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ゆがんで見えませんか?加齢性黄斑変性という病気では

(この記事は2006年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです。大原医師は転勤のため、現在西陣病院で外来診療はしておりません。ご了承ください)


眼科 大原 真紀

 加齢性黄斑変性は、欧米先進国において、50歳以上の高齢者の失明原因の第一位であり、国民の注目度の高い眼疾患です。病名が示す通り加齢が原因ですので、年を取れば誰にでも起こりうる病気です。加齢以外の原因は明らかにされていませんが、喫煙は危険因子の一つとされています。

 その発症を前もって抑えることができないため、現在でもさまざまな治療法が検討されています。日本においても、近年の急激な高齢者人口の増加に伴って患者数が増加しています。患者数は、男性のほうが多く、両目に発症する割合も20%程度にみられます。

 今回、加齢性黄斑変性症と自己チェックの仕方を紹介します。

 眼にはカメラのフイルムに当たる部分が存在します(それが網膜です)。その網膜の中に、物体を鮮明にはっきりと感じることのできる部分があり、そこを黄斑といいます。加齢性黄斑変性とは、その黄斑に年齢的な変化・変性が生じて起こる病気で、網膜やブルッフ膜(網膜の奥にある膜) の加齢性変化を基盤として発症します。この加齢性の変化によって脈絡腰 (ブルッフ膜のさらに奥にある膜) からの新生血管が進展し、その血管が危弱であるため、出血や浮腫を生じます。

 眼科受診をされた患者さんには、問診、視力検査、眼底検査、蛍光眼底造影検査(腕から造影剤の点滴注射を行い、眼底の血管を造影して病状を調べる検査)を行います。

 加齢性黄斑変性症の症状は、物を見る中心である黄斑が障害されるため、視野の中心が見えにくくなり、視力低下が生じます。

 治療は、内服薬、レーザー光線あるいは手術となる場合もあります。病気の状態により選択される治療法も変わります。なかなか、治療は難しいのが現状ですが、よりよい視力維持のためにも自己チェックを行い、少しでも異常を認めたら、眼科受診をしてください。


加齢性黄斑変性チェック 最後に自覚症状の自己チェック法について紹介します。右のような格子状の表を用いて、片目ずつ見え方に異常がないかを確認して下さい。表の中央の白い点を見つめて下さい。次のような症状 (線がぼやけて薄暗くみえてないか、中心がゆがんでみえてないか、部分的に欠けてみえてないかなど) がみられたら、加齢性黄斑変性の疑いがありますので眼科受診をお勧めします。

(チェックをされる方は右の画像をクリックしてから表示される画像を実際にご覧ください)

| Copyright 2006,03,01, Wednesday 10:10am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

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