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最近の内視鏡の進歩 -超音波内視鏡-

(この記事は2013年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



曽我先生 内科 医長 曽我 幸一


 超音波内視鏡(EUS:Endoscopic ultrasoundscopy)は内視鏡先端に超音波装置がついており、消化管内から消化管壁や周囲組織・臓器などの診断・治療を行う内視鏡です(図1A)。胃カメラと同じように口から内視鏡を挿入して検査します。通常の胃カメラでは消化管の表面しか見ることができませんが、EUS は表面より深い部分の観察が可能となります。またEUS は体外式超音波検査に比べて目的の病変近くから観察を行うため、胆管炎、胆嚢炎、膵炎等の炎症性疾患の原因精査、消化管粘膜下腫瘍、胆膵癌の早期発見・精査に非常に有用と言われています(図1B)。


 最近はEUS で得られた画像から診断するだけではなく、EUS で観察しながら病変の一部を採取したり、治療したりするInterventional EUSを積極的に行われています。EUSを用いた組織検査(超音波内視鏡下穿刺吸引術:EUS-FNA)は広く普及してきた内視鏡検査と言えます(図1C)。 EUS-FNA をよりさらに発展した技術もあります。穿刺後の針の中にガイドワイヤーを通して、経皮的胆嚢ドレナージ術(PTGBD)や経皮的胆管ドレナージ術(PTBD)を応用したドレナージ(EUS - GBD、EUS-BD)や急性膵炎後の仮性嚢胞に対してのドレナージも行うことができます(EUS-CD)。例えば膵頭部癌で十二指腸浸潤・胆管狭窄を起こした場合に、EUS 下穿刺術を応用しますと、十二指腸球部より拡張した胆管に針を刺して、ドレナージチューブを留置することが可能です(EUS-BD)。



 EUS下穿刺技術を応用したもうひとつの手技は、超音波内視鏡ガイド下腹腔神経叢破壊術(EUS - CPN)です(図2)。腹部癌性疼痛の中継点として知られる腹腔神経叢を、アルコール等を使用して破壊する手技です。体表からの腹腔神経叢へのアプローチは、EUSを使わない場合は極めて困難で、今までの方法では脊髄誤穿刺や動脈損傷で対麻痺などが起こる可能性があります。EUSを使うと、腹腔動脈のすぐ脇にある神経叢に比較的簡単にたどり着くことができるため、癌性疼痛の疼痛コントロールの有力な手段として期待されています。



 以上簡単ですが、消化器内視鏡分野で注目されているEUS、およびEUS 関連手技に関して、ご紹介致しました。当院でも近々この内視鏡機器を導入予定です。今後も今まで以上に質の高い内視鏡検査・治療を受けて頂ける消化器内視鏡センターを目指してまいります。


| Copyright 2013,05,01, Wednesday 12:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

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