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インフルエンザの時期になりました

(この記事は2011年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



薬剤部 部長 三宅 健文

 インフルエンザの薬物療法には、「ノイラミニダーゼ阻害薬」と呼ばれる抗インフルエンザウイルス薬を使う「原因療法」と、症状を和らげるためのくすりを使う「対症療法」があります。

 インフルエンザウイルスに対して、直接的に作用する抗ウイルス薬が使用されるようになりました。従来の対症療法とは本質が違い、ウイルスの増殖を抑え、症状の重症化や長期化を食い止めることができます。抗ウイルス薬には、ドライシロップや吸入薬、経口薬があります。

 インフルエンザウイルスは増殖のスピードが速いため(24時間で100万倍に増えます)、症状が出現して48時間以内にウイルスの増殖のピークがきます。このため、48時間以内に服用しないと“くすりの効果”が現れにくくなります。

 また対症療法では、高熱の場合には解熱鎮痛薬(熱を下げるお薬)を、黄色痰(たん)など細菌の二次感染が疑われる場合には、抗菌薬(細菌を殺すお薬)を使います。

 薬を服用することで、高熱や体の痛みを緩和することができますが、高熱や体の痛みを緩和できても、インフルエンザウイルスに対する直接的な効果はありません。インフルエンザの治療に抗菌薬による薬物治療が処方される場合がありますが、解熱鎮痛剤と同じで、インフルエンザウイルスに直接作用するものではありません。

手洗いうがい インフルエンザにかからないためには、まずきちんとした予防対策をとる必要があります。室内の換気を良くして、室内の湿度を保つために加湿器を設置するなど、室内の空気環境にも配慮が必要です。インフルエンザウイルスは、くしゃみや咳によって感染する可能性があります。鼻水や唾液、咳が手に付着すると、感染するので、うがいや手洗いは必須です。テーブルやドアのノブなど、とくに手に触れる機会が多い場所には、消毒液を用いてこまめに拭き取るなど、室内にある物にもインフルエンザの予防対策が必要です。とくに、インフルエンザが流行する時期には、このような配慮が必要不可欠となります。


| Copyright 2011,11,01, Tuesday 10:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

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