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顔の「色素性疾患」と「Qスイッチルビーレーザー」について

(この記事は2013年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



 皮膚科部長 若林 浩子


西陣病院皮膚科では、日頃の外来診療において、顔の色素斑についてのご相談を受けることが、たびたびありました。顔については、人と接する際に印象を左右しますので、年齢、男女を問わず、関心があるかと思われます。

 色素斑と一言にくくられますが、成因は様々です。一見同じように見えるシミも長年の紫外線暴露による、炎症後色素沈着によるものから、皮膚癌の初期段階である、日光角化症もあります。日光角化症には、最近イミキモドという薬剤を外用することが有効であり、多発している場合も治療が簡便になりました。黒色の結節で、いかにも悪そうな顔をしていながら、良性である脂漏性角化腫と、ダーモスコープという特殊な装置で観察すると鑑別できる、基底細胞癌は、見た目は似ております。脂漏性角化腫は、麻酔の必要ない液体窒素による凍結治療で加療できますが、基底細胞癌は手術切除が必要です。稀ですが、悪性黒子、悪性黒色腫といったものがひそんでいることもあります。生下時や、若いころより存在する母斑性のものもあります。目の周囲に見られる青黒色の太田母斑や、茶褐色の扁平母斑などです。


 長年の紫外線暴露による、炎症後色素沈着や、太田母斑、扁平母斑の治療については、いままで、形成外科への紹介や、母斑用レーザーのある大学病院等に紹介させていただきご不便をおかけしておりましたが、当院でも、最新式のQスイッチルビーレーザーを導入いたしましたので、今後の診療に役立てていければと思っております。



 当院のJMEC社The Ruby Z1 Qスイッチルビーレーザーは、異所性蒙古斑、自転車の転倒時などに受けた擦過傷などの異物混入による外傷性刺青、太田母斑、扁平母斑には保険適応があります。当院のレーザー機種は、東洋人に多い、目の周りに両側性に見られる、遅発性両側性太田母斑にも保険適応があります。The Ruby Z1は、メラニンという黒色の色素に選択性の高い694nmの波長を持ち、アレクサンドライトやYAGレーザーより、周囲組織へのダメージを最小にして、色素の薄い病変でも鋭い反応性を持つことができます。カライドスコープにより、均等な強度のエネルギーを与えることができるので、治療ムラがでにくくなっています。


Qスイッチルビーレーザー 紫外線暴露による、炎症後色素沈着、老人性色素斑といったいわゆるシミには、保険適応がありませんので、まず、通常の外来を受診いただいて、ほかの治療が適切な疾患を除外した上で、別の日時に予約外来に来ていただく必要があります。レーザー照射後のアフターケアや遮光を適切にしないと、東洋人では再び炎症後色素沈着を起こしやすいので、きめ細かな説明もさせていただきます。


 皮膚癌については早期診断が大切ですし、レーザーが有効な治療であり、保険診療の適応である太田母斑や、外傷性刺青を治らないものとあきらめておられる方も多くありますので、ご紹介いただければと思います。色素斑が気になっておられる方もお気軽に受診ください。


| Copyright 2013,05,01, Wednesday 12:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

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