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新年を迎えて-「健康寿命」を考える

(この記事は2013年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


柳田先生 副院長 柳田 國雄


 明けましておめでとうございます。地域の皆様におかれましてはお健やかに新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。一昨年3月に発生した東日本大震災とそれに続く原発事故は多くの犠牲者を出し、エネルギー問題や経済の停滞、政治の混迷とも相まって、今なお私たちの心に暗い影を落としています。そんな中少しでも地域住民の方々や地域の開業医の先生方のお役に立てるよう、当院も頑張ってまいりました。昨年5月には、64 列マルチスライスCT 装置を更新し、画質を低下させることなく被ばく線量を低減して撮影できるようになりました。また、10月には管理棟(北館)の新築工事に着工し、11月には電子カルテの稼動を開始いたしました。いずれも、当初は皆様に多少のご迷惑はおかけするかと思いますが、より良い医療・診療のため前へ前へと進めていきたいと思っております。

 『いつまでも元気で長生きしたい』-それは誰もの願いです。日本は「平均寿命」が世界トップレベルの長寿大国で、2010 年の平均寿命は男性79.55 歳、女性86.30 歳です。しかし、最近「健康寿命」という言葉が注目されています。健康寿命とは『健康で支障なく日常の生活を送れ、介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、自立して生活できる期間』のことです。厚生労働省の算出では、2010 年は男性70.42 歳、女性73.62 歳でした。両寿命の差は、男性9.13 年、女性12.68 年ということになり、この期間は日常生活に差し障りのある期間ということになります。本人にとっての生活の質が低下し、これを支える家族も大変なこの期間をサポートすることも当院の重要な使命と考えていますが、健康寿命の延び幅が平均寿命の延び幅を上回るようにすることへの努力もさらに大事なことと認識しています。そのためには、生活習慣病の発症予防や重症化阻止が大事と考え、当院でもチーム医療として、糖尿病、高血圧、脂質異常症、慢性腎臓病、骨粗鬆症などの疾患の啓蒙・予防・治療にさらに力を注いでいきたいと考えています。

 地域に密着した良質な医療の提供、患者様の権利(思い)を尊重した医療の提供、職員に働きがいのある職場環境の提供という当院の
基本方針を常に大事にして、スタッフ一同さらに精進してまいりたいと思いますので、本年も何卒よろしくお願いいたします。


| Copyright 2013,01,01, Tuesday 12:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

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