診療に関すること::麻酔科
麻酔科術前診察外来を開設しました。
麻酔科 部長 中川 博美
近年、手術と麻酔の進歩により、高齢な方や重症な方でも手術を受ける機会が増えてきました。多くの皆様が何らかの全身疾患をお持ちですので、安全に手術を受けていただくためには手術が決まった時点から体調を整えていただき、手術や麻酔の準備を進める必要性が高まってきました。欧米では1990 年代半ばから、本邦でも大学病院を中心に2000 年代に入ってから麻酔科術前診察クリニックあるいは術前外来が開設され、ご入院前から麻酔管理の準備をはじめ周術期医療の安全に努めるようになりました。
西陣病院でも2013 年5月に「麻酔科術前診察」を開設しました。麻酔専門医が麻酔管理に必要な問診を行い、日頃から常用されている薬を確認します。手術前には服用を中止する薬もありますので、受診の際には常用薬や「お薬手帳」をご持参ください。また、禁煙も確認しますので、ご理解とご協力をお願いいたします。次いで、簡単な診察と術前検査結果から重症度を評価し、手術と麻酔のリスクとともに麻酔管理法などを説明します。必要に応じて追加検査や特別な麻酔関連モニターを検討し、最善の状態で手術と麻酔を受けていただく準備を進めていきます。ご入院後には麻酔担当医が診察を行い、最終的な麻酔管理法を決定します。
「麻酔科術前診察」は毎週月曜日の午前・午後(定期)と土曜日の午前(不定期)、完全予約制です。手術予定が決まり次第、該当科の医師が「麻酔科術前診察」を予約しご案内いたします。ご家族様からのご質問・ご要望にも喜んで対応いたしますので、どうぞ皆様ご一緒にご来院ください。
| Copyright 2013,11,01, Friday 12:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |
手術の成功のためには、手術を受けられる方ご自身でも体調を整えていく必要があります。手術前には、禁煙や断酒、十分な栄養摂取や睡眠、また、風邪をひかないなど体調管理に気をつけていただくことが大切です。そして、麻酔や手術の合併症を避ける目的で、手術の前日の夜からは食べたり飲んだりせずに点滴で水分や栄養を補給します。ところが、最近では、点滴の代わりに経口補水液(ORS: Oral Rehydration Solution)を用いた経口補水療法(ORT: Oral Rehydration Therapy)を行い、手術前の絶飲時間を短縮するようになってきました。
同時に、設備や機器もいっそう充実しました。各手術室ともHLED無影灯(日本初)が設置され、明るく良好な視野のもと深部臓器の手術でもより安全により正確に行えるようになりました。21インチ天井つり下げ型ハイビジョンテレビモニターシステムにより画質が格段に向上し、鮮明な画像が得られることでより繊細な鏡視下手術操作が可能になりました。鏡視下手根管開放術や経尿道的手術などでは、患者様のご希望により、この画面をご一緒にご覧いただけるようにもなりました。生理食塩水還流の最新式経尿道手術システムはより合併症の少ない安全な泌尿器科手術を可能にし、整形外科ではハイスピード・ドリル導入によって脊椎手術をより安全に短時間に行えるようになりました。また、どの手術室にも全身麻酔器と各種モニターが設置され、麻酔科専門医による全身麻酔が可能な体制がとれるようになりました。
このようにハード面が充実した新手術室で、患者様により安全で良質な手術室医療をさらに高いレベルで提供できるよう、大学との連携も深めつつ、各科の医師はいっそう技術の向上に努めるだけでなく、看護師はじめすべての医療スタッフの一人ひとりもその役割と責任を自覚して「手術チーム」としてのソフト面もますます充実させるよう、日々、努力・精進してまいりたいと存じます。今後ともよろしくお願い申し上げます。