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ニシジンオリジナルの単孔式腹腔鏡下手術

(この記事は2013年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



髙木 剛 外科 副部長 髙木 剛


 消化器外科領域における手術方法には、近頃さまざまな選択肢を持つことができるようになりました。元々、手術はお腹を大きく開けておこなう開腹手術でしたが、徐々に腹腔鏡下手術という、われわれの目にかわるカメラ(スコープ)と更にわれわれの手にかわる鉗子をお腹に入れて行う手術が一般化されつつあります。その腹腔鏡下手術も近年では、ロボットを用いた手術や今回のテーマである単孔式腹腔鏡下手術といった更に進化した手術が話題となっております。

 単孔式腹腔鏡下手術とは、字のごとく腹腔鏡下手術のなかでも一つの孔から手術を行ってしまうといった手術であります。これによる最大の利点は、整容性であります。臍のくぼみの中に切開を置き、そこから腹腔鏡下手術を行います。術後のキズは目立たなくなり、虫垂炎(俗称:盲腸)や胆嚢炎・胆石症に対してであれば、一見手術を行っていないのではないかと見違えるほどです。

 ただ、単孔式腹腔鏡下手術はいいことばかりではありません。短所としては、整容性を求めた代償として手術の難易度が高まります。また、単孔式手術専用の器具が必要となります。このような負担を少しでも軽減させて、この単孔式手術が安全にそして負担なくできるよう、株式会社八光(本社:長野)と共同開発して単孔式手術器具を作製しました。

EZアクセスポート
単孔式腹腔鏡下手術

 その器具は『E・Zアクセス』(いーじーあくせす)〈写真〉といい、この日本から初めての単孔式手術器具であります。現在、北海道から沖縄まで日本中の多くの施設で使用して頂いております。外科系(消化器外科・婦人科・泌尿器科・小児外科)の学会や単孔式手術を検討する単孔式内視鏡手術研究会でも、この『E・Zアクセス』を用いた手術の発表が非常に多くなされるようになりました。簡便でありまた廉価な本器具を使用して手術を行うことで、安定した手術が可能となり、医療費の削減にも貢献できていると考えております。

 現在のところ、当院での単孔式腹腔鏡下手術の対象となるのは、虫垂炎、胆嚢炎・胆嚢結石症、鼡径ヘルニア、腸閉塞、大腸腫瘍(大腸癌は一部の部位にかぎり)といったところです。安全・確実に行えてこその手術でありますので、まだこのように制限をかけて行っております。しかし、近い将来にはロボット手術など新しいテクノロジーとの融合にて新しい単孔式腹腔鏡下手術が生まれ、適応も拡大していく可能性もあると考えております。


毎日新聞 2010年10月8日付 京都版 きょうの療より 

 単孔式が困難な場合や適応外の場合も今まで通りではなく、複数の鉗子を挿入するためのキズを減らし、臓器摘出するための切開創を臍にすることで、術後のキズを少なくかつ小さくし痛みの軽減に繋がるよう図っています。

| Copyright 2013,03,01, Friday 12:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

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