診療に関すること::腎臓・泌尿器科
慢性腎臓病について
腎臓・泌尿器科 前田陽一郎
近年、慢性腎臓病(CKD : Chronic Kidney Disease)という概念が提唱され、その早期発見と早期治療の重要性が指摘されています。慢性腎臓病とは、尿検査や血液検査で腎臓に病気があることを示す所見がある、または腎臓の機能がある程度低下している状態のどちらかが3ケ月以上持続する場合のことです。この慢性腎臓病の患者は、心筋梗塞や脳卒中になり易いことがわかっています。また、腎臓の機能が低下してしまうと透析療法が必要になる可能性が高くなります。このような理由から慢性腎臓病の早期発見と早期治療は非常に重要なのです。日本腎臓学会の調査によると、わが国の成人における慢性腎臓病の患者数は約1330万人いると推計されています。これは成人のうち慢性腎臓病の人が12.9%もいることになりこの数は予測されていたよりもはるかに膨大です。もはや慢性腎臓病は国民病であるといっても過言ではありません。これらの慢性腎臓病の人たちが早期にそれぞれの進行過程に合った、適切な治療をきちんと行えば、透析になったり、心疾患で亡くなったりする人の数を大幅に減らすことが可能と考えられています。
では、慢性腎臓病を早期発見するにはどうすればよいのでしょうか? 一番簡単な方法は尿検査を受けることです。職場の健診や住民健診で尿検査を受けたことがある方も多いのではないでしょうか。腎臓が正常な場合は尿中にタンパクは混じっていません。ところが慢性腎臓病の患者では尿にタンパクが混じっています。この尿タンパクが存在するかを調べるのは非常に重要なことなのです。尿検査ではこの尿タンパクの有無を調べることができます。また、尿タンパクがたくさん出ている人ほど、将来腎臓の機能が悪くなる可能性が高くなることがわかっています。しかし、健診などで「尿にタンパクが混じっていますよ。病院で診てもらってください。」と指摘されても、自覚症状がないために、ついつい放っておく人が圧倒的に多いのが現実です。尿タンパクを指摘されて実際に病院で詳しい検査を受けた人は約半数にとどまっていることが、日本慢性腎臓病対策協議会の調査で分かり、腎臓病に対する認識の低さが問題となっています。尿タンパクの程度に応じて適切に治療することで、腎機能障害の進行を防ぐことができる場合があります。また、腎機能障害の進行を防ぐことができない場合でもその速度を遅くすることは可能です。健診などで尿タンパクを指摘された場合は、自覚症状がなくても(自覚症状が出現するぐらい腎臓の機能が悪くなる前に)病院で詳しい検査を受けて頂きたいと思います。特に、糖尿病、高血圧、肥満、脂質異常症(高脂血症)、メタボリックシンドローム、尿路の病気、膠原病、肝炎、家族に慢性腎臓病の人がいる、消炎鎮痛剤を常用する方は注意が必要です。尿検査を受けていない人にはぜひ受けていただきたいと思います。
| Copyright 2009,09,01, Tuesday 12:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |
厚生労働省も近年の医療費の増大から、健康保険の負担がない医療用医薬品のスイッチOTC化の合理化を推進しようとしており、既に水虫のクスリ、胃酸を抑えるクスリ、痛み止めなどがスイッチOTC化されています。さらに今後は、高コレステロール、高血圧、高血糖に使用する医薬品もスイッチOTC化することが検討されています。しかし、医学的知識のない者による医薬品の自己使用は病状の悪化をもたらすこともあるので、こうした一般用医薬品の使用は薬剤師に相談の上、原則短期間に留め、重症の際や服用しても症状がよくならない場合は、直ちに医療機関を受診することをお勧めします。
同時に、設備や機器もいっそう充実しました。各手術室ともHLED無影灯(日本初)が設置され、明るく良好な視野のもと深部臓器の手術でもより安全により正確に行えるようになりました。21インチ天井つり下げ型ハイビジョンテレビモニターシステムにより画質が格段に向上し、鮮明な画像が得られることでより繊細な鏡視下手術操作が可能になりました。鏡視下手根管開放術や経尿道的手術などでは、患者様のご希望により、この画面をご一緒にご覧いただけるようにもなりました。生理食塩水還流の最新式経尿道手術システムはより合併症の少ない安全な泌尿器科手術を可能にし、整形外科ではハイスピード・ドリル導入によって脊椎手術をより安全に短時間に行えるようになりました。また、どの手術室にも全身麻酔器と各種モニターが設置され、麻酔科専門医による全身麻酔が可能な体制がとれるようになりました。
このようにハード面が充実した新手術室で、患者様により安全で良質な手術室医療をさらに高いレベルで提供できるよう、大学との連携も深めつつ、各科の医師はいっそう技術の向上に努めるだけでなく、看護師はじめすべての医療スタッフの一人ひとりもその役割と責任を自覚して「手術チーム」としてのソフト面もますます充実させるよう、日々、努力・精進してまいりたいと存じます。今後ともよろしくお願い申し上げます。