NEWEST / < NEXT   BACK >

バイオシミラー

(この記事は2017年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



薬剤部 主任 牛嶋 麻紀

 最近「バイオ医薬品」というお薬が多く開発され、これまで治療が困難だった病気の治療に貢献し、注目を集めています。
 バイオ医薬品とは、細胞などを利用して作ったお薬です。バイオ医薬品は高度なバイオ技術を駆使して作られた最先端の医薬品で最新の製造設備と品質管理が必要とされています。そのため、開発や製造などに費用がかかるため、患者さんの医療費負担が高くなってしまうという問題があります。
 そこで、特許切れのバイオ医薬品をほかのメーカーが開発・販売し、医療費の負担を抑える「バイオシミラー」というお薬が誕生しました。


◆バイオシミラーとジェネリック医薬品はどこが違う?

 どちらも「新薬特許が切れた後に発売された医薬品」ですが、バイオ医薬品の場合は「バイオシミラー」、それ以外の場合は「ジェネリック医薬品」と呼びます。

 バイオシミラーは高度なバイオ技術を用いるため、製造工程が多く複雑です。そのため、ジェネリック医薬品より多くの試験やチェックを行うことが必要とされています。このように開発され、承認されたバイオシミラーは、先行バイオ医薬品と品質がほとんど同じで、同じ効果と安全性が確認された薬剤です。臨床試験を含む多くのデータによって、先行バイオ医薬品と同じように使えることが示されています。

 バイオシミラーの薬価は、先に発売された同じ成分のお薬の薬価の原則70%で算定されるというルールがあります。このため先行バイオ医薬品と変わらない治療の選択肢がひろがり、治療の質の向上と患者さんの経済的負担の軽減や医療費の削減に貢献することが期待されています。

西陣病院でも
インスリン グラルギンBS注ミリオペン「リリー」
(ランタス注ソロスターのバイオシミラー)

が採用されました。


| Copyright 2017,07,01, Saturday 12:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

NEWEST / PAGE TOP / < NEXT   BACK >

RECENT COMMENTS

RECENT TRACKBACK


LINK

PROFILE

OTHER

POWERED BY

BLOGNPLUS(ぶろぐん+)