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輸血療法~自己血輸血について~

(この記事は2009年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


臨床工学検査科 岡本祥克

輸血療法とは、血液中の赤血球などの細胞成分や凝固因子などの蛋白質成分が量的に減少又は機能的に低下したときに、その成分を補充することにより臨床症状の改善を図る治療です。

一般的に“輸血”というと献血された血液を使用すると考えますが、輸血には献血された血液を使用する“同種血輸血”と、御自身の血液を事前に貯血し使用する“自己血輸血”とがあります。今回は自己血輸血について述べさせていただきます。

自己血輸血は読んで字の如く、御自身の血液を貯血し輸血する治療方法であり、3~4週間前より数回に分けて血液の採取を行い手術日まで保管し、手術の際に使用いたします。

しかし自己血輸血は、すべての輸血療法に使用できるのではなく「予定される手術において輸血必要量が600~1500mlと予測され、また手術までに十分な期間がある場合」に用いられる輸血療法であります。

ここで簡単に当院での自己血採取の流れを説明させてもらいます。

採取と管理
  1. 採取当日外来受診し採血を行い、検査結果より採取が行えるか医師が判断します。
  2. 採取は看護師により消毒、穿刺を行い採取します。
  3. 臨床検査技師が採取量を確認し、抗凝固剤と血液の混和を行います。
  4. 採取後、体の補正を行うために輸液、造血ホルモン剤の注射を行います。
  5. 臨床検査技師により採取日と採取量、保管期限についての説明を患者さんへさせていただきます。
  6. 手術前日まで、お預かりした血液は専用の冷蔵庫にて保管管理いたします。手術前日に保管血液の検査を行い、手術当日使用できるように準備いたします。

輸血療法にご不明な点がありましたら、担当医までお願いします。



| Copyright 2009,07,01, Wednesday 09:25am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

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