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西陣病院でボランティア活動をはじめて

(この記事は2009年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


宮本清正


転機は10月だった!

もともとサラリーマン人生を歩むつもりが、父の死で本格的に田舎で何百年と続く旧家と実家の商売を引き継ぐ事になった。まぁ誰かの代でやらなければならないとは思っていたので、今の時代では通用しない風習をスクラップし現代に必要な習慣をビルトして、交通整理が終わった頃時間が空いてきた。そこで友達からボランティアを薦められた。もともと思っていたのは、ボランティアをする事は人生をしっかり片付けた定年後に欲も得もなくやる姿が健全だと思っていて、未だ早いと思ったがとりあえず、ひと・まち交流館に行って西陣病院を知った。西陣病院が京都の西北という立地は魅力的だった。

私は学生時代もサラリーマン時代も京都市内で過ごし、そこには北野おどりがあり、金閣寺があり四季折々の文化と伝統行事があることを当たり前に思っていた。田舎に帰ってTVニュースで京都の伝統行事の中継を見るにつけ、そのあり難さがわかった。

ボランティア活動中の1コマ

おっかなびっくりではじめたボランティアだが案外すんなり入れたのは、地域に於いて商売を通して老人の方と接し話し相手をしている事などで、ある程度失礼のない話し方をする事には慣れていた。ほかにもPTA、体育振興会をはじめとする地域活動にも参加していたので、病院とか公共性のあるものについてはイメージダウンにならないよう言動には注意するという押さえどころ、及びケジメは分っていた事も良かったと思う。

今では屋上で草むしりをしている時、京都の山々を見ながら患者さんと話していたら、本当に西陣病院で良かったと思う。西陣病院の理念が分るような気がする。西陣病院は癒される雰囲気があり、勿論人命を預る仕事ゆえ緊張感の上に成り立っているが、本当に地域に根ざした病院であると思う。

私自身にも変化があったのは、私は前述したように一族のものがサラリーマンとして、全国を飛び回る間に田舎の旧家のメンテナンス役をしっかりこなして、家族を支えている自負があった。しかし、車椅子の移動とか患者さんの面倒を看たり、草むしりをする事で解ったのはそれは全て自分の事であり、常に裏方として支えてくれている家族の存在と健康でいてくれることが当たり前と思い、思いやりがなかった事を反省した。最近は思わず帰り道にお土産にドーナツ等を買って帰る事が増えた、今日この頃である。


| Copyright 2009,07,01, Wednesday 09:25am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

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