患者さんへ

潰瘍性大腸炎患者におけるHelicobacter pylori除菌治療が臨床経過に及ぼす影響に関する検討

西陣病院、京都府立医科大学消化器内科では、潰瘍性大腸炎の患者さんにおける臨床経過に関する後ろ向き調査に関する研究を京都・滋賀・大阪の多施設と共同して実施いたします。そのため、過去に西陣病院、京都府立医科大学附属病院、ならびに、協力していただける京都・滋賀・大阪の多施設の病院で上記診断を受けられた患者さんの診療録を過去にさかのぼって調査させていただきたいと考えています。 実施にあたり西陣病院倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長より適切な研究であると承認されています。また、共同研究機関においても倫理審査委員会の承認を受けています。

研究の目的

ヘリコバクター・ピロリ菌が胃に住み着くと慢性胃炎になり、さらには、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、時には、胃癌の原因となることが知られています。我が国では、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染と慢性胃炎などの胃病変の存在が診断されると、保険診療で除菌治療を受けることが出来ます。
一方、若年者を中心に我が国で患者数の増加が著しい潰瘍性大腸炎の患者さんでは、一般にヘリコバクター・ピロリ菌の感染率が低いことが知られています。しかしながら、潰瘍性大腸炎に罹患している患者さんでもヘリコバクター・ピロリ菌に感染していることが少なからずあり、その場合は、主治医の判断で除菌治療が実施されています。一方、潰瘍性大腸炎の患者さんにヘリコバクター・ピロリ除菌治療を実施すると、時に潰瘍性大腸炎の病状に影響する可能性が報告されていますが、その実態は明らかではありません。
そこで、今回、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療を実施された潰瘍性大腸炎患者さんを対象に京都・滋賀・大阪の広範囲で調査を行い、治療経過を後ろ向きに検討し、解析を行います。

研究の方法

  • 対象となる患者さんについて
    2008年11日から20181231日までの期間に西陣病院、京都府立医科大学附属病院消化器内科、ならびに、下に示す京都・滋賀・大阪の共同研究病院にて診療を受けた潰瘍性大腸炎の患者さんが対象となります。

  • 研究期間
    医学倫理審査委員会承認後から2020年630日までの期間

  • 方法
    カルテ上の記録を調べ、性別、年齢などの臨床情報、治療経過などを集計し、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療が潰瘍性大腸炎に及ぼす影響について調べます。

  • 研究に用いる試料・情報について
    本研究ではこれまでの診療録(カルテ)を調査し、治療・投薬内容などの病歴を調査・集計します。

個人情報の取り扱いについて

患者さんのカルテ情報をこの研究に使用する際は、氏名、生年月日などの患者さんを直ちに特定できる情報は削除し研究用の番号を付けて取り扱います。患者さんと研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、インターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、入室が管理されており、第三者が立ち入ることができません。また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、患者さんが特定できる情報を使用することはありません。
なお、この研究で得られた情報は研究責任者(京都府立医科大学 消化器内科学教室 准教授 内藤裕二)の責任の下、厳重な管理を行い、患者さんの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。

研究組織

【研究責任者】
   京都府立医科大学消化器内科・准教授 内藤裕二

【研究担当者】
   京都府立医科大学医療フロンティア展開学・准教授      髙木智久
   京都府立医科大学消化器内科・准教授            小西英幸
   京都府立医科大学消化器内科・講師             阪上順一
   京都府立医科大学消化器内科・講師             保田宏明
   京都府立医科大学北部医療センター消化器内科・学内講師   堅田和弘
   京都府立医科大学消化器内科・学内講師           内山和彦
   京都府立医科大学北部医療センター消化器内科・助教     春里暁人
   京都府立医科大学北部医療センター消化器内科・助教     岡山哲也
   京都府立医科大学北部医療センター消化器内科・助教     福居顕文
   京都府立医科大学消化器内科・学内講師           鎌田和浩
   京都府立医科大学消化器内科・大学院生           梶原真理子

【共同研究機関】(多施設共同研究)
   朝日大学病院 消化器内科       八木信明、尾松達司
   京都鞍馬口医療センター 消化器内科  今本栄子、堀江隆介
   松下記念病院 消化器内科       小山田裕一、磯崎 豊、堀田祐馬
   京都第二赤十字病院 消化器内科    河村卓二
   大津市民病院 消化器内科       若林直樹、皆川優季
   康生会武田病院 消化器内科      高橋周史、平田育大
   西陣病院 消化器内科         葛西恭一
   福知山市民病院 消化器内科      奥田隆史、辻 俊史
   済生会滋賀病院 消化器内科              重松 忠、田中 信

利益相反について

利益相反とは、寄附金の提供を受けた特定の企業に有利なようにデータを操作する、都合の悪いデータを無視するといった、企業等との経済的な関係によって、研究の公正かつ適正な実施が損なわれるまたは損なわれているのではないかと第3者から懸念される状態をいいます。本研究に関する利益相反については、京都府公立大学法人の利益相反に関する規程、京都府立医科大学の臨床研究に係る利益相反に関する規程等にしたがって管理されています。
本研究はキッセイ薬品工業株式会社からの奨学寄附金により実施しますが、同社は本研究の計画立案・実施・解析・論文執筆に一切の関与はいたしません。これらのことについては自己申告し、外部有識者を含む委員会において審査・承認されています。資金提供者等の利益や意向に影響されることなく、本研究を公正かつ適正に実施することをお約束します。

お問い合わせ先

患者さんのご希望があれば参加してくださった方々の個人情報の保護や、研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合はお申し出下さい。
また、情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、20191231日までに下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。また、この研究計画についてご質問がある場合にも下記までご連絡ください。

< 連絡先 >

西陣病院 消化器内科
職・氏名 部長・葛西 恭一  
電話:075-461-8800

京都府立医科大学 消化器内科
職・氏名 准教授・内藤裕二   
電話:075-251-5519(消化器内科内)