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脱水症と経口補水液

(この記事は2016年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



日置 透子 薬剤部 薬剤師  日置 透子

 梅雨が終わると、いよいよ夏本番ですね。
 猛暑日の中、脱水や熱中症を予防するためには、適切な温度調整に加えて、こまめな水分補給が大切になります。水分補給には、電解質を含んだ経口補水液やスポーツドリンクが欠かせません。
 今回は、経口補水液について紹介したいと思います。


◆脱水症とは
 体内の水分が不足している状態で、水分の取り方が足りない時や、身体のなかの水分が多く失われた場合に起こります。水分と一緒にナトリウムやカリウムなどの大切な電解質も失われます。
 脱水症状になると、血液量が減ることによる血圧低下や、神経や筋肉に悪影響が出ることによりこむら返りを起こします。
 また、放っておくと熱中症を誘発し、重症の場合は救急搬送されることもあります。
(症状)めまい、こむら返り、頭痛、吐き気、倦怠感、けいれん、意識障害など

◆経口補水液とは 
 電解質と糖質(ブドウ糖)が配合された飲料で、下痢や嘔吐、発熱、激しい(過度の)発汗、経口摂取不足などによって失われた体内の電解質や水分を補うことができます。
 経口補水液はスポーツドリンク(清涼飲料水)とは異なり、消費者庁から特別用途食品の中で病者用食品として指定されています。
 経口補水液は、他の飲料と比べてナトリウムやカリウムを多く含んでいるため、心臓や腎臓に負担をかけることがあります。
 高血圧、糖尿病、腎臓病など疾患がある方は、医師や薬剤師、管理栄養士にご相談ください。

経口補水液は一気に飲むのではなく、既定の量を少しずつ飲んでください。
また、経口補水液はあくまで軽度~中等度の脱水症状への適応です。
症状がよくならない場合はがまんせずに受診してください。


| Copyright 2016,07,01, Friday 12:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

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