフトを、京都府下では初めて導入し、より信頼性の高いデータをご提供できると考えております。このTBSは、骨強度の決定要因の一つである骨微細構造の簡便な評価法として期待され、骨粗鬆症性椎体骨折のリスク評価において有用性が示唆されています。


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認知症とMRI

(この記事は2011年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


山川先生 放射線科 部長 山川 稔隆

 高齢化に伴い、認知症を持つ患者数が増加し、大きな社会問題となっています。認知症はいくつかの病気が原因となって発症する病気ですが、その最も多い原因がアルツハイマー病です。

 アルツハイマー病は大脳の皮質に異常なタンパク質が溜まり、神経細胞が死滅し、脳が徐々に萎縮して発症します。現在、アルツハイマー病を完治させる薬はありませんが、症状の進行を遅らせる薬(アリセプト)があり、効果が期待されています。アルツハイマー病の診断は専門医による問診と、MRIなどにより脳の萎縮を見て判断します。アルツハイマー病の脳萎縮は、側頭葉の海馬(正確には海馬傍回)と呼ばれる場所から萎縮が始まり、徐々に側頭葉→前頭葉と萎縮が広がっていきます。治療効果を高めるには、早期の段階で診断し、内服治療を早く始めることが大切です。アルツハイマー病の早期では、海馬傍回の萎縮も軽いため、MRIの画像から肉眼で海馬傍回の萎縮の程度を判断するのは困難です。この海馬傍回萎縮の判定をコンピュータで行うのがVSRAD(ブイエスラド)です(図1)。

 VSRADは患者様の脳の画像を、正常者の脳の画像の平均と比較し、統計学的な解析を行い、きわめて正確に海馬傍回の萎縮の度合いを数値化してくれます。この数値が2.0以上の場合、アルツハイマー病の可能性が高いといえます。VSRADは造影剤を使用しませんので、造影剤アレルギーや副作用の心配もありません。通常のMRIと同じように検査を受けていただけます。ただ、先ほども述べましたように、アルツハイマー病の診断は画像だけで判定はせず、専門医による問診や診察で総合的に判定されますので、VSRADの数値のみで即断されることの無いようにお願いいたします。


認知症とMRI_図1認知症とMRI_図2
図1図2

 認知症の2大原因はアルツハイマー病と脳血管性認知症(多発脳梗塞による認知症)で、これらは完治が難しい認知症なのですが、治療可能な認知症もあり、その代表が慢性硬膜下血腫と正常圧水頭症です。

 慢性硬膜下血腫(図2)は高齢者が頭をどこかにぶつけて(軽い外傷のことが多く、本人も気づかないほどです)、脳の表面の血管がわずかに傷ついて、脳と頭蓋骨との間にゆっくりと血腫が溜まっていき、脳を圧迫する病気です。認知症や半身麻痺などの症状が徐々に進行していきます。頭蓋骨に小さな穴をあけて血腫を吸い出すと、症状が劇的に改善します。

 正常圧水頭症は、高齢のためや、くも膜下出血や頭部外傷などの後遺症のため、髄液の吸収が悪くなり、脳の中の脳室に髄液が溜まって脳室が拡張し、認知症・歩行障害・尿失禁などの症状をきたしますが、シャント手術を行い、溜まった髄液をうまく逃がしてやることで、症状は改善します。慢性硬膜下血腫にしても正常圧水頭症にしてもMRIで簡単にわかります。

 西陣病院画像診断センターではVSRADを含めた頭部MRI検査を行っております。西陣病院にかかっておられる患者様だけでなく、近隣の診療所に通院されていらっしゃる患者様も、主治医のご依頼があれば当院の画像診断センターでMRI検査を受けていただけます。お心当たりのある症状をお持ちの患者様は主治医の先生とご相談ください。


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的確な画像情報の提供に努めます

(この記事は2011年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


画像診断センター 所長  谷池 圭子

 平成18年9月に、放射線科は新本館地下1階に移転し、腹部超音波室も含めて画像診断センターと呼称を改めました。移転時に導入した64列マルチスライスCT、1.5TMRI、PACS(Picture Archival Communication System)については、活用していく中で、その利点ばかりでなく限界も理解し、診療を支えるべく画像情報を提供してまいりました。その結果、院内ばかりでなく、院外からも多くの検査依頼を頂くことができました。平成22年には、京都府立医科大学と協同し、研究目的の脳アミロイドイメージングPET検査を始めることができ、PET検査が保険適応となる20年近く前から、PET検査を臨床や研究に用いてきた当院の伝統を守ることが出来ました。

