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変形性膝関節症について

(この記事は2005年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


整形外科 青盛 克裕

 変形性膝関節症とは、年齢とともに、膝関節の関節軟骨がすり減って、膝の痛みと変形が来る病気です。女性に多く、65歳以上の方の約20%にあるといわれ、原因は関節軟骨の老化と考えられます。

 最初の症状は立ち上がりの時の痛み、階段での痛み、正座ができないということが多いです。その後、関節の動きが悪くなったり、時に関節に「水」がたまったりして徐々に進行します。通常、膝の関節の内側の軟骨が痛むことが多く、すり減ってきますので膝がO脚変形をして、歩行障害を来します。

 治療には保存療法 (手術をしない治療法) と手術療法があります。比較的初期の変形の軽いときは保存療法で痛みをコントロールできますが、進行すると手術を受けた方がよい場合が多くなります。

 保存療法には次のようなものがあります。

1、運動療法‥膝関節周囲の仙肋肉を鍛えることによって痛みを和らげる方法です。将来、手術を受けることになっても、そのときまでにできるだけ筋肉の力を保っておくということは重要です。

2、装具療法‥足の裏につける、外側が厚くなった中敷き(足底板)や、支柱付き膝装具なども効果が認められています。

3、関節注射‥ヒアルロン酸ナトリウムの関節内注射も徐痛効果があります。ヒアルロン酸はもともと関節液中に存在するものですが、変形性関節症ではその量が減ることが知られています。
 これを注射で補って関節の滑りをよくすることにより、痛みを取る効果があります。

4、薬物療法‥膝関節に炎症が起こり、「水」がたまったりすることがあります。そういうときは消炎鎮痛剤が有効ですが、長期に飲むと胃潰瘍などの副作用が出ることがあります。湿布などの外用薬も併用します。

 また膝関節には歩行をしているだけで体重の約3倍の力がかかるといわれており、変形性関節症の予防や進行を止めるためには、体重をコントロールすることが重要です。

 また手術療法には次のようなものがあります。

1、関節鏡視下手術‥軽度から中程度の症例に適応があります。内視鏡で観察しながら半月板変性断裂部を切除したり、滑膜を切除したりします。

2、骨切り手術‥骨切りを行い、O脚の膝を矯正し、痛んだ膝内側の負担を減らす手術です。痛みを取る効果が人工関節に比べ劣り、術後リハビリにも時間がかかるなどということがあり、変形の強い患者さんの場合は人工関節の手術をお勧めします。

3、人工膝関節置換術‥傷んだ軟骨、骨を人工膝関節の形に合わせて薄く削り、金属、ポリエチレンでできた人工関節を自分の骨の上にしっかりと固定する手術です。約25年の歴史があり、日本でも年間約35000件の手術が行われています。手術治療の中で最も痛みをとる効果が高く、また変形の矯正が行え、安定した手術です。

 変形性膝関節症の診断には、レントゲン撮影などの検査が必要です。膝の痛みでお困りの方は一度整形外科専門医を受診して御相談ください。

| Copyright 2005,11,01, Tuesday 10:10am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

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