診療に関すること::整形外科
手根管症候群について
![]() | 整形外科 部長 牧之段 淳 |
夜中や明け方手がしびれて目が覚めることはないでしょうか?進行すると1日中しびれ感が持続し、指の感覚が鈍くなり、さらにひどくなるとボタンをつけはずしたり、ペンを握ったり、物をつまんだりするなどの動作がしにくくなってしまいます。このような症状があれば手根管症候群かも知れません。
手根管とは手首にあるトンネルのことを言います。このトンネルの中に指を曲げる屈筋腱ときし麺くらいの太さの神経(正中神経)が通っています。屈筋腱が腫れたりすると神経が圧迫され、小指以外の4 本の指にしびれ感が生じます。診断は上記の特徴的な症状があれば分かりやすいですが必ずしも夜中や明け方にしびれ感を伴うわけではありません。当院では神経伝導検査を行うことができますので本検査で診断のみならず重症度を判断することができます。治療については軽症ならビタミンB12などの内服による保存的治療、筋委縮を伴うようなら手術的治療になります。手根管症候群にかかられる方は腱鞘炎を伴うことも多く手指を酷使しないことが大切です。
手術の場合、手掌を数cm切開して直接手根管を開放する方法と内視鏡を使って手根管を開放する方法の2 通りあります。当院では11年前から内視鏡を用いて手術しています。術後はすぐにしびれ感が消失することは少なく徐々に改善し1年もすれば多少指先にしびれが残存していてもほとんど気にならないとおっしゃる方が大多数です。


思い当たる症状があれば整形外科受診をお勧めします。
◆鏡視下手根管開放術について
当院では2003 年から今日まで300 件を超える鏡視下手根管開放術を行ってきました。当院の手根管症候群治療の最大の特徴は電気生理学的検査を行って重症度を評価し、術後も約1年間神経伝導検査を行い客観的に術後成績を評価していることです。今までの経験が蓄積されておりその結果に基づいた的確な説明を行っております。手術の約6 割は近隣の医療機関からの紹介によるもので、結果は随時紹介先にお知らせさせていただいています。手術は局所麻酔で行う日帰り手術で手術時間は約20 分です。患者様にはモニターで手術を見ていただくことも可能です(実際には見たくないとおっしゃられる方が多いですが)。抜糸は6日後です。
| Copyright 2014,03,01, Saturday 12:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |


「コミュニケーション」の問題は失語症、構音障害や、注意・記憶などさまざまな高次脳機能障害によって生じます。失語症とは、脳の言語領域の損傷により、「聴く・話す・読む・書く」という言葉の機能に障害が生じることです。失語症では、その方の重症度や失語症タイプ、年齢や職業など身体的・社会的背景にそった練習を、種々のドリルを用いて行います。構音障害とは、脳の病気や舌癌などにより、「声が出ない」「呂律がまわらない」など、話しにくくなることです。構音障害では症状に合わせて、発声器官の運動や、ドリルなどを使用しての発音の練習を行います。また、ゆっくり、大きく、区切って話すなど代償的な発話法も指導します。「コミュニケーション」の問題に対しては、障害された機能を可能な限り改善することと、機能の改善が難しい場合も、残された機能を生かすことで、コミュニケーション能力の改善を目指します。
「食べること」の問題は、脳の病気や癌などにより、飲み込みが上手くできなくなることです。食べることは、単なる栄養補給だけでなく、生きる楽しみの一つであり、コミュニケーションとともに“生きがい”に関わる問題です。嚥下訓練(飲み込みの練習)では、飲み込みにかかわる器官(のどや口など)の体操、呼吸訓練、嚥下パターン訓練、食事指導(姿勢や食事形態の調整など安全に食事を摂取するための指導)を行います。また当科では、低周波刺激法、筋電図によるバイオフィードバック法(以下BF法)など新しい技法を積極的に取り入れています。嚥下訓練では“飲み込む運動” を改善することが目標ですが、うまく飲み込めているかどうかは、自分自身ではわかりにくいものです。BF法では、飲み込んだ時に、のどの筋肉から発せられる電流を皮膚上から記録し、モニター上で“飲み込む運動”の状態(強さ・持続時間など)をリアルタイムで見ていただきながら、嚥下訓練を行います。このBF法は、見えないものを、見えるようにする技法であり、日本では導入している施設はわずかですが、欧米においては信頼性の高い治療法として認知されています。