 今後も、的確な画像情報を提供できるよう、また患者様には安心して検査や治療を受けていただけるよう、職員一同努めてまいります。

 本年もよろしくお願い申し上げます。

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地域医療連携としての画像診断センター

(この記事は2009年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


放射線科 科長 堀井均


平成18年9月、本館地下1階新築部分に64列マルチスライスCTおよび1.5テスラMR装置など最新の画像診断機器を新規導入し、同時に一般撮影装置・X-TV装置・骨密度装置も更新し、画像診断センターとしてオープンいたしました。また、各画像診断装置で得られた画像はネットワークを介して診断用コンピュータに転送することで、過去画像との比較が容易に行えるようになり、より的確な診断が可能となりました。画像と同様に診断レポートも院内配信にて閲覧でき、迅速・的確な治療方針の決定に寄与しています。

平成20年4月にはフラットパネルディテクタ搭載血管撮影装置を更新したことによって、より高画質な画像を提供することで診断および治療に大きく貢献しています。また、この装置の導入により検査を受ける皆さまの被ばく線量の低減も可能となりました。

「地域に密着した良質な医療を提供します。」という西陣病院基本方針をもとに、当院画像診断センターとしては地域の医療機関より検査依頼があった場合、迅速・丁寧な受付対応、的確な検査方法の選択、最新画像診断機器による良質な検査と被ばく低減に心掛けた検査の実施、実施後には迅速に画像をお渡しできる体制をとっています。また、診断レポートは常勤の放射線専門医師2名が診断用高精細モニターにて読影を行い、すみやかに依頼先医療機関にFAXおよび郵便にて送付いたしております。このように地域の医療機関と連携をはかり、受診される皆さまに最適な医療を提供できるような体制をとっております。

当院における各装置の紹介率(地域の医療機関よりの依頼検査件数)は本年1月から3月末において、以下のような結果となっています。
CT検査:13.0%   MR検査:23.7%   PET検査:69.1%

紹介率


これらの各装置の高い紹介率は、今後も自信をもって画像診断を通じて地域医療連携に積極的に取り組んでいくつもりです。

また、当院では地域の医療機関よりの検査依頼だけでなく、PET装置を利用したがん検診としての「PETがんドック」や、認知症や脳卒中が心配な方の「PET脳ドック」、成人病の予防と早期発見としての「人間ドック」があり、心配される病気によってその病気に対する検査を追加できるようなシステムになっております。

受診される皆さまのご紹介や検査に対する相談等がごさいましたら、お気軽に画像診断センターや地域医療連携室までご連絡ください。

右画像診断センター専用電話 075-465-6116


PET装置 PET装置

MR装置 MR装置

CT装置 CT装置

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骨密度測定装置(腰椎、大腿骨用)を導入しました

(この記事は2007年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


最新の骨密度測定装置(腰椎、大腿骨用)を導入しました。検査は7月30日より開始いたしております。

DPX-Bravo  二重X線吸収法(DXA ) GE横河メディカルシステム社製

はじめに

整形外科 牧之段 淳

骨粗鬆症に伴う骨折の中で、最も頻度の高いものの1つに胸椎・腰椎の椎体骨折があり、骨粗鬆症に伴う大腿骨近位部、上腕骨近位部、橈骨遠位部、肋骨などの骨折は転倒を契機に生じます。

骨粗鬆症に伴う骨折の中でも大腿骨頚部骨折と胸腰椎部椎体骨折は寝たきりにつながることから特に問題になっています。

DXA近年1年間で約5%前後骨密度を増加させることが可能な骨粗鬆症治療薬が開発されており、すでに御使用されている先生も多いかと存じます。再現性に優れた精度の高い骨密度測定装置により、骨密度を経時的に測定し、骨密度が増加していることを患者様に示すことができれば、服薬継続の動機づけとなることが期待されます。

そして現在の食生活の変化、無理なダイエットなどによる骨密度の減少もクローズアップされてきています。そのような骨密度減少を早期に発見し、治療を行うための効果的な測定としてX線を用いた新しい骨密度測定装置を導入いたしました。



本装置の特徴

 二重X線吸収法(DXA)は骨粗鬆症の診断には最適な測定法です。
最新の機能をコンパクトボディに凝縮し、再現性に優れており投薬効果判定に有効です。
被検者の乗り降りが容易な設計であり、短時間検査で腰痛をお持ちの方でも楽に検査が行えます。
診断レポートは明解なTスコアに加え、世界保健機構(WHO)の骨粗鬆症診断基準に基づき骨折リスク評価のグラフが表示されます。

保険点数 360点
骨粗鬆症の診断およびその経過観察の際に算定できる。ただし4月に1回を限度とする。

検査の受付は画像診断センターにて行います。
電話:075-465-6116

続き▽

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