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大腸憩室と大腸憩室炎

(この記事は2008年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


内科部長 竹中信也

 大腸の壁の部分的に弱くなったところが、外側に袋状にふくらんだ状態を憩室と呼びます。

 憩室が出来る原因はいろいろありますが、その一つとして、腸内の圧力(腸管内圧) の上昇があげられます。慢性の便秘があると腸がふくらみ、排便時に力んだりすると腸管内圧が上昇し、次第に腸の壁の弱い部分がふくらんでいきます。ストレスなどの精神的緊張でも大腸の収縮が高まり、腸管内圧が上昇します。
 
 大腸憩室は頻度の高い疾患で、アメリカ人では60歳以下の50%に、80歳以下ではほぼ全員に認められるそうです。欧米では大腸の左側にあるS状結腸で憩室が見つかりやすいのに対し、日本人は右側にある上行結腸に多いと言われています。日本でも近年、食事の欧米化により食物繊維の摂取が減少し、大腸憩室を持っている人が増加しています。

 憩室があるだけでは症状はなく、治療の必要はありません。しかし憩室に便などが詰まって炎症を起こすと、憩室炎となり問題となります。

 憩室炎とは、憩室が炎症や細菌感染を起こした状態のことを言います。腹痛、悪寒、発熱、排便習慣の変化といった症状が起こります。多量の出血(血便)が起こることもあります。重症例では腹膜炎になったり、膀胱および脛へ穿孔を起こしたり、腸管の壁が破裂したりします。

 軽い憩室炎を繰り返していると、瘢痕により腸管が細くなり、ひどい便秘に悩まされる事もあります。

 軽症では抗生物質を服用し、食事を制限することで治療を行います。場合によっては緩下剤を使用することもあります。

 重症例では入院を要し、絶食にして抗生物質の点滴を行います。腸に穴が開いてしまった場合(大腸穿孔)には、外科的手術となることもあります。多量に出血(血便)を認める場合には、緊急内視鏡(大腸カメラ)を施行し、出血している憩室をクリッビングして止血します。それでも止血できないときは、血管造影で出血している血管を塞栓させます。輸血が必要になる場合もあります。

 憩室炎を疑う症状が現れた場合は、できるだけ早く消化器内科を受診してください。大量の出血(血便)を認めた時には、迷わず救急車を呼びましょう!
大腸1


 大腸憩室は再発しやすいので、日頃から野菜などの繊維質の多い食べ物を多く取りましょう。その際には良く噛んで食べてください。歯が悪い方は、食物繊維の多く含まれる飲み物がお勧めです。また、お薬で排便コントロ-ルをしておきましょう。

 予め、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)で憩室の数、場所を確認しておくと、憩室炎の診断治療がスムーズに進められ、重症化を防ぐことができますので一度、主治医に相談してみてください!

| Copyright 2008,03,01, Saturday 09:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

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